宇宙膨張の仕組みについて、「ペテルギウスの超新星爆発」(野本陽代著幻冬社)(以下{ }内は上基本よりの引用}ではゴムひもで説明している。
{ここに1センチメートル間隔にしるしをつけたゴムひもがあるとしましょう。このひもの両端をもって倍の長さまで引っ張ったら、しるしの位置はどうなるでしょうか。となりのしるしまでの距離は二センチメートルに、その次のしるしは四センチメートルに、さらに次のしるしは六センチメートルになるでしょう。・・・・、遠くのしるしほど動いた距離が長くなったことになります。}
{宇宙が膨張すると同じことが起こります。宇宙の膨張は、延びていくゴムひもに、銀河はそれにつけられたしるしに相当します。近くの銀河は宇宙が膨張してもそれほど遠くにはいきませんが、遠くにある銀河ほどものすごい勢いで私たちから遠ざかっていきます。}
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ゴムひも |
宇宙膨張 |
かかっている力 |
両端から引っ張っている。現在の物理学で解明済み。 |
宇宙を膨張させている力は宇宙の内部にあるのだろうが不明。 力が空間のどこにどのようにかかっているのかも不明。 その力は今のところすべて謎である。 |
力の伝わり方 |
ゴムひもを伝わってゴムひも全体にかかっている。 |
空間は何もないから、膨張の力を伝えるものはないはずである。引力とも考えられるが、それはビッグバン理論の空間膨張理論とは相容れない。宇宙は空間膨張が先にあって、それによって物質が広がっているといわれている。 また、引力が膨張を阻害しているのは、銀河系とアンドロメダ銀河が接近していることや、太陽系が、膨張せずに46億年間存在していることなどから分かる。このことから、引力は膨張を伝えるものではないといえる。 空間膨張の仕組みを解き明かした人は今のところいない。 また、空間が膨張すると、銀河のどこにどのような力が加わって、銀河が動いていくのかのしくみもなにひとつ解明されていない。
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このように、ゴムひもが伸びる仕組みと、宇宙膨張の仕組みには共通点は何もないことが分かる。したがって、ゴムひもで宇宙膨張を説明するのは間違いであるといえる。
ここにある例は、1センチメートルごとに印をつけたゴムひもである。せいぜい40センチほどであろう。これでは宇宙に比べるには桁が違いすぎる。
そこで、地球と月の間にゴムひもを張り、両方から引っ張ってみよう。
ゴムひもは、均等に伸びるだろうか。否である。なぜなら、両方から引っ張る力が真ん中まで伝わるには時間がかかる。少なくともその時間差分均等には延びない。
ところが、地球と月の間は宇宙に比べればないに等しいくらい短い。空間がいかに何もなくても、宇宙全体が、均等に膨張するには、その膨張の力が何らかの形で宇宙全体に伝わらなければならない。
ハッブル定数は、1メガパーセクト離れた互いの銀河を70km/秒で遠ざけるということだ。すると、両銀河の間で起こった、空間膨張が、両端の銀河に何らかの形で伝わり、銀河を押しているということだ。
ゴムひもを1センチずつに分けたように、空間を、100kmずつに分けてみよう。そのそれぞれが膨張している。それが累積されて両端で70km/秒の膨張速度になると考えられる。1メガパーセクト離れた空間の端と端にそのそれぞれの空間の膨張が伝わるには、それなりの時間がかかるはずだ(伝える何らかの仕組みがあるとして)。光の速度で伝わったとして326/2万年かかることになる。
その伝わり方も、今のところ不明である。両端で引っ張っているのではなく、中の空間がそれぞれ膨張しているのだろうから、それが何らかの形で、隣の空間を押しやっているということになる。100km秋の空間の膨張と、こちらの膨張が、ぶつかり合って押し合っている、どちらかが後退しなくてはならない。後退するにも、反対側の空間も膨張して押してくるし、200km先の空間も膨張して押しているので下がりようがない。空間は押し合いへし合いになる。それでスムーズに両方に広がっていくことができるのであろうか。それはかなり困難であろう。とにかく、膨張の仕組みは何一つわかっていないのが現状である。
ところが、この1メガパーセクトでさえ宇宙の大きさに比べれば、微々たるものだ。宇宙全体にそれぞれの空間の膨張を伝え、宇宙を均等に膨張させるには、力の伝達は光速をはるかに越えなくてはならないだろう。
しかも遠くなればなるほど高速で離れていくという。伝達速度はそれを超えなければならないのだからさらに困難になるだろう。しかも押し合いへし合いにならざるを得ないのだから、均等に膨張するのは不可能に近いのではないだろうか。このあたりは、ビッグバン論者はどのように考えているのだろうか聞いてみたいものだ。どうせ説明できないから知らん振りしているのだろう。
空間膨張については、何一つ解明されていない。それなのに、膨張している、と言い切っているのは科学としては良くない傾向だ。真相究明を遅らせるばかりか、間違いを固定することになりかねない。
かつて、地球が中心であるという固定観念から、天動説が長く受け入れられたのと同じになる可能性がある。太陽が動くという証明に多くのエネルギーが使われたが、けっきょくそれは間違いであった。空間膨張があるという証明のために多くの力が注がれるために、本当のことに注がれなければならない、多くの才能と時間と、エネルギーが無駄になるだろう。
なぜみんな天動説に固守したのかというと、天動説はキリスト教の教義を証明するためのものだったからだ。キリスト教を守るために、天動説を排除しなければならなかったからだ。この、宇宙空間膨張も、銀河の赤方偏移というたった一つの現象にしがみついている。それが空間膨張の証拠であるという証拠は何もない。しかも、空間膨張の仕組みも、空間とは何かも何一つ分かっていないのに、空間が膨張していると言い切っている。ビッグバン宇宙論がキリスト教を証明するのには最高の宇宙論であることを考えると、天動説と同じ間違いをしている危険性がある。おそらく天動説の二の舞になることだろう。