この壁紙は 「倶楽部・夏姫」様 のページより拝借いたしました。


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2004/06/21 西現寺《春日町国領》(平成十六年六月二十〜二十八日
大仏堂様より、お寺の本堂正面の壁に金を張る仕事の依頼を受けた。阿弥陀如来様で隠れる部分は そのまま残して『| ̄|』の様なこの字形に箔を押し壁装していきます。
作業前
壁装前(1)

【下地の状態】・・・ベニヤ板が3枚継いであり少し段付になっている。 これを表面に出ないように下張りをこれからしていきます。
下張りの前に、パテで大きな凹凸をなだらかにしておく必要があり、前処理として行っておく。
壁装前(2)

両端の丸柱が金泊をはがされ、漆で下地が塗られています。
後で金箔を押すそうです。これは名古屋から箔押しの職人さんがこられる様でした。


壁装準備

特厚の和紙(8匁)を細く切って四方の縁に張る紙と、 ベニヤ板の継ぎ目に張る薄い和紙を切って用意しています。
後で行う、縛り用の紙と受け用の紙を用意しますが、こんな感じでやってます。
梅雨の時期に本堂へツバメが入らないように、入り口の戸を閉め切って行う作業は、まるでサウナ のようになってしまいとてもつらい。それにこの時左足をけがしていてとてもつらい思いをしていました。(*_*)

余談ですが、上から写真を撮ると額の割合が結構広くなったことが改めて寂しく思います。(T_T)
2004/06/23


壁装下張り

四方の四辺に三段の階段状に張って返りを和紙で作り、一度全面を縛ってから受けをかけた。
この時の縛りに使った紙の大きさは二三版の四匁楮紙を四つ切り、受けと受け縛りは六切りで使った。
受けをかけそしてできる継ぎ目がそろって出来上がっていくと、これはこれでなかなか綺麗なものです。
受けをかける事で、表面が”ふんわり”とした雰囲気が出てくると『おぉっ!』と思ってしまうのは変かなぁ〜(^_^;)
2004/06/24 壁装下地の完成

@目張り
A縁の返り作り
B最初の縛り(ベニヤへ直接縛る)
C一回目の受け張り
D二回目の受け張り
E受け縛り
F下地のできあがり
2004/06/27 環境づくり

これはもちろんエアコン!
友達の拓ちゃん(アダチ電化サービスの足立拓雄さん)に無理を言って本堂に家庭用クーラーを一日レンタルで 取り付けてもらった。悩みに悩んだ結果本当に無理を聞いてもらった。
彼が後で『よっちゃん(私のこと)こんな取り付け工事初めてやわぁ〜』って、言っていました。
本当にごめんm(_ _)m


表張り

エアコンで16度に設定し、室温を下げ汗をかかないように気を付けての作業。
上と下で息を合わせながら壁へ箔を押した鳥の子を置く。下で補助をしてくれているのは母親です。現役で頑張ってくれるので とても助かっています。
紙の位置を決めたら柔らかい毛の刷毛で、金の表面を傷つけないように当て紙をして張り込んでいく。
友達、家族(母、妻)の協力で出来上がった仕事です。
梅雨に金を張るのはなるべく避けるべきだ。とよく言われます。
汗をかいたり、膠が高い気温でゆるくなったりするのを避けるために。今回は丸柱など漆で箔を押す所に会わせて 鳥の子にも膠やニス押しでなく、漆押しで行うことになった。初夏の梅雨時に現場で汗をかかずに作業をするのは 無理と言うもので、エアコンの取り付けを考えた。即席の取り付け台を作り後は設置のみ。おかげで汗をかかずに できた。手の後が変色して数年後に出てくるととても厄介なことになる。念には念をの準備でした。
使った紙は 楮紙八匁、四匁。
金を押した鳥の子。金は二号色。本金箔といいながら少量の混ざりものがあり、汗などで変色する恐れがある。
金箔も柱等の色を合わせるために二号色となった。

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