へいこく雑記帖   メッセージ



宇宙誕生7億年後の宇宙の大きさ

(以下{ }内は「newton、6、2016」からの引用)


著者 高田敞

1 条件

(1) 「newton、6、2016」に次の記事があった。{大阪産業大学の井上照雄博士らは、チリにあるアルマ望遠鏡を用いて,宇宙誕生からわずか7億年後の銀河を観測した。}

(2) ハッブルディープフィールドでは、南天、北天とも、同じように、100億光年を超える位置に銀河が観測されている。

(3) ビッグバン宇宙論は、138億年前に1点から膨張してできたという説である。

2 以上のことから考えられること

@ 宇宙誕生からわずか7億年後の宇宙の大きさ

A 宇宙の膨張速度

B 地球に対する{宇宙誕生からわずか7億年後の銀河}からの光の速度

3 考察

(1)@宇宙誕生からわずか7億年後の宇宙の大きさ

 上記銀河は、ビッグバン宇宙論からすると、131億光年先の銀河であると考えられます。

 また、ハッブルディープフィールドによると、地球から、北の方向にも南の方向にも、100億光年以上離れた所に銀河が観測されています。

 このことから、地球から131億光年離れた宇宙に、宇宙誕生から7億年後の銀河が満遍なくあると考えられます。

 すると、宇宙誕生から7億年後には、すでに、宇宙は少なくとも地球が現在ある位置を中心として半径131億光年の大きさの球形に広がっていたということが類推できます。

 宇宙は地球が中心ではありません。だから、この宇宙の大きさは一番小さく見積もった大きさです。宇宙が1点から膨張したとすると、最低でも、この2倍、半径262億光年の広がりがなくてはなりません。端から端まで524億光年です。おそらくその何倍もなくてはならないでしょう。なぜなら、地球が宇宙のどこにあるかわからないからです。

インフレーションビッグバン論者は宇宙に中心はないといっているけれど、彼らのいうように、宇宙が1点から始まり、膨張したとすると、その1点から全方向に膨張したはずだから、その最初の1点が宇宙の中心になるはずです。直径1mの宇宙の時も、直径1kmの宇宙の時も、その1点から、右に行ったものと、左に行ったもの、上に行ったものと、下に行ったもの。あるいは、角度30度で互いに離れて行ったものなど、さまざまであっても、その航跡は、最初の1点で交わっているはずです。あらゆる爆発にその中心があるように、宇宙がビッグバンで始まったなら、その始まりの1点が宇宙の中心になるはずです。その大きさが、1光年になろうが、10億光年になろうが同じです。

また、インフレーションビッグバン論者は時間をさかのぼればこの宇宙は1点に行き着くともいっています。なら、その行き着く1点が宇宙の中心です。(*注1)

 ということは、その1点から互いに反対方向に飛んだものは、空間膨張が光速を超えると、見ることができないことになります。後に書くように、7億年で、最低で半径131億光年の大きさの球形に広がるには光速を超えていなければならないようですから、地球からは、ビッグバンの始まりの1点の反対方向の宇宙は見えないはずです。今地球から見えている銀河は、すべてビッグバンの始まりの1点の地球側に飛んできた銀河であるといえそうです。

ここではそれは置いておいて、最低の数字、宇宙誕生後7億歳の宇宙の半径は131億光年であったということで考えてみます。

(*注1:「Newton3,2016」号で、空間が均等に膨張した時、どの銀河から見てもハッブルの法則が成り立つということの証明に、ゴムひもやゴム板を引き延ばすことで説明しています。この説明では、{ゴム板の中心が「宇宙膨張の中心」というわけではありません」と断っています。しかし、現実にはゴム板を周りから均等に引っ張ると、ゴム板の膨張の中心ができます。引っ張る力が均等でなくても、やはりその力に応じた中心ができます。ゴム板の膨張の中心を否定することはできません。ある事実をないことにすることによってしか、{天の川銀河から見た距離と遠ざかる速さは比例しており}どの銀河から見ても、銀河はハッブルの法則が成立するということにならないのです。宇宙の始まりが、1点なら、どの銀河から見てもという設定はできなくなります。地球から見ると太陽が動いており、と同じ考え方になるからです)

(2)宇宙の膨張速度

 宇宙は、誕生から7億年で、半径131億光年(考えられる最低の距離)以上に広がったことから、{宇宙誕生からわずか7億年後の銀河}の一番遠いもの同士(たとえば北天の銀河と南天の銀河、あるいは、東天の銀河と西天の銀河など)の距離は最低で262億光年になるので、1点から7億年でその距離に離れるには、互いに離れる速度は平均して光速の37.4倍になります。それぞれが受け持つ速度は光速の18.7倍です。

ア ハッブル定数との関係

 ハッブル定数は、500万光年で秒速100kmということです。これから考えると、262億光年離れた銀河どうしでは、光速の1.74倍ほどで互いに遠ざかっていくことになります。7億年までの膨張速度の20分の1ほどの速度です。これでは、とても、7億年で半径131億光年の距離に宇宙が広がることはできません。まして、初期宇宙は、1ミリに満たない大きさです。ハッブル定数による膨張などないに等しいものです。宇宙の端と端が500万光年の距離に離れた時の宇宙でさえも、やっと秒速100kmです。1年間に31億kmほど離れます。すごい距離のようですがせいぜい3光時ほどの距離です。7億年では25万光年ほどしか膨張しません。銀河系の2倍半ほどの大きさです。もし、宇宙が直径500万光年から始まったとしても、宇宙の端と端が、525万光年の宇宙にしかなりません。天の川銀河とアンドロメダ銀河の間のほぼ2倍くらいの距離です。

直径1億光年の宇宙でも、端と端が広がる速度は、ハッブル定数では、秒速2000kmです。0から膨張しだした宇宙が、半径262億光年に広がるのとは比べ物になりません。

 このことから、宇宙は、宇宙誕生後7億年の間は、ハッブル定数とは関係のない膨張の仕方をしていたと考えるしかなくなります。

問題は、ではハッブル定数とは何なのかということです。

ハッブル定数があるから、宇宙は138億年時間をさかのぼると1点に集まるからビッグバンがあったということになっているということは、最初の1点からハッブル定数で計算しているということになるはずです。けれど、7億年までの宇宙が光速の何十倍もの速度だとしたら、宇宙年齢計算にハッブル定数以外に、この速度をいれなければならないはずです。でもそのような計算をしている人はいません。

インフレーションとかビッグバンとかいう膨張はそれだけで独立してハッブル定数とは関係ない扱いです。おそらく、ハッブル定数では、宇宙はいつまでたっても膨張できないから、最初はハッブル定数とは無関係に爆発で膨張したことにしているのでしょう。

イ 他の膨張の仕方

 最初にドカンと宇宙が巨大になったということなのかもしれません。インフレーションのような現象です。しかしこれでも矛盾が出てきます。ハッブルの法則は、時間を138億年遡ると、宇宙は1点に集まるという理論です。しかし、ドカン、と宇宙が巨大になったら、138億年遡っても、宇宙は1点には集まりません。最初の7億年のところまでさかのぼると、宇宙はまだ、最低で半径131億光年の距離(現在地球から観測できる最大の距離)、おそらくその倍以上の大きさはなくてはならないのですから。

宇宙で一番最初に起こったインフレーションなどは、最終的な大きさが、ピンポン玉から、何百億光年までの範囲のさまざまな説があるようだから、計算のしようがないのは分かる気がします。ハッブル定数で遡ると、そこから、一気に光速の何十倍、あるいは何兆倍もの速度で縮まなければなりません。まあ、変な話です。

ウ もうひとつ速度について考えます。

 地球(地球の形になる前の地球の原料となる物質)と、観測された銀河は、生まれた時はほぼ同じ場所にあったと考えられます。そこから7億年で131億光年離れて行ったと考えらえます。宇宙誕生から7億年の間は互いにおそらく同じ速度で離れていたはずだから、その銀河は平均して光速の9.35倍の速度を受け持ち、地球の源物質も、平均して光速の9.35倍の速度を受け持って互いに反対方向に移動していたということです。

 地球もたいしたものですね。光速の10倍近い速度を出していたのですから。

 では現在はどうでしょう。ハッブルの法則では、距離に比例して離れる速度は速くなることになっていますから、現在は131億光年よりもっとはるかに遠く離れているはずですから、その銀河と地球はもっと速い速度(7億年で131億光年離れる速度)で離れているはずです。実際、宇宙膨張は加速されているという観測結果があります。今も地球はその銀河に対して、光速の18.7倍以上の速度で離れているということです。その半分を地球が受け持っているとすると、地球は、実質今も、光速の9.35倍以上の速度で移動しているということになります。

 もちろんこの光速を超えた地球の速度は観測されていません。周りの空間も同じ速度で動いているということから、地球を包む空間との相対速度は観測されないと言い訳するでしょうが、それにしても光速の約10倍の速度で地球が空間と共に移動しているというのは不思議な現象です。

 もちろん、南天の銀河に対してその反対方向に光速の10倍で動くなら、その反対の北天の銀河に対してもまたその反対方向に、光速の10倍の速度で動いているということです。地球はどちらに動けばいいのでしょう。空間膨張はそれをなんなくこなす仕組みのようですが、何といっても、光速の10倍以上の速度ですからね。

 

(3)地球に対する光の速度

上に書いたように、宇宙誕生から7億年の間は、地球に対してその銀河は、光速の18.7倍以上の速度で遠ざかっていたということです。これはビッグバン宇宙論では空間膨張が原因であるということですから、その銀河の周りの空間も光速の18.7倍以上の速度で地球から遠ざかっていたということになります。すると、131億年前にその銀河から出た光は、光速で地球に向かっても、空間が地球から後退しているので、地球に接近することはできないはずです。

おそらく、空間が離れる速度から光の速度を引いた光速の17.7倍の速度で地球から遠ざかっていくはずです。

この後退速度が、いつまで続いたのかは定かではありませんが、一気に減速するとは考えられません。131億年前にその銀河から出た光も、光速以上の速度で地球から後退していたと考えられます。そして離れれば離れるほど、ハッブルの法則で、空間膨張のための後退速度は増します。永久に、その光は地球には届かないでしょう。

その光がなぜ今地球から観測されるのでしょうか。

矛盾です。

結論

ハッブル定数は、138億年遡ると宇宙は1点に収縮するという仮説です。しかし、131億年前の宇宙が、半径少なくとも131億光年になるとすると、ハッブル定数とは矛盾します。

実際に131億年前の銀河が観測されていることから考えると、ハッブル定数が間違っているということになります。

上に書いたように、誕生後7億年で、宇宙が最低で半径131億光年に広がったり、光速で空間が遠ざかっている中を光がちゃんと光速で地球に到達したり、不可解な現象ばかりです。

 何故そのような不可解な、今解明されている物理学では何一つ説明できない現象ばかりが起こるのでしょう。簡単です。138億年前に、無の1点から宇宙が生まれ、空間と共に膨張したという考え方が間違っているからです。

宇宙論者が言う、インフレーションも、ビッグバンも、空間膨張も、無の1点から全宇宙が生まれたも、どうしてそうなるのかという証明された物理的理論は何一つありません。あるのは空想の理論だけです。それも通用しなくなると「謎」の一言で済ませています。肝心なことはみんな謎です。なぜ理論がわからないかというのも、やはり、無の1点から宇宙が生まれたということが間違っているから、その理論も、「仮説という名の空想」か「謎」しかないのです。そんな物理現象は実際にはあり得ないからです。

たとえば、「無」の1点から全宇宙の物質ができたとすると、その巨大なエネルギーはどこから現れたのかという、疑問がわきます。「真空の相転移」などと、鬼の首を取ったように言う人もいます。しかし、真空が相転移するという物理現象は証明されていません。勿論真空が相転移にすると物質になったり、エネルギーになったりする仕組みの実証された理論もありません。いつも彼らが比べている、水の相転移は、beforeafterもエネルギーの総量は変わりません。エネルギー不変則は維持されています。しかし、「真空の相転移」はエネルギー不変則は完全に無視されています。「無」から全宇宙の物質と、物質が持つ巨大な位置エネルギーと、ダークエネルギーと、ダークマターが生まれるのですから。「無の1点」に、そのようなエネルギーはあるはずがありません。勿論それが「真空の1点」であってもです。量子論で説明している人もいますが、全宇宙はマクロの世界です、量子の世界ではありません。ビッグバンのエネルギーも、インフレーションのエネルギーも、どこから湧いて出たのでしょう。月が、地球に衝突したら、地球はドロドロに溶けるでしょう。それは位置エネルギーです。地球を溶かすほどの位置エネルギーを生んだのも、「無」のはずです。宇宙の恒星も、ガスもすべて巨大な位置エネルギーを持っています。総量は天文学的数字になることでしょう。その位置エネルギーも1点から離れて行ったのですから、すべて、「無」から生まれたということです。

「無」は無尽蔵にエネルギーを生み出すということのようです。

 

あた、直径1mmの球の中に、この全宇宙がすっぽり入るわけはないでしょ。直径1mだって無理でしょ。地球はバカでかいです。太陽は小さく見えても、もっと馬鹿でかいです。この2つが、直径1mmの球に入ると思いますか。宇宙論者にこんなことを言っては怒られそうですが、星はとても小さく見えますが、それらは太陽と同じく馬鹿でかいのを知っていますよね。では、それらの星が、直径1mの中に、1千億個入ると何故何の疑問も持たずに考えるのですか。インフレーションビッグバン論者は入ると考えているのです。ところが宇宙には、その、馬鹿でかい星だけで、少なくともその1千億倍あると考えられています。1千億個の、1千億倍の数の恒星です。それが直径1mの球の中に入ると考えているのです。それに対して、何の疑問も持たないのが、インフレーションビッグバン論者です。

 そもそも、宇宙全体の巨大な質量を、瞬時に光速の10数倍の速度(インフレーションにいたっては、一瞬より短い時間で、光速の何兆倍もの速度に加速するのだからたいしたものだ)に加速するエネルギーが「無」の、それも、ないに等しい1点(「無」はないことなんだから、1点も5点も、1−24mの大きさも1013mの大きさも存在しないはずなのですが)から生まれるとは考えられません。もちろんその仕組みも未解明です。これからも分かりっこないでしょう。

 科学者なのによくそんなことを真面目に考えていること。まあ、宗教学者なら神様がいらっしゃるので、それもありでしょうけど。