books

Lost in the Funhouse-The Life and Mind of ANDY KAUFMAN

 Bill Zehme著。(色々なバイオグラフィー本を書いている人らしい)
 ハードカバーとペーパーバッグ版があり、ペーパーバッグ版にはオマケとして、アンディがエルヴィスに宛てた手紙の文面がついています。
 映画「マン・オン・ザ・ムーン」ではとうてい表現しきれなかった、コメディアン(またはsong-and-dance man)であり、一人の人間であるアンディ・カフマンを細やかなリサーチでもって描き出した、これぞアンディ入門書ともいえる一冊。(のわりにまだ最後まで読めてなーい)
 映画では変わり者のイメージばかり強く描かれていたけれど、アンディの子供時代(やっぱり変わり者だったみたいだけど)のエピソードや、家族に宛てた手紙、アンディの書いた詩なども間に挿まれていて、よりリアルなアンディ像が浮かんでくるような。
 映画の内容と、ズムダさんの本の内容に不満を持つアンディの家族は、この本こそ、本当のアンディを伝えるものだ、とすすめているらしいです。家族の知るアンディ、というものが映画ではほとんどカットされてましたが、この本ではプロとして活躍する前のアンディについてもページを多くさいています。
Andy Kaufman Revealed!: Best Friend Tells All

 Bob Zumda著。ハードカバーとペーパーバッグ版があります。
 アンディの親友がアンディの全てを超暴露!みたいなタイトルですが、ズムダさんというのは、アンディがコメディクラブに出演していた頃からの友達で、アンディと共同でネタを考えたり、ドッキリを仕込んだり、トニー・クリフトンになったりしていた人らしいです。
 原文は読んでないので雰囲気はわかりませんが、訳本を読む限りでは、アンディにかなり濃く関わってきた人なんだな〜という印象。ただ、アンディのことを描き出す、というよりも、いかにして自分がアンディと関わってこれたか、みたいなズムダさん自身の回顧録、みたいな感じが強く出過ぎかな、と思うところも。でも親友として大事な友達のことを文章にすると、どうしてもそうなっちゃうのかなぁ。
笑いの天才 アンディ・カフマン マン・オン・ザ・ムーン

 Bob Zumda著。塩原通緒訳。角川文庫。
 表紙がジムのアンディなんで、「マン・オン・ザ・ムーン」の原作本と勘違いされそうだけれど、上で紹介したズムダさんの著書の訳本です。
 内容は、主にズムダさんがアンディとコメディ・クラブで知り合ってから、一緒にライターとして仕事をするようになる中で、アンディとズムダさんががどんなことをしてきたか、どんな裏話があったか、というもの。
 原作のタイトルにもある通り、暴露本的な感じもあり、今まで明かされていなかった、ジェリー・ローラーとの対戦の真相や、「フライデー」の乱闘事件の裏側、アンディの変わった習性や女性関係なども大胆に告白しちゃってます。
 TVやステージ以外のプライベートな時間でも、周りの一般の人達を相手に様々なイタズラやドッキリをアンディと企んで仕掛けてきたというズムダさんのやんちゃぶりもうかがえます。
 上にも書いたけれど、アンディ本というよりは、アンディと関わってきたズムダさん本、という印象が強い部分があって、多少「あれー、自分の世界に行っちゃってるよ〜」という感じがしないでもないです。でも、そのせいでかえって、アンディとの思い出が生々しく感じれたりもするのかな。多少強引なくだりもあるけれど、ズムダさんがいかにアンディのことを親友として特別な存在として思っていたか、というのは熱っぽい文章でよく伝わってきます。
 アンディがどんな人物だったのか、どんなことを仕事としてやってきたのか、ということを数え切れないほどのエピソードによってイメージさせてくれる本。読んでおいて損はないと思います。
Was This Man Genius?

 Julie Hecht著。ハードカバー。Random Houseより刊行。
 20年以上前に、Hechtさんがアンディを追跡取材、インタビューしまとめられたもの。当時Harper'sという雑誌に載せる予定で書かれたものだけど、長過ぎて掲載できないというので、お蔵入りしていたものらしいです。
 アンディの高校でのパフォーマンス、SNLへの出演、カーネギーホールでのコンサート、と1978年〜1979年のアンディを追ったドキュメンタリーとして、アンディの言葉を交えつつまとめられているそう。(まだ読んでないの)
 インタビューをしようとするHechtさんに、アンディは様々な方法で彼女の忍耐を試していたそう。性的な感染症について人前で大声で訊ねたりとか、アンディがトイレに入っている間にインタビューしろって言ったり、凍ってる道を車でまわれ、ハンドルきるかわりに手を叩いて踊れって言ったり、とか。(無茶苦茶だなぁ)
 最後のインタビューで「どうしてこういうこと全部話してくれたの?」と聞くと、アンディは「だって、君が我慢したからさ。」と答えたそう。
 ある意味「体を張った」取材と言えるかも....興味深い一冊です。  


God...and other plays /The Huey Williams Story /Poetories and Stories

 アンディ自身が書いた本が、3冊出版されてます。
"God...and other plays"は、アンディがグラーム短大の学生だった時に書かれた劇で、2度ほど、気乗りしない友達を説得し、上演にこぎつけたのだそう。若かりしアンディの中に広がる世界を垣間見れる、の?
"The Huey Williams Story"は、1979年から1983年にかけて書かれた自叙伝的小説。完成しないまま終わっているため、本の序文を書いたBill Zehmeさんはその中で「もし今アンディがいて、『あと6ヶ月しか生きられないとしたら、何をしたい?』と訊ねたら、アンディは『どこかに行って、小説を完成させる』と言うだろう」と書いているのだそう。
"Poetries and Stories"は、アンディが書きためた詩や散文、メモ書きのようなものをまとめたもの。温かかったり、冷徹だったり。善良だったり、悪意に満ちてたり....。アンディの書いた文章なら、きっとちょっと読んだくらいじゃ理解できないんだろうなぁ。と、思いつつも注文しちまいました。果たして読めるんでしょうか。あああ。

こちらに詳しい情報が→Andy Kaufman inprint.com