2001/10〜2002/02


材料を選ぶ・・・同じ木から6センチ位の厚みに製材された、ニワウルシ。木として生えていた時から条件の悪い所にあって、中はスカスカ。
以前、原宿の教会に生えていたそうだ。思っていた形に出会えた上、自分の青春を過ごした懐かしい原宿で生きてきた樹だったとは・・・。自分が此処へ来た原動力ともなった今は亡き人たちとの、原宿での日々を思い、震えが来た。これを使わずにいては、何をしに此処へ来たのかわからない、とさえ思った。
左右の板を選び厚さを決める。床に接するラインを決めて下を切り取る。カーブを良く考えて。割れなどを始めに補修しておいた。

棚板の入る位置に溝を突く。左右の位置を間違えないように慎重に。
2本の細い溝は小さい引き出し付き棚板用。

可動棚の受け用の金具を埋める位置にも穴をあける。作業はすぐ終わるが、板の固定などが大変で時間がかかる。

下のワゴン用仕切り板の補修。ちぎりを入れる。見えない所なので四角形でビスもみ、ダボ埋め。片側2ヶ所、もう一方は1ヶ所。
棚板や、後ろ板の加工は記録を取り忘れた。残念

各パーツの仕上げ。スカスカの部分は特に気をつける。磨きすぎると穴が広がるし、穴のフチも鋭くなってしまったり・・・・・
仮組み。なんとか「とんでもない事」にはなっていなくてほっとする。

本組。引き出し付きの棚部分は仕切り板と上下の板、裏板もすでに組んである。
引き出し付き棚板の仕切り板部分もクランプで留める。
下の段の、仕切り板の固定をするために、棚全体を台に乗せて組んでいる。
下のワゴン、前板の色あわせ。節のような、模様が強いのでこれが中心には来ないように、両端にもってきた。この後、矧ぎ面取り、雇いザネを作って矧ぐ。
10 引き出し。前板は4杯のうち両端の各左右だけは「包み打ちつけ継ぎ」が出来るが他は「追い入れ」しか出来ず、そのままでは弱いので隅からビスで留め、ビス隠しに隅木をつけた。写真は、隅木を接着して固定しているところ。
11 ワゴン底板の色あわせ。材はホオ
12 底板の相欠き
13 ワゴン前板の側板用溝突き。ルーターはいつも怖いと思うが、この時は始めに内側を欠きとって次に外側を・・・・とサンプル材で加工したら、10センチほども材が欠けて飛んだので順序を変えた。それでも怖かった。
14 前板の裏側。底板用の溝も突き終わっている。裏側の下(キャスターを隠すように底の位置より下まできている)を斜めに欠き取った。
15 前板の引き手用穴あけと成形。ワゴンを引っ張り出す時に当たりが柔らかいようにカーブをつける。下の2つの溝はキャスター取り付け用の構造材のホゾ穴。

向こうにあるのは前板を上に乗せるように、仮組みしたもの。側板はコットンウッド
16 裏は、指が掛かるところを薄くしている。前板は後でアールをつけるために厚みを35mmとっている。そのせいで、女性の手には部厚く感じるので・・・・・
17 引き手の回りは3分坊主面。前板全体は上から下に向かって少しカーブをつけている。

工房の引越しがあって落ち着かないので、組み立ては新工房に移ってからと決める。ドサクサであれがないこれがない・・・となるのが嫌だったので、ビス、ダボ、釘、など必要な大きさと本数を確保しておく。
18 キャスター取り付け用の構造材を両端に付けてある。
オイル塗装後、ワゴンにキャスターを取り付け。ビスが折れたり、ビスの頭のプラス部分がつぶれてしまったり
なかなか、簡単には終わらせてくれない。あと少しなのに・・・と思うと余計焦る。
19 塗装して、ワゴンも入った状態。
新工房では、夜は7時半には帰らないといけない規則になり、なかなか塗れないので朝早く出てきて塗装。
20 記録用の撮影。

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