ある晴れた、麗かな日差しの午後。

私は何気に公園に行きました。

はい。

別に用があった訳でもないです。

只の気紛れです、多分。


ですが。
そこで目にした光景は。




真昼間から元気に踊るな、吸血鬼。

本当に腹の立つ。

ええ。

あの
ノータリンあーぱー吸血鬼が居ました。



・・・・まあ
今は何もせず、音楽に合わせてダンスをしているだけ。

でも何故?

何で、いきなりダンスなんか?



ふう。

やはり吸血鬼の考えは判りません。
いえ、判りたくも無いですが。




ですが

こうしてよくよく観察してみると。

確かに綺麗です。

透き通るような白い肌。

日光に照らされて金色に輝くブロンド。

踊る度にしなやかに動く体躯。



流石に名を馳せた真祖だけあります。

単純に何もせず、口を開かなければいい女です。
これは認めましょう。

一遍口を開いたらあーぱーそのものですから。






しかし
一体何の音楽で踊っているんでしょうか。

と言うか。
又何にかぶれやがりました。





アルクは私に気付いていない様で、一心不乱に踊っています。






ゆっくりと標的、もといアルクに近づきます。



軽快な音楽が聞こえます。



・・・・ああ
成る程。

これはミュージカルのですね。


ミュージカルのみでなく映画にもなったと言う。


ふむふむ。

今度はミュージカルに被れましたか。

でも、その方が私と遠野君の平和の為。
じゃなく、世界平和の為にとても良い事です。




では
暫く聞いていましょうか。


せーの

にゃんにゃにゃにゃんにゃにゃにゃんにゃにゃにゃ

にゃんにゃにゃにゃんにゃにゃにゃんにゃにゃにゃ

にゃにゃにゃにゃにゃにゃ♪

にゃんにゃにゃにゃんにゃにゃにゃんにゃにゃにゃ

にゃんにゃにゃにゃんにゃにゃにゃんにゃにゃにゃ

にゃにゃにゃにゃにゃにゃ♪

「   」

?はい?

今何て言いましたか、こいつは。

今聞き捨てならない事を言いませんでしたか?
大体においてリズムを取るのに何で「ネコ語」なんですか。

書いてて訳分からないですよ、まったく。

しかも読みずらいし。

本当に何を考えているんでしょうか。



いや、判りたくも無いですが。


イヤイヤマジで。





でも、当の本人はこっちの事などお構い無しにお気楽そうに踊っています。

何かむかつく。
黒鍵投げ付けてやろうかい。

む?
又あのフレーズに来ましたね。

もう一度良く聞いて見ましょう。
もしかしたらこっちの聞き間違いかも知れませんし。







にゃんにゃにゃにゃんにゃにゃにゃんにゃにゃにゃ

にゃんにゃにゃにゃんにゃにゃにゃんにゃにゃにゃ

にゃにゃにゃにゃにゃにゃ♪

にゃんにゃにゃにゃんにゃにゃにゃんにゃにゃにゃ

にゃんにゃにゃにゃんにゃにゃにゃんにゃにゃにゃ

にゃにゃにゃにゃにゃにゃ♪

「   」




・・・・・いや、やっぱりあーぱーに常識を求めた私がいけませんでした。

主よ。
私が全面的に間違っていました。

やはりあの様な輩は殲滅するに越した事は無いんですね。

ああ。
今ハッキリと主の声が聞こえました。





その御心に従います。









戦闘開始♪





いやいや。
待って下さい。

やはり私の聞き間違いかもしれません。

あの吸血鬼を滅ぼしたい一心の私の心がそう聞えさせていたのかも知れませんし。

万に一つもありませんが。


ですが用心に越した事は無いんです。
転ばぬ先の杖です。

只恥を掻きたくないだけですが。
・・・・誰ですか。

旅の恥は掻き捨て何て言う悪い子は?
そんな子には問答無用に課外授業に出てもらいますよ。









心を落ち着かせて。
もう一度。





にゃんにゃにゃにゃんにゃにゃにゃんにゃにゃにゃ

にゃんにゃにゃにゃんにゃにゃにゃんにゃにゃにゃ

にゃにゃにゃにゃにゃにゃ♪

にゃんにゃにゃにゃんにゃにゃにゃんにゃにゃにゃ

にゃんにゃにゃにゃんにゃにゃにゃんにゃにゃにゃ

にゃにゃにゃにゃにゃにゃ♪

「   」






主よ。
私も流石にめげそうです。

駄目です。
理性が音を立てて壊れて行きます。



もう。
もういいですよね?


もう我慢しなくてもいいんですよね?


ね?

ね?

ね!!









「むー。シエルさっきから、邪魔くさい。何してるのさー」

横からあーぱーの声が聞こえていますがそんなものは無視です。

「シエルさあー見てるのいいけど、うざいよ。何、一緒にやりたい訳?」

死んでも御免です。


何が悲しゅうて吸血鬼と教会が一緒に踊らんといけんのですか。




「シエルー。何か言いなよ」





「では」

「全く前フリが長いんだから」

「いいんです。今ここで黒鍵を投げないだけ有難く思いなさい」
「ヤ。ンな事関係ないもん」

本気で投げちゃろか。


「それで?何?」
「はい。率直に聞きます」

「うん、いいけど」






何だか調子が狂います。

「先程のフレーズの時に、貴方は何と言いましたか?」


アルクェイドはあからさまにハア?何て顔しています。
それはこっちもだ。


「あのフレーズの最後の奴の事言ってるの?」
「そうです。その事です」



何でそんな事位で?
見たいな顔で見るな。


「ハッキリと言いなさい」

「いいけど。何でそんな事で?」

「いいから」






ああ。疲れる。




じゃ行くよ。
と、アルクェイドはラジカセをもう一度再生させる。









にゃんにゃにゃにゃんにゃにゃにゃんにゃにゃにゃ

にゃんにゃにゃにゃんにゃにゃにゃんにゃにゃにゃ

にゃにゃにゃにゃにゃにゃ♪

にゃんにゃにゃにゃんにゃにゃにゃんにゃにゃにゃ

にゃんにゃにゃにゃんにゃにゃにゃんにゃにゃにゃ

にゃにゃにゃにゃにゃにゃ♪

「   」

「そう。それです!」

「え〜。そんなにおかしい?」

「おかし過ぎます!なんでそうなるんですか」



「だってその方が気合入るし」
そりゃあんただけだって。





「それにシエルだって知ってるでしょ?」
「何がです」

「外国ではこう言うんだって」

「確かにそうですが。だからって」
「シエル。貴方まさかとは思うけど。自殺願望は無いわよね」

うわ。
いきなり悪クェイド発動ですか。

ちゅーか。
こんな事位で怒るな。

「私は私の好きな様にやっているだけ。今の所は誰にも迷惑かけていないわ」

「ですが」

こちらもギンと睨みつける。

「人には引けない一線があるんです」
「その為に死ぬ何てナンセンスだわ」


「寝言は寝てから言いなさい」
「コロシテアゲル。ナンドモナンドモ。モウユルシテ、ッテイウマデナンドモ、ネ」











それが戦いの合図だった。


その後二人はボロボロになるまで戦い尽くした。




たった一言の為に。
















たった「ワン」を「バウ」と言ったと言うことだけで。




















「馬鹿かあんたら」






「だって、どうしても許せないんですよ」
「いいじゃん、私の勝手でしょ!」









「後振り付けもなってませんでしたし」
「それこそいいじゃん」
「よくありません。いいですか。「ワン」の時には・・・・・」























・・・・・・・・・・・・・・・・・一生やってろ。

























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後書き
月詠:どーもです。
シエル:あらー。初めてじゃないですか。私がここに来るのは。
月詠:ここまで読んで下さいまして、有難う御座います。
アルク:漸く私を書く気になったのね。長かったわ。ここまで。
シエル:本当です。今までは出たとしてもチョイ役。
月詠:仕方ないだろ。二人に合うようなネタが無かったし。
シエル:沢山あるでしょうが。遠野君とのラブラブとか。
アルク:そうだ。私だって志貴とのラブラブ希望。
月詠:・・・・・・・・・・・嗚呼今夜も月が綺麗だ。(ぷか〜)
シエル:煙草なんかキザッぽくふかすな。
アルク:ふふふ。死にたい?
月詠:30パー位。
二人:じゃ、お望み通りに。
月詠:ザ・ワールド!時よ止まれ。
二人:い、何時の間に。スタンドなんか。
月詠:この間に何でも出来るぞ。それは恐怖だよね?ね?
二人:(こくこく)
月詠:ならいいよ。そして時は動き出す。
シエル:ドギャァァァァァーン。
月詠:ノリがいいなあ。ここらは秋葉では出来ないよな。
アルク:もういいよ。そんで?何であたしはミュージカルなんか。
月詠:何にでもハマるだろ、お前は。
シエル:そうですね。娯楽を知らない子供と同じですから。
アルク:ヒドーい。二人ともそんな言い方無いじゃないのよ。
月詠:シエルが本文中に言ってるけど。
シエル:口さえ開かなきゃいい女。
アルク:シエル。コロシテアゲルワ。
月詠:さて。では次のSSでお会いしましょ〜。
シエル:ちょっと助けなさいよ。
アルク:ウフフ。
月詠:さよーならー
シエル:ちょっと〜




























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後書きの後書き(舞台裏)

えー。
長らくお待たせ致しました。(待ってた人いるのか?)

漸くのSSです。
しかも
アルクアンドシエルです。


ギャグです。

ミュージカルです。


訳分かりません。
書いてる本人が分からなければ読んでる人だって分かりません。



一体私は何者なんでしょう。




とまれ。


かの有名なミュージカルのワンフレーズです。

多分皆さんも一回は聞いた事がある筈です。
少し前にはCMでも流れていましたし。


で。
私もあの「ワン」を「バウ」と言っていたもので。

私が何者かを知っている人はこのネタが分かると思います。
かなり的を絞ったネタですが。


では

感想等は掲示板などに。
次のSSで又会いましょう。


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