この壁紙は 「倶楽部・夏姫」様 のページより拝借いたしました。


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2004/02
28〜29
金峯山 蔵王堂 金峯山 蔵王堂
紙漉見学in吉野

普段私たち表具師が使う紙(和紙)は、漉き手の事を知らずに使用してることが多い。 紙に限らず、自分が手にする材料のことを知らずに使っているのでどんな人が作った材料が私の所迄届いているのか? どのようにして作られているのか、それを知ることで自分のしている仕事が変わっていくのではと思い今回の研修を企画しました。
 本宇陀紙漉き  本宇陀紙  本宇陀紙石粉
「本宇陀」

掛け軸の総裏に使用する和紙のこと。
吉野の山奥から背中に背負って岩を持って帰り、それを細かく砕いて小麦粉のような粉にし、 紙を漉くときに混ぜて漉くそうです。(岩の名前は不明) 原料は楮です。四国で栽培された物を仕入れ、吉野で漉き紙問屋さんを通じて私たちの所まで届けられます。 主に漉き手は女性で、男性はそれまでの準備となる力仕事をされるそうです。
 美須紙漉き体験  美須紙漉き  美須紙自然乾燥
「本美須」

主に裏打ちの増し裏に使用する和紙のこと。
胡粉(貝殻を焼いて作った白い粉。)を原料と混ぜそれを漉く紙。
原料は楮です。美須も四国で栽培された物を仕入れ、吉野で漉き紙問屋さんを通じて私たちの所まで届けられます。 主に漉き手は女性で(訪問した家では80代の女性とその家へ嫁いでこられた奥さんが漉き手だそうです)、男性は それまでの準備となる力仕事をされるそうです。
「研修を終えて」

同じ楮を使っていても石粉、胡粉で紙の性質が変わり使うようとも変わることが 何となく分かってきた。
また、石粉、胡粉を入れることで防虫剤の役目をして、日本建築の土壁のように湿度の調整をしてくれ、大切な美術品の 書画を守ってくれると言うことが和紙を使う最大のメリットなのでしょう。
私たち(表具師)が、良い表具・美術品を残して行くにはやはり大切な技術であり、伝統だと思います。

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