絶対時間と相対時間の比較

 
著者 高田敞


絶対時間

すべてのものは同一時刻である。

 ニュートンが唱えた。古典物理学はこの考え方。

相対時間

時間の流れは決まっていない。

速度や重力によって時間の早さが変わる。

アインシュタインの唱えた相対性理論

 

T マクロの物質について

1 速度による時間の進み方の変化

速くなると、時間の速度が遅くなる。

したがって地球上の人間の速度、およそ秒速70kmより速い物質は時間の進み方が人間より遅くなり、遅い物質は時間の進み方が早くなるという理論である。

 しかし、相対性理論は、動いていることは相対的であることになっているから、動いているかどうかは、確定できないことになっている。軌道から見たら、軌道が停止し列車が走っている。しかし、列車から見たら、列車は停止し軌道が走っている。これがアインシュタインの考え方である。すると、たとえば月からみた(月を基準)地球は、地球が月の周りを回っていることになり、地球(地球が基準)から見た太陽は、太陽が地球の周りを回っていることになる。太陽を基準にしたときだけ、地球が太陽の周りを回る、地動説になる。

 だから、地球から見たら光速ロケットは光速(ロケットの時間が停止)だが、光速ロケットから見たら光速ロケットは停止し地球が光速(地球の時間が停止)になる。

 したがって、速度による時間の伸び縮みは、基準の取り方により停止から標準速(この時間の進み方があるとして、おそらくそんなものはないだろうが)まで、様々に変化して、定まらなくなる。

 このことから、速度による時間の変化は基準の取り方で様々に変化して定まらないことになるから、この速度によって時間の速度が変化するという理論は、現実には適用するのが不可能になる。要するに矛盾しかないのである。

2 重力による時間の進み方の変化

重いほど時間の流れが遅くなる。

したがってわれわれ地球人より、重力が重いものは時間が遅くなり、軽いものは早くなる。

 たとえば、太陽は時間の進み方が地球より遅くなり。月は早くなる。

3 現象

 相対性理論は、太陽は、1と2を合わせて1年に1分ほど時間が遅くなるといっている。月については分からないが、地球より公転速度分時間が早くなるが、重力が小さいから時間は遅くなるのでどうなるかは不明。(注:これは太陽を基準に取った場合である。地球を基準に取った場合は、太陽が動くから、太陽の時間が遅くなるから、もっと、時間の遅れが大きくなるのではと思われる)

4 結果

 通常の速度や重力状態では相対論効果は無視できるというが、太陽の1分は無視できない。先日うるう秒で、問題が生じた。あれは数年で1秒である。1年1分はかなりの数字だ。

 太陽系が出来てから46億年の間に、46億分(約8752年)も太陽は、地球から遅れてしまっている。その間時計を合わせていない。合わせられればの話だが。太陽の時間を合わせることなど人間には出来ない。

 今のところ人類は何の時刻にしろ、本当の時刻を合わせるすべを持っていない。時計の針を合わせて、はい!時間が合いました、と、平気なのは、相対性理論家と、小学生低学年までの子くらいだ。

 

比較

 相対性理論だと、地球も太陽も、おそらく月も現在それぞれ違う時刻にある。それも上に見るように数千年もの異なる時刻を指していることになる。アインシュタインはこのことをどう考えるのだろう。

 古典力学では、時間の進み方は同じだから、地球も太陽も、月もこの瞬間には同じ時刻を指している。

 理論的結果はかなり異なっている。しかし、現象は、太陽と地球と月は、地球時刻の現在のこの瞬間に存在している。

 どちらの理論に一致しているだろう。

 勿論相対性理論では、相対性理論の効果で時間がどんなに変わっても、必ず現在の地球のわれわれのグリニッチ標準時刻にちゃんと、太陽も、月も現れるということになってはいるのだろう。

 しかし、46億分も過去の時刻の太陽からでた光が、8分後地球に到達しているというのは考えものだ。後の45億9999万9992分はどこに消えたのだろう。相対性理論ではこの現象をどのように説明するのだろうか。ぜひ聞いてみたいものだ。

 時間は変わらない、すべて同一時刻だとしたほうが、現象をすっきり説明できると思う。

 

U 人間について(ミクロな物質の時間)

1 条件 

@ 人間は原子で出来ている。

A 人間を構成するすべての原子の元になる陽子と電子は、137億年前にできている。(ビッグバン宇宙論が正しいとした場合)

B すべての原子は歴史が異なっている。

  巨大な星になってから爆発したもの。光速で何億年も飛んでいたもの。ただ宇宙空間を漂っていたものと様々である。

 

2 考察

  すると、すべての原子は異なる時間の速度を持っていたといえる。

  このことから、今地球にあるすべての原子は、異なる時刻にあることになる。それも、137億年の原子の歴史から、大きな時間のずれがあるといえる。誕生から、46億年しかない太陽でさえ地球と46億分もの時刻の違いが生じている。それより大きな重力の中にあった原子や、それより早い速度で飛んだ原子は普通に存在するのだから、時間の流れの違いは、もっと大きかったはずだ。すると、時刻の違いは数万年、数十万年になるものはざらであろう。

 原子によっては、現在より30万年過去の陽子の周りを、現在より五万年未来の電子が回っていたりすることもあるはずだ。

3 結論

  人間のからだの原子はすべて違う時刻を指している。ひとつとして同一時刻にある原子はないはずだ。中には、地球時刻に比べ、数万年過去の時刻や、数万年未来の時刻にある原子もあるはずだ。私は今どの時刻に存在しているのだろうか。どの原子の時刻に合わせてわれわれは現れているのだろうか。

  相対性理論によると、このようになるはずだ。ニュートンの時間によれば、すべての時間は同じ速度で流れるから、すべての原子は、同一時刻にある。

 どちらの考えたかが現実に一致しているだろうか。当然ニュートンの考え方である。

 

  相対論2012年表紙