Sun microsystems X6758A (Qlogic QLA10162)
"Sun microsystems X6758A PCI Dual Ultra-3 SCSI Host Adapter"なるとても長い名称の
SCSIアダプタ。Qlogicのサイトに詳細な情報は載っていないが、Qlogic製のカード。
基板の記載及びOEM先のSunの情報から、このカードがQlogic QLA10162と言う名称である
ことが分かる。
構成としてはintel製の64bit対応PCI-PCIブリッジ21154を介して2個のQlogic製Ultra160
SCSIコントローラであるISP10160Aがぶら下がる形態になっている。
66MHz対応との情報があることから、21154は非同期モードで使用され、カードを接続する
64bit PCIスロットのバスが66MHzで動作出来るように配慮されているものと思われる。
QlogicのUltra160 SCSIコントローラは後に2ch版の製品となるISP12160Aの66MHz対応版が
登場するまで33MHz用のモデルしか無かった(ISP10160Aは最後まで33MHz用だった)ため、
このカードが設計された時点で接続バスのクロックを66MHzから落とさないようにするには
この様な構成を採る必要があったのだろう。
また、QlogicのSCSIコントローラのバッファは外付けなので、この構成だと1ch=1チップで
バッファもそれぞれch毎で別々に持つ形になるのでISP12160Aを一個だけ使うよりも性能で
有利な場合もあるかも知れない。
OEM用のカードであり、UNIXマシン用のカードなのでPC用のSCSI BIOSはインストールされて
いない。また、OEM先のSunでの用途は外付けディスクアレイ装置またはテープ装置の接続と
なっており、単体ディスクを接続しての起動に使用する用途は想定されていない。
SCSI BIOSがインストールされていないので、98にさしても起動を阻害することはない。
故に、さすだけで苦労もなく98での使用が可能である。
残念ながらOSの起動には使用出来ない(Ntbootdd.sysでの起動について検証を行ったが、
上手く行かなかった。MS-95B3で実験した場合と異なりNtbootdd.sysを読み込んでディスク
へのアクセスに行こうとしたところでエラーとなったので、私の実験した環境問題の可能性
もあるのですが。どなたか追加実験して頂ければ幸いです。)が、HDDやテープ装置を接続
する高速なI/Fとして98で使用するのは悪くないだろう。
なお、ISP10160AのドライバはAIC-7902と異なりWindows98用やWindowsNT用も存在している
ので、98で使用するにあたってはMS-95B3よりも使い勝手が良い。
また、PCIブリッジがintel製なので98ユーザも若干取っつきやすいと思う。
なお、私が入手した物は一般的なグリーンの基板だが、赤い基板の物も存在している。
赤い基板のカードは2001年17週、グリーンの基板のカードは2003年02週製造となっており、
基板のレビジョンは赤いカードが 00 、グリーンのカードは B となっている。
相違点はPCI-PCIブリッジ21154が BC か BE か(Windows系のOSだと前者はDEC 21154として、
後者は標準PCI-PCIブリッジとして認識する)、00 の基板は B と比べて役割の記載が無い
用途不明のジャンパピンやテスト用のピンが多数見受けられる点が挙げられる。
○画像
表(Rev.B)
裏(Rev.B)
製造時期の違うの赤い基板のもの(Rev.0)