★谷野氏(重要無形文化財・人間国宝)
自宅の製紙所にて
平成二十年四月十二日に兵庫県内の若手表具師数名と谷徳製紙所様へ伺ったのが初めてでした。
写真はその時の物です。
今回(平成二十一年六月十二日)は、個人的にお客様から『仏壇の壁装』を依頼されて、名塩紙
を求めて谷野氏を訪ねました。
突然電話を掛け、「間似合い紙が欲しいのでそちらへ伺ってもよろしいですか?」と、言うと
快く「いつでも来てもらって結構です。」と返事を頂いたので早速伺うことになった。
いくら仕事と言っても、人間国宝の方を訪ねることは無いので妻も一緒に連れて行き、2人で
図々しく伺った。
名塩紙の性質や材質、歴史を話していただき、2時間近く話し込んでいたように思えます。
名塩紙は雁皮紙で、つなぎの糊は糊空木(のりうつぎ)で作った糊を混ぜて名塩で採れる土と
一緒に紙漉きしたのが特徴です。
薄くて丈夫で湿気に強く、私たち表具師が作る製品には無くてはならない紙の一つとされてい
ます。襖・家系図の巻物・壁装・金銀箔下用(箔下間似合)・金箔を作るときに使われる物など、
様々な用途に使われています。
金箔を作った後に残った間似合い紙は、女性の化粧用に使われる“脂取り紙”になるのですが
この間似合い紙は高級品とされているそうです。

名塩紙の種類 名塩紙1 名塩の石 紙漉作業中
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