「そんな普段の日」

この作品は海燕さんの所の投稿用掲示板に投稿したものです。






「ああっ、志貴さんそんな」

「まだまだですよ」

「そんな、酷いです」

「何言ってんですか、琥珀さんの方が酷いじゃないですか」
琥珀さんの部屋からそんな声が聞こえる。

「兄さん」「姉さん」
突如二人の声がした。
や、二人とも、どした?

「何時まで琥珀と遊んでいるのです」
いいじゃん。これが楽しみで毎日暮らしているんだから。

「姉さん、食事の支度はいいのですか」
「あは〜大丈夫ですよ」
ニコニコ笑って答える。二人とも、そうつんけんするなよ。

「では」そう言って、琥珀さんが再開する。
「あ、卑怯ですよ」
「いいえ、勝負は非情でしてよ」
「謀ったなシャア!」
何て会話が交わされる。

そう。俺達は二人でゲームをしていたのだ。
ここ最近ゲーセンで大流行しやっと発売されたファーストガンダムのアレである。

「しかし志貴さんお強いですね」

当然と胸を張る。
「伊達に三咲町の赤い彗星と呼ばれてませんよ」

「シスコンも含めてですか」
キツイな、翡翠。反論出来ない。

で、結果。四人で琥珀さんの部屋に居ることになった。

俺と琥珀さんは慣れているから盛り上がるが、
二人はこう言うのに疎いのでギャラリーとなっている。

「よし、ここ」
俺のMSが絶妙のタイミングで奇襲する。

「ピキーン!この感じ、シャアか!」
見事にスカる。

「連邦のモビルスーツは化け物か」
それでも、単発で殴る。

「殴ったな!親父にもぶたれた事無いのに!」
琥珀さんの反撃。
ライフルからサーベルのコンボ。

「ふっ、雑魚とは違うのだよ雑魚とは!」
全部かわす。

「兄上もお甘いことで」
秋葉よ何処でそんな台詞覚える?

「反撃出来たのにしないなんて」
うっさいよ。少しは優越感に浸らせろよ。

が、やはりこの指摘通り余裕を見せてしまった為、負けてしまった。

「うーんやっぱ失敗したな」

「当然です」
琥珀さんが笑いながら、しかし確実に止めを刺してくれた。
「坊やだからさ」









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