TAXI・人気シットコム、タクシーとは?

taxi

 アメリカNBC制作のsitcom(シチュエーション・コメディー)で、1978年9月〜1983年7月まで放送された。
 タクシー会社の事務所兼整備場を舞台に、個性豊かなキャラクターが出演、放送開始直後から大人気となった。アメリカでは今でもケーブルテレビなどで放送されていて、多くの人が見ているそう。
 アンディはこの中で移民のエンジニア、ラトゥカ・グラヴァスの役で出演。この作品で全米中の人気者となる。
 他の出演者は、ジャド・ハーシュ、ジェフ・コナウェイ、ダニー・デヴィード、クリストファー・ロイドなどなど。ダニーさんは「マン・オン・ザ・ムーン」ではアンディのマネージャー、ジョージ・シャピロさんの役として出演。他の出演者のみなさんも、映画の中の「TAXI」のシーンで出演。ジム・キャリーが演じるアンディは若々しく、他のキャストはそれなりに老けていて、その対比がなかなか面白かったです。


Latka Gravas・ラトゥカ・グラヴァス

Latka  ラトゥカは移民のエンジニア。実際どこの国からやって来たのかは、誰も知らないわからない、という設定。母国語と、たどたどしい英語を話す。純朴で心優しく、突拍子もないことを言い出して周りをいつもびっくりさせる。
 キャロル・ケイン演じる、同郷のシムカと結婚。二人の母国語での会話は全然わけがわからなく最高。
 移民という設定は、アンディの「ガイコクジン」を見たNBCの制作スタッフが考え出したもの。アンディにとってみれば、自分の生み出したキャラクターに勝手な制限をつけられ、ドラマの中で自分以外の人が考えたストーリーを演じる、ということが退屈で腹立たしく、面白くなかった。出演によってさらなる人気を約束されているにもかかわらず、いつも早く辞めたがっていたという。
 ラトゥカのセリフは台本の中では「(ここでラトゥカ「○○というようなことを母国語で言う」)」という具合にしか書いておらず、あの独特の愉快な響きの言葉はアンディのオリジナルもの。全部即興のデタラメかと思いきや、数の数え方や、決まり文句などはいつもちゃんと同じ言葉が使われている。アンディ作の奇妙な言葉を母国語として完全に使いこなしていたシムカ役のキャロルさんはすごい。
(アメリカのTAXIのファンサイトラトゥカ・ディクショナリーがあり笑えます。)


トニー・クリフトン、"Taxi" 出演前にクビに

 アンディが"Taxi" に出演する際にNBCに要求していた条件の中に、"Taxi" へトニー・クリフトンを少なくとも2回以上、出演させること。というのがあった。
 トニーはリハーサルの時間にもちろん遅れて到着。しかも二人の売春婦のおねえさん付き。台本はもちろん読んでなくて、実際に他の出演者の人達と合わせる時にもメチャクチャなアドリブばかり。リハははかどらないどころか、全く進まず、他の出演者もスタッフもイライラが最高潮に達していた。
 とにかく、やりたい放題のトニーは、酔っ払いながらセットのタクシーのボンネットに上り、「聞けよ、これが新しい主題歌だ。」とか言いながらヒドイ即興の歌を歌ってみたり、飛んだり跳ねたり大騒ぎ。
 我慢の限界が来たプロデューサーがトニーに「クビ」を伝えると、トニーはキレて手のつけられない怪獣のようにセットをボコボコに壊し出した。飛んで来た警備の人に取り押さえられ、トニーはスタジオから強制退去。この事件は新聞にも載り、トニー・クリフトンの名を世間の人に知らせるのに大いに役立った。


ヴィック・フェラ〜リ

Vic  ラトゥカがメインのエピソードの中で、ラトゥカが二重人格になり、ラトゥカとは全く違う人格に変身してしまう、というのがあった。その時のキャラクターが、ヴィック・フェラーリ。世間知らずで純粋なラトゥカとは正反対で、都会的、女性の扱いも手慣れたものでペラペラと饒舌に器用に英語を話し女性を口説く。
 不器用に話すラトゥカしか知らない視聴者は、この変身に大喜び。アンディのことを、本当に英語の話せない外国の俳優と勘違いしていた人もいたくらいだから、さぞ驚かされたことだろう。
 ヴィックがあまりにもソフィスティケーティドされててイヤミなくらいなので、ラトゥカの友達はみな、ラトゥカに戻って欲しがった。ヴィックからラトゥカ、ラトゥカからヴィックへの変身の瞬間は何度見ても爆笑。


"TAXI"をビデオで見よう!

Latka


 "TAXI- Best of Andy Kaufman"というシリーズが4本販売されており、これで8話分のエピソードが楽しめます。字幕がないのは辛いけど、字幕不要のラトゥカのセリフなら充分、堪能できちゃう。
 Amazon.comだと、一本$9.95で。(送料別)

"TAXI- Best of Andy Kaufman Vol.1" -
 "Paper Marriage", "Mama Gravas"

"TAXI- Best of Andy Kaufman Vol.2" -
 "Latka the Playboy", "Mr. Pesonalities"

"TAXI- Best of Andy Kaufman Vol.3" -
 "Simka Returns", "The Wedding of Latka & Simka"

"TAXI- Best of Andy Kaufman Vol.4" -
 "Scenskees from a Marriage, Part.1 & 2"