「数式いらず!見える相対性理論」(竹内建著、岩波書店)

 に対する、ちょっとした反論2

著者 高田敞
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光のドプラー効果について

1 問題

 光のドプラー効果は、{音波の場合とは違って、「同時性の相対性」によって引き起こされるのです。}と延べ、その時空図が示されている。


2 考察

 上記の説明が真であるという観測なり実証はなされているのだろうか。世界図とかいう絵の中では成り立つようだが実証がないのだから、これは仮説にしか過ぎない。

 では違う理由はあるのだろうか。ある。音と同じ、速度の変化による、ドプラー効果である。これも仮説として成り立つ。同じ波の現象なのだから可能性は大である。しかも音では実証されているのである。

 {「同時性の相対性」}で起るというためには、光と物質との相対速度の変化によるドプラー効果ではないと証明しなくてはならない。それと共に、上に書いたように、実験なり観測なりで、実際に{同時性の相対性}が起っていると、実証しなくてはならない。それが科学の基本的手順である。それがなされていないから、いくら絵に描いても、それは仮説を一歩も出ない。絵空事になってしまいかねない。

 現実は、宇宙背景放射のドプラー効果によって、背景放射(光)に対する地球の相対速度を決めている。また。系外惑星の検出のために、恒星の地球に対する速度をドプラー効果で求めているが、これも、恒星の光に対する速度変化として求めている。

 実際の観測では物質と、光の速度変化と捉えている。{「同時性の相対性」}ではない。


3 結論

「同時性の相対性」なんて、めちゃかっこいいけど、ややこしい{時空図}などなくてもいい速度変化で十分じゃないの。それじゃかっこ悪くてだめでしょうけど、アインシュタインも言っているでしょ“Simple is best.”って。

 20世紀最大の天才がおっしゃろうが、神様の尊い予言であろうが、実証されなければそれはたんなる仮説でしかありません。できないからやらないと思われる前に出来る限り早く実証すればいいんじゃないでしょうか。。百問の説法屁一発なのだ。あるいは、百聞は一見にしかず、とか。正しいなら必ず実証できるはずです。それが出来ないのは、相対性理論が間違っているからなのです。正しいなら、相対性理論の現象が、そのあたりにごろごろ転がっているはずです。


 一般的に、相対性理論は不利な理由や現象を無視し、都合のいいことばかり大きく取り上げる。なぜなら、それを否定することが出来ないからだ。科学の証明は、あらゆる反論を考えて、それを否定しなければならないことになっている。仮説を押しつけるだけでは科学ではない。

 この説を、仮説から事実に格上げするには、マイケルソンとモーリーの実験の検証実験を、彼らの数段精密な現代の装置で検証し、実証すればいいのである。簡単なことである。ところが今までもしてこなかったように(実際は行なっているのだが、それは、速度変化が出てしまったから無視している)これからも、決してしないだろう。なぜなら速度変化が出るのはわかっているから怖くて出来ないのだ。