会 長 挨 拶

井上千弘会長
類化と必要な対策の明確化、B規制対象区域内の土壌の搬出の規制、搬出土壌に関する管理票の交付及び保存の義務、搬出土壌の処理業についての許可制度の新設といった搬出土壌の適正処理の確保、などが新たに盛り込まれています。
 平成
15年の土壌汚染対策法の施行に伴い、土壌汚染の調査と対策事例は飛躍的に増大しております。(社)土壌環境センターの調査によりますと、平成20年度における土壌汚染調査・対策の受注額は約1,345億円、受注件数は11,591件となっており、経済不況の影響で平成18年のピークから見ると減少しているものの、「土壌浄化ビジネス」の市場が大きく形成されてきております。土壌調査により汚染が発覚した場合には、多くの場合「土壌浄化」が実施されます。これまで行われてきた「土壌浄化」の大半は汚染土壌を掘削し別の場所に搬出して処理を行う「掘削除去」であり、処理コストがかさむこと、また処理に伴う環境負荷が大きいことが問題となっております。そのため汚染された土壌の浄化が実施されるのは事実上大都市周辺の土地価格が高いところに限定されています。東北地方のように土地の価格が相対的に安いところでは、土壌汚染が発見されても、その浄化費用に見合う土地取引が期待できないため対策が行われず、有害物質による健康リスクや環境リスクが軽減されないままの状態で放置されるとともに、土地の再利用が妨げられています。一方、東北地方ではかつて多くの鉱山が操業していたことからもわかるように、もともと岩石・土壌中の重金属濃度のバックグラウンドが高い場所が多く存在しています。このような土地で宅地造成、鉄道・道路建設や河川改修などを行う際、発生
する建設残土から土壌環境基準を超過する重金属類の溶出が認められる事例が多いことが最近になって知られてくるようになりました。このような問題に対する対処の仕方や有効な解決策は明確にされておらず、関係者を悩ませているところです。
 このような背景のもとで、東北地方において土壌汚染に関する情報交換を密にし、産学官の力を結集しながら、地域の実情に即した調査・浄化技術を研究・開発することを目的として、平成14年に東北土壌汚染研究会は結成されました。現在、個人会員数は100名余り、法人会員も26社に達し、その活動は次第に社会に認知されるようになってきました。研究会発足以来、これまでに主に会員を対象とした研究集会を26回開催し、また会員以外にも公開した講演会を10回開催するなどの活動を続けてきております。昨年8月には福島県いわき市の小名浜製錬株式会社小名浜製錬所および株式会社クレハ環境の見学会を開催し、22名の会員の参加を得ております。また、昨年11月には岩手ネットワークシステム(INS)環境リサイクル研究会と共同で「土壌汚染対策の現状と土壌汚染対策法の改正」に関する講演会を開催し、会員以外の方を含め約100名の参加者を得ております。今後、本研究会の活動をさらに活発にするために、会員の皆様はもちろんのこと会員以外の方々あるいは多くの関係諸会社・機関・団体のご支援、ご協力を賜りたいと思います。また、土壌汚染に関心を持たれている関係者はぜひとも東北土壌汚染研究会にご参加頂き、ご指導頂ければ幸いです。

                             平成22年4月
















 

ホームページヘ
井上 千弘
(東北大学・大学院環境科学研究科・教授)

土壌汚染対策法が施行されて7年が経過し、土壌汚染問題は社会的な関心が高まっております。この間の社会情勢の変化や、法律制定時には想定されていなかった事象も明らかになってきたこともあって、第171回国会において「土壌汚染対策法の一部を改正する法律」が成立し、平成2241日より施行されることになりました。この「改正土壌汚染対策法」では、@3,000 u以上の土地の形質変更の際に都道府県知事による土壌汚染の調査命令が可能になるなどの土壌の汚染の状況の把握のための制度の拡充、A土地の形質変更時に届出が必要な区域(形質変更時要届出区域)や対策が必要な区域(要措置区域)といった規制対象区域の