へいこく雑記帖

その後のスタップ細胞

(これってまるでスタップ細胞じゃない)

田 敞

 

 2023年4月7日のニュースで、マウスの皮膚の細胞から作ったIPS細胞でマウスを誕生させたといっていた。また、5月3日のニュースで、阪大の研究チームがやはりIPS細胞からマウスを誕生させたというのをやっていた。

その過程は以下の通りだ。

(雄のマウスの細胞→IPS細胞→IPS細胞を培養→雌の細胞に変化→薬品処理→卵細胞→受精→マウスになって生まれた)

問題は、卵細胞をつくったところだ。雌の細胞を薬品処理して卵細胞に変化させている。細胞を薬品処理して卵細胞(万能細胞)にするというのは小保方氏が述べていたスタップ細胞の作り方の原理だ。これではIPS細胞とスタップ細胞の混合であるとはいえても純粋にIPS細胞からマウスを誕生させたとはいえない。特に一番重要な分化した細胞を卵細胞に変化させるというところをスタップ細胞の方法をとっているのだから、スタップ細胞の作り方が一番寄与したといえる。IPS細胞が寄与したのは、雄の細胞を雌の細胞に変化させたことだけだ。

IPS細胞は万能細胞である。なぜそれだけで卵細胞をつくらなかったのだろう。なぜスタップ細胞の作り方とそっくりな科学薬品の処理を行ったのだろう。今回の阪大の行った卵細胞の作り方ではIPS細胞だけでは卵細胞はできないということである。小保方氏の行ったスタップ細胞の作り方(薬品処理)を行わなければ卵細胞はできないということを示している。

 IPS細胞は、卵細胞になれないというのが以前の説だった。実際今までIPS細胞からマウスはできていなかった。しかし、小保方氏のスタップ細胞からはマウスにまで発生させていた。当時IPS細胞は卵細胞までは戻れないがスタップ細胞は卵細胞まで戻れると言われていた。

 スタップ細胞の原理でみんなが驚いたのは、薬品処理で普通の細胞(分化した細胞)から万能細胞を作ったことだ。晴天の霹靂であった。

今度の阪大のマウスを作った方法も、一番肝心なところ、細胞を卵細胞(万能細胞)に変化させるところが薬品処理である。IPS細胞から遺伝子操作(IPS細胞の作り方)で卵細胞をつくったのではない。一番肝心なところがスタップ細胞を造る方法と同じであるのはどうしてだろう。IPS細胞は万能細胞であるということだから、薬品処理をしなくても卵細胞になってもよさそうである。ところがそうはならない。薬品処理をするということは、小保方氏が捏造したとして否定された方法ではなかったのか。理研もはっきり否定していた。今なぜ、日本の科学者がこぞって否定していた方法を使ったのだろう。もし薬品処理で卵細胞(万能細胞)ができるなら、薬品処理で作ったスタップ細胞は本当だったということになる。今回の成果はそれを証明しているといえる。

 あの当時を振り返ってみよう。

・ 科学雑誌ネイチャーの見解

小保方氏のスタップ細胞を肯定。論文のあら探しをした人の論文は、ネイチャーは「こんなのは科学ではない」と門前払いをした。

・ マスコミの見解

スタップ細胞を否定。あらさがしの学者の意見を肯定。

・ ネイチャーの審査員

 その分野の世界の一流の学者複数人による審査。

・ マスコミの審査員

 科学の分野の素人。文章のプロ

不正の防止

・ ネイチャー

 匿名の複数の審査員。誰が審査しているか隠してある。論文提出者は審査員を審査の前に拒否できる。

理由は審査員の不正を防止するためである。同じ分野の研究をしている人が審査するのだから、審査員が、論文提出者に先を越されないように論文のあら探しをして、論文を没にし、成果を横取りできないようにするため。

・ マスコミ

不正防止のシステムはない。

利害関係

・ ネイチャー

 論文を採用しても不採用にしても儲けは変わらない。

・ マスコミ

スクープ合戦をしていた。それで、本や新聞の発行部数を上げたり、視聴率を上げたりしていた。どちらかというと不正報道の方が儲かる。報道内容によって儲けが異なる。正否ではなく、どちらが耳目を引くかによって方針を決めている可能性がある。

世論 

 普通の人はネイチャーを始めて知った。人はマスコミを日常目にしている。したがって、ネイチャーの判断より、マスコミの判断を信じた。普通の人は科学の素人であるから、世論はスタップ細胞の正否の審査する能力はない。実際マスコミのいいなりであった。

説得力

・ ネイチャー

 論文提出者は科学にはたけていても、文で人を説得するのは素人である。世論に訴える手段も持っていない。

・ マスコミ

 科学には素人だが、文章で人を説得するのはプロである。報道機関を持っているから、世論に訴えることができる。

 実際、巧みな文章や言葉で、世論をスタップ細胞捏造に持っていった。

(例)

@他の科学者の捏造事件。小保方氏とは完全に関係ない事件であった。それを持ちだして小保方氏も捏造をしたと世論を誘導した。裁判で、殺人事件は昔からいっぱいあった、だからお前も殺人を犯したという判決が出たら、それは正しいといえるだろうか。否である。マスコミは言葉巧みにそれをやった。

A論文のコピペ。学生が丸ままコピペしてレポートを提出している。小保方氏が他人の研究から引用してコピペしている。だから小保方氏の論文は他人の盗用であり捏造である、と述べていた。そうだろうか。まる写しの学生のコピペはすべて他人の考えである。学生の考えは0である。では小保方氏の論文はどうだろう。小保方氏が考えたことが主である。一部に引用があるだけだ。論文の引用は、科学としては常識である。科学は先人の研究成果の上に自分の研究を上積みすることで発展してきた。だから論文の引用は科学の常識である。世界では、論文が引用された数が多いほど良い論文であると評価される。これが科学の常識である。また、引用するときは一字一句そのままでなければならない。打ち間違いを避けるためコピペが常識である。マスコミは論文をコピペしたと言って、学生のまる写しのコピペと同じだと言葉巧みに非難した。その記事を書いた人が科学のど素人である証拠である。それを受けた普通の人も科学の素人がほとんどであるから、マスコミの言葉巧みな嘘(マスコミも引用は当たり前であると知っていた可能性がある。それを言葉巧みに悪いことのように世論を誘導した)を信じた。そういう報道をしたマスコミこそ捏造である。

理研の見解

 スタップ細胞はES細胞から作られたから捏造であると結論を出した。

 しかし、その根拠となる論文は出さなかった。また実証もしなかった。理論も実証もないのだから科学とはいえない。また理研の結論を検証した第三者の科学者もいない。ないないづくしである。たんなる誹謗中傷から一歩も出ていないといえる。小保方氏が、論文と実証実験について論文を提出し、世界のその分野で認められている複数の科学者に正しいと言われているのに比べれば雲泥の差がある。しかし、マスコミも世間も理研を正しいとした。根拠は理研という権威だけだ。小保方氏が若い女性だから、あんなチャラチャラした小娘に何ができるとあら探しに終始し、権威になに一つ疑問を持たず媚を売るのがマスコミだ。ネイチャーの審査員が一流の科学者であるのに対して、マスコミも世間もど素人である。これが小保方捏造説を生みだした。当時もES細胞から卵細胞はできないというのが分かっていた。マスコミはこれを無視した。理研は知っていて、これを内緒にした。彼らこそ捏造したのだ。

結論

 小保方捏造報道は、まさに「褒め言葉がのどに引っ掛かっている間に、悪口は地球を半周する」ということの典型である。マスコミが悪口を言ったら、対象者は葬られる。ノーベル賞をもらえるかもしれない研究を発表した小保方氏は科学者として葬られた。おそらく人生も取り上げられたのではないだろうか。立派な研究者であった笹井氏は死ぬしかなかった。悪口の力である。よく職場でもあると聞く。自分よりいい仕事をした人を妬んで、あら探しをし、悪口を言いふらし、職場から追放する人がいると。なんと似ていることか。集団いじめとはそんなものだ。それをマスコミがやった。悪口に飛び付いてスクープ合戦をして儲けたマスコミは反省しているのだろうか。そんなことあったっけ、とあっさり捨て去って、次々と、儲け口を探していることだろう。しかし、今、いろいろなところで、化学薬品の処理で万能細胞がつくられている。小保方氏が発表した化学薬品で処理して万能細胞を作るということが当たり前になっている。小保方氏が発表しなければ誰も考えつかなかった方法だ。それを研究して発表した小保方氏の偉大な功績だろう。小保方氏はほうむられたけど、その成果は生き残り輝いている。(プラズマで細胞を刺激して、万能細胞を作ったという研究をテレビでやっていた。これも刺激を与えることで細胞を万能細胞に変えるという小保方氏の考えと同じだ。刺激の種類が、薬品からプラズマに変わっただけだ。根本は同じ発想だ)

阪大のチームは、薬品処理して卵細胞を作った方法を論文にしてネイチャーに投稿すればいい。きっとノーベル賞をもらえるだろう。でもできないだろう。小保方氏の論文を審査した人がそれを見るからだ。