モナコ日記

2004年、10月21日より一週間、当所に30年来通院されていらっしゃるモナコ在住の患者様のお招きにより、モナコ公国に於いて針治療のデモンストレ−ションを行いました。 　世界中の富豪の集まるモナコと言う国に於いてはどんなにか医療技術の発達等を垣間見る事が出来るかと内心期待していたのですが、残念ながら未だ「針治療」の存在が無い事に実際驚きもし歯痒い想いを感じました。 　デモンストレ−ションに集まって下さった方々も「針治療」と言う療法を知ってはいるものの、実際に「針治療を受けるのは初めて」と言う方ばかりでしたので、針治療とはどう言うものなのか・・・と言う一からの説明を要求された事は言うまでもありません。 　一般的に西洋医学では、現在投与している薬の効能が低下するとそれを増量したり、又、効果を上げようとするために止むを得ず副作用の怖れ、危険度の高い薬を使用したり、更に改善の見られない場合には抗生剤、ステロイドホロモン剤・・と言う様に更に更に危険度の高い薬の使用へと移行せざるを得ないのが現状です。しかし、薬の長期的使用により、副作用、弊害として内臓出血や余病を招き、本来救うべき人命を哀しくも薬害によって落してしまうと言う実態です。　それ等の医療事故に於いてアメリカでは20〜30年前より数多くの裁判事件が起こり、医療従事者達が苦い経験をされました。そしてその様な事件を経た現在でも、経済面で豊かな国モナコでも残念ながら従来通りの何ら変わらない西洋医学一辺倒の医療が現在も行われているのです。 　ここで着目すべきことは、加齢等で弱った身体や、疲労蓄積した身体ではどんなに栄養価の高い食物を摂取してもうまく吸収されず又、受け入れ側の内臓、消化器系の代謝不良、機能低下によりどの様な強い薬を使用しても同じく吸収されず効果が臨めないと言う事です。 　いかに治療効果を上げるかには投薬、手術等の外部からのアプロ−チも必要であると共に、身体の内部（受け入れ側）からも治す策が必要なのです。 　そこで適切に針治療を行えばその刺激により瞬時に胃や腸を動かし始め、食物栄養素や薬の吸収率を向上させる事が可能になるのです。 全般的に東洋医学的治療に変更せずとも現在受けている西洋医学的アプロ−チと共に針治療を併せて行うことにより内臓に血液を充満させるため消化器全体をスム−ズに且つ活発に動かし始め、充電型となるために質の良い、より深い睡眠が摂れる様になり代謝不良、機能低下は改善され体力向上、回復への一歩が始まるのです。結果、受け入れ側である内臓機能の向上により、相乗効果として敢えて強い薬を使用せずともその効果を充分に発揮出来るようになるのです。 　現在アメリカでは過去の経験から代替医療が発達し、西洋医学のみに捕らわれずあらゆる方向から個々の状態に応じた最も適切な方法を選択して行こうと言う認識を一般の方々も持つようになりました。 その結果、副作用の心配の無い臓器機能の回復と改善、又、痛みしびれ、痒み等、その場で症状を取り払い効果の得られる針治療がクロ−ズアップされる様になりました。 　集まって下さった皆さんに治療を行いながら、ここに記した説明をしますと、とても興味深く長時間に亘り様々なご質問を頂戴し大きな拍手と沢山の握手の中に公演が終わりました。針治療家として手応えのある、幸せを感じた瞬間でした。 　２１世紀の現在、西洋医学と東洋医学双方の利点を併せ今後の発展を願い、慢性病、難病の克服が容易にすすめられる医療体制となることを希むばかりです。そして全ての人々が病に苦しむ事なく健康であってほしいと・・・。 　私が渋谷で開業して33年・・又、針治療に従事してきた年数を合計しますと38年の間、病に苦しむ人々を一人でも多く治したいと、その初一念だけで今日までに至りました。 そして今、改めて「針治療」の威力を提言し、医療体制の変革を期待しています。 　　次回「モナコ日記」（2005,5月）を作成中です。 　　ご期待下さい。

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