こちらはかすがさんの所の「秋隆祭」に投稿したものです

「衝撃と言う名の笑劇」







いる。


確実に誰か私を尾けている。


この私を尾けるなんて、何て間抜けな。



けど。

こいつ、やっと今になって尻尾を出したし。
それまでは気付きもしなかった。


誰だか分からない奴に四六時中見張られているてのは
何とも気分の悪い。


しかもなまじ姿が見えない分性質が悪い。



ああああああああ。
イライラする。



私は基本的にはこうガツンと行くタイプで
影でこそこそってのは性に合わない。

何気ない風を装い、後ろを振り返るが。



当然



姿なんか見えない。


でも
いることは確か。



チッ。

小さく舌打ちする。

見付からないか。

仕方ない。


そう思って振り返る。



と。

「うわああああああ」




振り向いた目の前には。

一人の男性が立っていた。


あまりの至近距離な為に。

大声を出してしまう。



「な、な、な、な、な、な」
声にならない。

「驚かせてしまい、申し訳御座いません」
その男性は丁寧に謝罪する。

「あ、どうも」

私の方もつられて返す。

が。

「一寸待って、あなたでしょ?
私の事をずっと尾けていたの」



「はい」
即答だった。





「はいじゃないわよ。
一体何の用なの。
大体用があるんなら面と向かって言えばいいじゃない」


「はあ、そうなのですが。
あなた様と面と向かうと、その、式お嬢様があまりいい顔をしませんもので」
何とも歯切れの悪い。


しかも式の名前まで出すなんて。


「式なんてどうでもいいじゃない。
で?
何の用?」



「ええ。実を言いますと。
私はあなたの事を少々見張らせてもらいました。

あなた様はこれから旦那様となられる黒桐様の妹様です。
ですので、申し訳御座いませんが」



ははあ。
成る程、ね。


思い出したわ。


この人。

バカ式の家の使用人の秋隆さんって言ったっけ。


で。
最近急に仲の良くなった二人の為に、ね。



だが。

「気に食わない。
ああ。
気に食わない。

何だって、私がこんな役なのよ。

何で、私と幹也は一緒にならないの?」

「夢はならないから美しいのです」

うわ。
言い切りやがりましたね。
この人。



「それに旦那様はばいんばいんの方の方が
好みのようでして。
失礼ながら」
とか言いながら私の一部分を見るな。



それで、わざとらしく溜息つくな。



完全にあったま来たわ。

それに幹也の事、旦那様とか言ってるのもむかつく。
どうせ奥様は私じゃないんでしょ?



「死ぬ覚悟はOK?
もう泣いたって喚いたって許さないからね」




と言うか。
もうここ最近のストレスでいい加減はちきれそうだったし。

悪いけど憂さ晴らしさせてもらうわ。






「その言葉。
あなたを敵と認識いたします。
不本意ですが、お相手いたしましょう」



なんて言って構える。




「本気で行くからね」
手加減なんてしない。


手には火トカゲのグローブを嵌めて構える。
即座に仕掛ける。





「燃え尽きろお」
大きく手を振り上げ、火の玉を投げる。

火球は三発。

これをかわせて?









・・・・・・・・・・・・・・
かわしてるし。


「何で、そんなに簡単にかわせるのよ」
口惜しくて叫ぶ。





「いえ。
誰でも、赤くて角があれば早いものです。
憚りながら私も」




と、チラリと赤い靴下を見せる。
いや。あのね。


赤いのはいいから。
角って何よ。角って。







「ならこれはどう」

遠距離だからかわされた。
なら、懐に潜り込んで。













「駄目ですなあ」
「何でよ」

語気が荒くなる。


「私には効きません」
「やって見ないとわからないでしょ」












「いいえ。
これで、ダウンだからです」



すちゃ。


右手を顔の前まで上げる。


あ。なんか光ってるし。


「私のこの手が光って唸る」


一寸待ってー!
「はい?」



何でしょう?見たいな顔で聞くな。



「こんなに熱血な台詞を淡々と話すな!」
「ですが、それでは私のキャラとは」







・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・

「あなたを倒せと轟き叫ぶ」
「無視して進めるな!」








「愛と怒りと悲しみと、魂+必中の」
「だから待ってって。
何よ、その魂とか、必中って」


「仕様です」
あっさり言うな。










「しゃいにんぐふぃんがーそーど」
ドドオオーン。

物凄い光の柱が秋隆さんの両手から迸る。



秋隆さんの体が小さく見える。

こんなの食らったら、無事じゃすまない。

「恐らくは五体バラバラかと」
気楽に言うな。




それは食らって上げない。























一気に懐に飛び込む。
「ゼロ距離・・・・・獲ったわ」

アッパーからの連携。
真っ赤に燃えた私の腕が体にめり込む。


筈なのに。


「ひょい」
とか言ってかわしてるぅ〜。




「ですから、赤いものは三倍なんです」
「うっさい」


うううううう

どうしよう。
何やってもかわされそうだし。


















「この馬鹿弟子が!!」

突然。

そんな声がする。

誰、何て聞かない。
そんな事言うの一人しかいないし。






見ると。
小高いビルの上に人影が。


けど逆光になってて判別できない。







「人には不可能と言うものはない。
無限の可能性を秘めている。
しかし、何人たりとも抗えないものもある」






















「婚期ですか?」
「人気ですか?」

二人してトンでもない事言ってる。



「貴様ら死にたいか?」








「ささ。
次をどうぞ」













「人それを「運命」と言う」

「何だ、結構ベタな答えね」



「では、あなたのお名前は何ですかな?」




あくまでも飄々としてるな。
流石と言うか、何と言うか。




「貴様らに教える名前はない」


「腐った赤」(ぼそっ)



「行くぞ、鮮花!!私に合わせろ!!!!」
「はい!!」



うわああ。
この人本気で怒ってるよ。

久々に見たかも。
こんなに怒った所。



「行けるか、鮮花」
「私は大丈夫です。ハズシはしません」


















「いい加減お前ら、何してるんだ?」

























「おお、お嬢様。仲良くデートですかな」

「何い!!!!」

あまりの私の気迫に幹也がビクッとかしてる。




「どーゆー事。幹也。
私とは出掛けずにこの、このバカ式とデ、デ、デ、デートですって」


「落ち着けって、鮮花。
少し、深呼吸してな。

かなりキてるぞ、お前」







「あんたに言われたくないわ。

ささ、納得いく答えを貰おうじゃないの。
み・き・や」



「悪いな、秋隆。
このバカ妹のお守りなんて頼んじまって。
きつかったろ。
流石のお前でも」

「いえいえ。
お嬢様の為なら、この秋隆。
この程度の事、苦労とは思いませぬ」





くううううううううう

なんかむかつく。



これって、秋隆祭って言うお祭りでしょ?

なのになんで私がここまで壊されないといけないの











「まあまあ。
よろしいではないですか。
このお祭りで人気が出れば






次のお祭りで主役になれるかも知れませんぞ」(ホントか?)














キた。




キた。



キた。




そうよね、そうよね。

だから、私、ここでこんな事してるのよね?

次こそは私よね?







ハッ


気付くと、他の二人も同じ顔してる。

負けてなるものか。




特にバカ式には。

つーかもうあなた一回やってるじゃない。
















今度は私よ。


ええ、絶対。
























「黒桐様。こちらへ」


さっきの秋隆さんの言葉で三つ巴と言うか、三竦みの状態になってる
三人を尻目に僕達は、この場をそそくさと立ち去った。


















「夢は叶わないから夢なのですよ」

ここでそれを言っちゃいけませんよ。

























終わり
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後書き
月詠:ここまで読んで頂き真に有難う御座います。
藤乃:ねえ、何で私がここに?
月詠:上の面子をここに出せるか?
藤乃:・・・・・・・さて。このSSですが。
月詠:ナイスだ、で。一応これは秋隆祭SSです。
藤乃:まったく持ってメインじゃないですね。どっちかって言えば鮮花SS?
月詠:だって、インスピレーションだけで書いてるし。
藤乃:真の主役は影に徹してこそ、花?
月詠:いい子だなあ、藤乃。君の様な子がいればなあ。
藤乃:Oり?
月詠:ロOちゃうわ!!
藤乃:どぅどぅ。
月詠:はぁはぁ。過剰に反応してしまった。
藤乃:さて、それでは又次のSSでお会いしましょう。
月詠:勝手に決めるなあ。
藤乃:それでは〜
月詠:ここまで読んで頂き有難う御座いました。
























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後書きの後書き(舞台裏)

本来の私のSSはこう言う書き方なんですよ。

説明終わり。


さて。
今回は又、何でしょうかね。



とりあえずスパロボやったことない人ごめんなさい。

やってないと判らないネタですので。
若しくはGガン。


多分秋隆さんSSです。
決して鮮花SSではない筈です。
多分。






では。
これからも頑張って下さい。

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