うーん


悩む


一体どんなものが良いんだろうか。
あれ程のもの貰って、何を返せと。

秋葉は別にいいと言ってるが、これはやはり返さないと。


うーん

悩む。

だからって。

フェラーリ3台分はなあ。

何かドデカいヤマでも当てなきゃ、そんな大金転がり込まない。

「あはは〜。志貴さん。お悩みですかあ?」
お悩みですよ。琥珀さん。
ええ。


何でこの人は人の不幸をここまで楽しめるんだ。

「志貴さん。いい方法がありますよ」
「どうせヤクの売人でしょ。琥珀さんの菜園で栽培してる奴の」

「あはは。ばれてますか。でも、大金を手に入れるには手っ取り早いですよ」
確かにね。
それは否定しないけど。

「でも、最近はずいぶんと安くなってるでしょ。簡単に入手できますよ」
「それは粗悪なものです。私のは純度100パーですから」

それはそれで、まずいんですが。

「それとも志貴さんの能力を使ったものとか」
「俺の能力?直視の魔眼の事?」
「はい。それを使って、ふふふ」

何ですか、その含み笑いは。

「今、依頼が来ているんですが、どうです?」
どうです、って、どんな物ですか。それは。

「そんなに大変な事じゃないですよ。内容は、この様なものです」
はい、と
袖から、一枚の紙を手渡す。

ふむ

ざっと、目を通す。

何々。

・・・・・・・・・・・・・

琥珀さん。
本当に貴方はこの家の秋葉付きの使用人なのですか?

なんで、「K国要人暗殺の依頼」
とか言うものがここに来るんですか。

しかも、暗殺ですよ。

殺しです、殺人です。犯罪者です。
分かってますか。

「でも、金に、汚いも綺麗もないですよ」
貴方が言うと真実味があります。


「だからって、そんな金で買った物を秋葉に送れる訳ないでしょ!」
「では、志貴さんどうするんですか。
今の志貴さんでは絶対と言っていいでしょう。
そんな大金を手に入れる事なんか出来ません。
大金が欲しいなら、言い方が悪いですが、
悪事に手を染めなければ」

ぐ。

痛いトコを突く。

・・・・・・・・・・・・
確かに、大金を、と考えるなら、それしかないだろう。








「琥珀さん」
「はい?」







「臓器って幾ら位で売れる?」

「兄さんの馬鹿!!」

直後に後頭部に激痛が走る。

余りの痛さにのたうち回る。


のおおおおおおおおおおおお
メッチャ痛いぞ。

秋葉。何で殴った?

「兄さん、何を考えているんです」
ポイと手に持っていた何かを投げ捨てる。

それはがちゃんなんて可愛い音をさせず
どごん、という音をさせて 落ちた。

どごん?

のたうち回りながら、それを見る。

鉄槌?

流石金持ち。
自宅に鉄槌があるとは。
しかも、撲打用の。

それにしっかり「対兄さん天罰覿面 天誅専用機外道仕様(16T)」
とか書いてある。

いくら何でも死ぬぞ。

そんな思いも無関係に
秋葉は倒れている俺を、ぐいと掴み上げ
ブンブン振る

勘弁してくれ
あんまり振るな

脳みそがこぼれる

「兄さん。何を考えているんですか。しかも、琥珀の思惑通りに」
「そうです志貴様。そんなにお困りなら、私に仰って頂ければ」

ああ、翡翠の声もする。
助けてくれ

「翡翠」

秋葉が呼ぶ。
翡翠がうなずく。

二人がアイコンタクトを取ってる。
そして

秋葉が俺を翡翠に向かって、ブン投げる。

ってちょっと待て。

翡翠も、手に持った箒を構える。

しかも構えが大リーグで大活躍している外野手のだし。

「志貴様。御覚悟をお決め下さい」
覚悟も何もないだろう。

かきーん

何故に箒で金属音?

いい打撃音をさせて、俺は飛んで行く。

翡翠の箒にも「対志貴様専用 朴念仁滅殺仕様改」
何てあるし






ああ


今夜も

こんなに


月が綺麗だ(涙)








・・・・・・一体俺が何をしたというんだ。



「「「存在自体が悪です」」」


あんまりだ(大泣)

































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後書き
3人:ここまで読んで下さって真に有難う御座います。遠野家3人娘です。
月詠:はい。月詠です。
3人:しかし、本当にしかし。何ですか、これは。
月詠:何って「ホワイトデー」SS。
秋葉:コレのどこがです?
琥珀:全然、それっぽくないじゃないですか。
翡翠:更にお返しの品は決まってないじゃないですか。
月詠:だって、フェラーリだよ。フェラーリ。何返せって、思い付く?
琥珀:ヤク、臓器ETC、ETC。
秋葉:それは貴方だけです。
翡翠:秋葉様は何が宜しかったのです?
秋葉:私は兄さんがいてくれればそれだけで。
琥珀:「いて」くれるだけで?
秋葉:「自分の為に」いてくれるだけで、ね
月詠:はいはい。3人とも、そうカリカリしない。
3人:余計な事言わない。
月詠:さて。それでは、次回作でお会いしましょ〜
3人:勝手に終わらすな。言いたい事はまだあるの!!
月詠:さよ〜なら〜
3人:(ちっ)それでは、又































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後書きの後書き(舞台裏)
はい、月詠です。
はて。
一体なんでしょうね。
これは

志貴君、受難のSSですね。
でも、こんな感じでしょうねえ。
こんなイベントの日は上手く誤魔化せないと。
今回は遠野家のみでしたが。
本来は五人から突っ込まれるだろうし。

少しうらやましいけど。


意見等々は掲示板や、メールで。

では


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