ミノーなんかどれもいっしょ,と思ったら

まるで違ったX-55ゴーゴー

メガバスX-55は,日本初のインジェクション製スモールミノーとしてデビューした.グレートハンティングミノー50をベースに,樹脂ボディ部の軽量化を施して,ベースモデル本来の生き生きとした素晴らしいアクションをバルサ製ミノーのレベルまで引き出す事に成功した.メガバス・ファクトリー・チューンドモデルです.

 

    ただ美しくリアルといったレベルで評価される事を,メガバスは好みません.
メガバス・エンジニアリングは,やはりこの「よく釣れる」,水流をラウドさせるアクションと,釣るための徹底研究した実に様々な要素に,そのすべてが集約されているからです.また,たとえ単純形状のルアーであっても,幾工程にも及ぶ,熟練クラフトマンによるハンドメイド製法と,徹底したQCシステムによって,従来ミノーにありがちな「泳ぎ」や「比重」のバラつきを,極最小限に抑えこんでいるからです.

    本来こうした小さなミノーには,そのデザイン上,細軸の繊細なワイヤー・アイ(フックスプリットリングを通す輪)が使用されているはずです.しかし,大型のバスや,激流の中で激しくファイトするトラウト,漁港内における海の魚など,このスモールミノーには,対象魚のサイズや使用するエリアによって,信じられない程の負荷ストレスがかかっているのです.また,こうした繊細なワイヤーを仕込んだミノーで,渓流で連続して魚を掛けた後,ミノーの泳ぎが変わってしまって,頻繁にアイ調整を強いられた事はありませんか?

X-55
は,メガバスUSA社の前を流れる.ディアフィールドリバーで,高価なミノーのミスキャストを許さない,突き出た岩石が点在する激流で,連日数十本のスモールマウスバスと大型トラウトを披検対象に実釣テストを繰り返した結果.超高耐久・軸太ステンレス鋼線を,ワイヤーアイとして採用した,といういきさつがあります.一度ベストなアイ調整をしてしまえば,ミスキャストによってミノーをぶつけてしまったり,連続して魚を掛けた後でも,トゥルー・スイムを永く保ってくれる.スモールかつ,ヘビーデューティ思想のミノーです.

またアイ自体に重量を持たせる事によって,なんとフローティングタイプは,「ウエイト・レス」です.重心が内蔵されていないのに,よく飛び,激流の中でも超キビキビと泳ぎきってしまうその姿は圧巻.(※サスペンド,シンキングは重心が内蔵されています.)メガバスの高度なセッティング技術ならでは,特殊なスモール・ルアーといえます.

これは,メガバスエンジニアリングの思想が,こんな些細なところにも息づいている,という一例にしかすぎません.この小さなミノーには,まだまだここではご紹介できない素晴らしい秘密がたくさん詰み込まれています.ぜひ,トゥイッチングなどして発見してください.

    X-55はスピニングタックルがベストマッチ.X-5514LB.ラインでさえ,イキイキと泳いでしまうスゴさを持ち合わせていますが,6LB.以下のラインがべすとまっちです.

    ライトラインとライトアクション・スピニングロッドの組み合わせがベスト.X-55は,あえて重心固定式ミノーとして設計されていますが,はっきりいって,このサイズの重心移動式ミノーより,よく飛んでいってしまう事でしょう.

 

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