何時も通りの時間に会社と言うか事務所に来た僕の目の前には。
何故か不可思議な物が一つ鎮座していた。

「お早う、黒桐」

「お早う御座います橙子さん」
普段通りの挨拶を交わす。













「Jack in the box」










挨拶を交わしつつ
机の上の物を眺める。
はてさて。
一体これはなんでしょうか?
一人首を傾げつつ荷物を置き、珈琲を沸かす。
自分の分と橙子さんの分。

淹れ立ての珈琲を橙子さんの所へ持って行きつつ聞いて見る。

「あの橙子さん。あの箱は何でしょうかね?」

僕の問にあからさまに不機嫌な表情を作る雇い主。

「あの箱とは言ってくれるな黒桐。
まぁ君は見慣れているのか、それとも素で言ってるのか。
どちらとも判断出来るしな。
あの箱が気になるのかね?」

相変わらず意味不明な事を言って人を煙に捲こうとする人だ。
僕は只何かって確認したかっただけなのに。

「さて黒桐。
先日の乱痴気騒ぎはまだ覚えているかな?
そう。
君を中心に式や鮮花がココで大暴れしたあの日の事だ」

スッ、と椅子から立ち上がり窓際まで歩く。
その姿は教壇に立った教師を思わせる。
一切の感情を無くし無機質に生徒を見る。


「あの日、ですか。
あの日は確か
ヴァレンタインで式が手作りでチョコを作って来てそれを見た鮮花が発狂して大暴れしたんですよね?
確かに大暴れをしましたが、乱痴気とは違うと思いますよ」

あの日の情景を思い出しながら橙子さんの問に答える。
あの日。
2月14日は女の子たちにとっては一大イベントで張り切っていたのは分かる。
分かるけど、その張り切り方が僕の周りの人たちは少し度合いが行き過ぎてる気もする。
余りに凄いから何時も僕までその余波で命が危ないのはどうかとも。


「そうだ。
今君が言った通りにあの日の騒ぎは聊か只のイベントとして片付けていいものではなかった。
が。
それは普段も然程変わらんので不問の方向で行く」

オヤ珍しい。
橙子さんからそんな事を言い出すなんて。
明日は雨かな?

「黒桐。
そう言う呟きは声に出さない事だな。
聞こえてしまっていては意味が無かろうよ」

チラリと僕に鋭い視線を投げかける。
それ見ては僕もこれ以上は何も言えない。
僕だってまだ命は惜しいし。

「賢明な判断だね。
ああ話が少しズレたな。
本題に入ろうか。
君はその箱が何か私に問い掛けた。
そして私はその箱についての答えを君に提示した。
これで理解出来たかね?その箱が何であるかが」
僕の方を一度も見ずに外の景色を眺めながら結論を言ってる。

しかし
あの質問で答えが出たって言ってるけど。
只式と鮮花が暴れたってだけでドコにも答えがある様には思えないんだけど。

しきりに首を傾げて唸っている僕を横目で見て
「君のその素敵なまでの天然ぶりには感動すら覚えるね。
私にも君のその天然の百分の一でもあったらと何時も思うよ」
本心で思っていない事を口にする。

「そこまで分かっていてボケられるのはある種才能か?」
やれやれ、と言った風に大袈裟に溜息を付いてこっちに向き直る。
その目には僕を揶揄する色と少しの憐憫が見て取れる。
何でそんな目で僕は見られないといけなんですか。
と言うか僕、何かしましたか?

「もしかして。
あくまでも可能性として聞きますが。
もしかしてもしかするともしかしてしまうのですか?」

「ム?
そこまで取り乱す事か?
余りにその態度は頂けないぞ、黒桐。
人からの好意とは素直に受け取っておくべきだ。
そこに何が籠められていたとしても表面上は、な」

ニヤリと唇の端を上げ笑う橙色の悪魔。
その歪められた口元に胸ポケットから出された煙草が咥えられる。
しゅぼっと言う音と共に火が灯り、紫煙を燻らせる。
その一連の動作に暫し我を忘れる。

「どうした黒桐。
今更私が煙草を吸うのがそんなの珍しいか?
そんな惚けた顔をして、まるで初めてオンナノコに告白された坊やの様な顔だぞ?」
ニヤニヤと僕の顔を見つめそんな事を言ってくれる。

「別に珍しくなんかないですよ。
只先ほどの事からずっと余りの事で頭が回らなかっただけです」

「そんなにおかしいのか?
職場の上司が部下にヴァレンタインのチョコを上げるのが?
そこに恋愛感情とかが込められていないといけないとは聞いてないがな」

「それこそ真逆です。
恋愛感情抜きでも問題無いでしょう。
そんなんばっかだったら大変ですよ、義理なんてどうするんですか?」

「そうなれば少なくとも女性の負担は少なくなるだろうな。
無駄に送る事も無くなるのだし。
相手も変な気を起こす事もなかろうて」

サラリと世の中の男性を敵に回す様な発言をなさる。
そうかも知れないですけど、やっぱり男性にとっては貰えるのは嬉しい訳で。
出来るなら義理でも欲しいですよ。

「で?
どう言う風の吹き回しですか橙子さん。
あれだけ『ハン、こんな風習に踊らされるなんてそれこそ莫迦のする事だ』なんて言ってたのに」

「その気持ちは今でも変わりは無いよ黒桐。
ただな、私も一応生物的には女性なのだよ。
こう無視すればいいのだがな、この時期になるとどうしてもこの欲求には勝てなくてな」

無理に抑え付けなくてもいいと思いますが。
まぁ確かに、よしんば買ったとしても最近流行ってるらしい「自分チョコ」になるのがオチだから。
折角買っても上げられないなら勿体無いし。
で、僕にお鉢が回って来たって言う事ですかね?

「イヤなら別に構わんぞ。
君の代わりに私が食す。
それとも君は貰い過ぎていて今更こんな年増のチョコなどには感動もしないか?」

貰う事に無感動になる程僕はスレてなんかないです。
何時だって貰ったら嬉しいですし。
ただホントに橙子さんからだったのかが知りたかっただけで。

「橙子さん、自分から年増だ何て言うものじゃないと思いますよ。
まだ妙齢の見目麗しき女性じゃないですか。
自分を卑下する事無いと思いますけど」
自分の思った事を正直に口にする。

それを聞いて今度は橙子さんが驚きの表情に。
目を大きく見開いてまるで幽霊でも見てる様な顔で。
そんなおかしな事言ったかな?

「ハ。
真逆君からそんな思い遣りの言葉を聞くとは思いもしなかったよ。
そうかなら君はまだ私に少しでも異性を感じる訳だな?」
何やら話の流れがおかしな事に。

「どうだ黒桐。
一回私と寝て見るか?
何後腐れ等無いさ、只の遊びだと思ってくれて構わない」
本気なのか冗談なのか
橙子さんの瞳からは感情が読み取れない。
ゆっくりと前屈みに成って自分の胸元を強調する様に腕を交差させる。

「橙子さん、冗談でもそう言う事は二人きりの時にして下さい。
何だって態々式とか鮮花のいる時にそう言う危ない真似をするんですか?」

ハァ〜と大きく溜息を付く。
全くこの人のいじめっ子の性格は時と場合を選ばないから。
イヤ。
この場合はわざとこの時間を選んだって事かな?

「構わないだろう?
さっきも言ったが後腐れの無い只の遊びだ。
式が何を言おうが鮮花が暴れようがそれは嫉妬でしかない。
たった一回の浮気も許せない様では先が思いやられると言うものだ。
どうだ式?
一回位なら許せるのか?
それとも一回も許さないか、これはかなり重要な事だと思うが。
何せこいつは無意識に女性を引っ掛けるからな」

僕の背後に目をやりつつ、そんな意地の悪い質問をぶつける。
そしてその質問を振られた当人は。
むすっ、としたままソファーに座り込む。

「別に。
それはコクトーの問題だ。
したいならすればいい。
それを許すかどうかなんて知らない」
とぶっきら棒に答えると。
自分で珈琲を飲みに台所に向かってしまう。

「ならば鮮花はどうだ?
相手が式だから諦めも付いたが。
もし浮気相手が私だったとしたらどう出るのかな?」

「速攻ブン殴って幹也を詰問します」
キッパリとそしてハッキリと断言する妹。

「随分と乱暴だな、そんなんだから幹也に嫌われるんだお前」
戻って来た式がバッサリと切り捨てる。

「何よ!貴女こそいい子ぶって!
本来なら貴女がこう言う事言うんじゃないの!」
うがーと咬み付かんばかりの勢いで式に喰って掛かる。

「知るかよ、そんな事。
大体幹也が決めた事だろ。俺はそれに対して文句なんか、無い」
むすっ、とした顔のままそれだけ言うと目を閉じてしまう。

「ほほぅ。
では式は別に黒桐が私と寝ても構わないと?」
何だか当事者を放って置いて話があらぬ方向へ転がってる気もする。

橙子さんはニヤニヤと笑いながら式や鮮花を挑発し
式はこれ以上は無意味とばかりに静かに黙想してるし
鮮花もむー、と橙子さんと式を睨む。

何だか三竦みの様相を呈して来ましたが
御願いですら僕に安息の日々を下さい、皆さん。

「だからそれは幹也の問題だ。
奴がお前と寝ようがそれは構わない。
構わないが代償位は貰う権利はあるよな?」
キラリと式の眼が一瞬光る。

「一寸、式。本当にいいの?」

「何だその代償ってのは。
それさえ払えば構わないのだな、式」
念を押す様に続ける。

「ああ、結構だ」

余りの突飛な話の為、声を掛ける事すら出来ない。

「それで?
その代償とは何だね?式」

「魔術師ってのは何でも等価交換が原則なんだってな」
いきなり意味不明な事を口走り始める。

「ああそうだが?」

「なら話は簡単だ。
お前は俺の大切な男を奪う。
だから俺もお前が大切にしているモノをこの世から」
そこで一回言葉を区切る。

「完全に消す」
殺気を一切隠そうともせずに一息で言い切る。

「ほぅ。それは一体なんだろうな式。
私の一番大切なモノとは?」
それでも愉しむ様な口調。
この人は自分の言ってる事を理解しているのか?

「お前」
サラリ、と言い切る。

「な、に」

「だからお前だよ、お前。
お前の目にしたもの
お前が手にしたもの
お前が着たもの、聞いたもの
お前が関心を持ったもの
お前と言う存在全てをこの世から全て消滅させてやる」

凄い。
もしかして、いや、もしかしなくても
式は本気で怒ってる。
そんな、する気も無いのにからかう事。
そしてそんな茶番劇に自分を引き摺り込んだ事。
自分を取り巻く全てに。


「ハハ、成る程。確かにそうだよ式。
魔術師とは言うなれば究極の自己愛みたいなものだ。
それを全て一切合財消されるってのは大きな痛手だ。
成る程成る程。
つまり
お前にとってこの男はそれ位価値のあるものだと」
いじめっこの目をしたまま式を見詰める橙子さん。
式もその目から視線を外さずに面と向かい合う。


ああもう。
又二人ともそんな剣呑な雰囲気に。
何だってもう少し仲良く、なる事は無いか。
兎角この二人は相性悪いから。

はぁ。
一人小さく溜息を付く。

「橙子さん」
僕の雇い主に一声掛ける。
橙子さんはチラリとこちらを見て、直ぐに式に目を戻す。
こっちは無視ですか。

「頂きますよ」
パカリと、見るからに「オトメちっくなピンク色」にラッピングをされたその箱を開ける。
当人の目の前で食べるってのも何だが。
中には
至ってごく普通のチョコが。

「橙子師、これかなり高いものじゃないですか」
鮮花が箱の中のチョコを眺め、感嘆の意を表す。

「そうなの?僕はよく分からないけど」

「当たり前です、兄さん。
知らないんですかこのチョコ。ヴァレンタイン限定生産のゴディバ。
限定10個しか生産されなかったマニア垂涎の逸品です」
隣の鮮花の方が僕より驚いてるし興奮してる。
やっぱり女の子はこう言う甘い物には目が無いんだなぁ。

「兄さんが食さないなら僭越ながらこの私が頂きますが?」
未だ呆けている僕を差し置いて鮮花の手が伸びる。
その手をパシ、と叩く。

「見っとも無いぞ鮮花。
せめて食べたいなら僕が一口食べてからにしなさい」
鮮花は叩かれた手を恨めしそうに眺めて。
ジト目で僕を睨んでくる。
何で僕を見るのさ。

「だったらサッサと食べて下さい。
兄さんは知らないんですよそのチョコがどれ位凄いものなのか」
私だって食べた事無いんですから。って言ってるし。

ふーん、と鮮花を眺めつつ一つ摘み上げる。
それ自体は至って普通のチョコだと思う。
手に持って表を見て裏を見て。横を見て反対側も眺める。

「橙子師。コレ、何もしていないんですね」
鮮花が何やら不穏な事を口走る。

「鮮花。今の発言でお前が私をどう見ていたかが良く分かるな」
目は式から離さずに声のみを返す。
でも
その声だけでも十分に迫力がある。

「兄さん。チョコ溶けますよ」
その言葉に我に変える。
おっとそうだった。
ずっとチョコ持ちっぱなしだったんだっけ。
慌てて溶け掛けたチョコを口の中に放り込む。
瞬間。

程好い、それでいてしつこくない上品な甘さ。
うん。
コレは美味しい。
鮮花が摘み喰いしたくなるのも分かる。

「橙子さん。有難う御座います。
このチョコ本当に高かったんじゃないですか?」
率直な感想を未だに睨み続ける雇い主に伝える。

「高いな。
値段を言ってしまうと君が卒倒してしまうだろうから言わんがね」
又もサラリと問題発言を。
ええ、今回は聞きません。聞きませんから言わないで下さいね。

嗚呼コレの領収書だけは無いでしょうね?


フムフム、と次々にチョコを食す。
コレ本当に美味しい。
久し振りに高級品を食した気がする。

フト。
残り少なくなったチョコを摘み上げた時に。
何やら視線を感じる。
?何だろ?
顔を上げる。

そこには。
ジーッとチョコを食べ続ける僕を凝視している鮮花。
イヤ、違うかな。
正確には僕でなくチョコを、かな。

そして
その僕の視線に気が付いたのか。
ハッと意識が戻ったのか。
顔を真っ赤にして慌てて視線を外す。

「どうしたの、鮮花。
あ、チョコ欲しいのか?そっかさっきそんな事言ってたもんな」
ハイ。
鮮花の前にチョコを差し出す。

鮮花は?と!を頭上に飛ばしまくっている。
そんなに不思議な事かい?
「だってさっき食べたいって言ってたろ?
それに僕一人じゃ食べ切れないからね」
ホレホレ、と目の前でチョコを揺らす。
鮮花は困惑と期待の入り混じった表情を浮かべる。
何でそんな顔するのさ?

「ホラ早くして。チョコが溶けるから」
僕の体温で徐々にチョコが溶け始める。
鮮花も決心が付いたのかおずおずと僕の指先に口を近づける。

ぱくり。

鮮花は僕の指からチョコを口の中に含む。
目を閉じてもむもむとゆっくりと租借する。

「幹也」
途端。
冷たい口調が僕の背後から。

「ほほぅ。
黒桐、君は送り主よりも先に妹にその品を食させるのか」
同じく。
その声だけで人を石化させられるのではないか。
そう確信出来る位に怜悧なお声。


「じゃ、お二人も」
まだチョコは残ってるからその箱を睨み続ける二人の方に差し出す。
二人は本当に互いから視線を離さずに箱から器用にチョコを一つ取り出す。
そしてそのまま口の中へ。

「ん。確かに美味いな。珍しいじゃないかトーコ。お前にしては」

「成る程。これはこれは。鮮花が欲するのも頷ける」
二人が二人ともこれは一応褒めてるんだよね。



「ご馳走様でした。美味しかったです橙子さん」
全て食し終わって食後の紅茶を差し出しながら。
人は美味しい物を食すと和やかになると言っても。
未だ二人の視線は痛いものが。

あれから
お互いに睨み続ける事は止めたけど。
冷戦状態と言うか、牽制し合ってる状態は続いてる。
幾分和らいだと言っても一触即発の空気は未だ無傷。

「もう式もいい加減機嫌直しなよ。
橙子さんの性格は知ってるだろう。からかっただけなんだからさ」
むすっとしたままの式を宥める。

「黒桐。
式が拗ねているのは何も私だけが原因では無いと思うのだがね」
しれっと足を組みながらコーヒーをお飲みになられている女帝。
何で?
橙子さんのあの発言がきっかけでしょ?他には無いと思いますが。

「もういい。
一生お前には分からない問題だからな」
プイとそっぽを向いてしまう。
ああもう何だって言うのさ。
鮮花はさっきからどっかにトリップしたままだし。


「でも橙子さん本当に有難う御座いました」
ペコリとお辞儀する。
値段は怖いけど確かに美味しかったし。

「ん、構わんよ」

それに、と言葉を続ける。

「何より君からのお返しが楽しみで楽しみで」
クックックックとノドの奥で低く笑う。




ああ!!!
そうだった。
世の中お返しは「三倍返し」が基本なんでしたっけ。
うわー。コレは困ったぞ。
こんな高級な品送られて、その三倍返しだなんて。
困った。
コレは本格的に困ったぞ。
ウンウン唸ってる僕を尻目に冷徹な女帝は留めの一言を僕に見舞って下さった。


「ま。
そう言う事で。暫くは君の給料はそっちに回させて貰う」
構わんよな?
キラリと目が光る。


こんな手の込んだ方法で僕の給料を掠め取って行かないで下さい。
結局ソレが目的だったんじゃないんですか?

「そんな事は無いぞ?とは言わんがね。
実は、先日オークションで素晴らしいモノを見付けてな。いやこれが」
そこから先は殆ど覚えていない。
何せ、その前までの発言の方がショックは大きかったから。
これから又暫くはパンの耳のみかな、僕の食事。


「フン、自業自得だ。
魔女からモノを貰うんだからな、それくらいはハナから覚悟して置け」
何故か式も橙子さんの肩を持つ。
不断なら僕の方に付いてくれるんだけど。
そんなに僕の何が気に入らなかったのさ。



はぁ〜〜〜〜
盛大に溜息をする。
今の僕から出るのはコレ位だし。
コレからが思い遣られるけど。
コレも僕が望んだ日常だし、それなりに僕もこの日常を楽しんでいるし。
落ち込んでいても仕方無い。
気持ちを切り替えて。
さぁ。
明日から忙しくなるぞ。





「宜しくな、黒桐。
君からのお返し、期待しているぞ」








だからそこで決意を挫く様な台詞は勘弁して下さい。






























FIN
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後書き
鮮花:ハイそう言う事でこんばんわ。
式:その前に一言言わせろ。
鮮花:何よ?
式:もしかすると、もしかしなくてもだ。これって時期外れもいい所の。
鮮花:今回のSS、皆さん如何だったでしょうか?
式:人の質問に答えろ。
鮮花:何よ五月蝿いわね、バカ式。
式:お前が人の質問に答えないからだ。
鮮花:何よ?何が聞きたいの?
式:だからさ、何で今更このSSなんだよ。
鮮花:何か文句でもおあり?
式:大有りだな。
鮮花:別に構わないじゃない。くれた相手はあのヒトだし。
式:(納得)
鮮花:だから今でいいのよ。
式:確かにな。あいつは変わっているからこの時期でも何ら問題無いな。
鮮花:でしょ?
式:ああ。
鮮花:じゃ説明行くわよ。
式:いるのか?
鮮花:うーん、それを言われると困るのよね。
式:だろ?誰が見ても分かるSSだからな。説明不必要。
鮮花:それはそうと。
式:??????
鮮花:あんた、幹也が浮気しても構わないの?
式:等価交換。
鮮花:つまり?
式:だから等価交換だって。
鮮花:浮気は許すけどそれに見合うモノを貰うって事?
式:さぁな?
鮮花:ホントは見逃さないクセに。
式:さぁ?
鮮花:なら私が誘惑してもいいのね。
式:それだけの勇気があるならな。
鮮花:構わないわ、私は。
式:(意味有りげな笑み)
鮮花:何よその笑顔は。
式:イヤ?お前も変わってるなと。
鮮花:大きなお世話よ。
式:コレでも褒めてるんだぜ?
鮮花:見え透いた嘘は結構よ。
式:それは残念。
鮮花:やっぱり嘘だったのね。
式:本心からさ。
鮮花:あっそ。
式:しかしあいつもお前には甘いな。
鮮花:それも嬉しいのか悲しいのか。
式:素直に喜べよ。
鮮花:でもそれってイモウトとしてでしょ?
式:普通はそうだろ?お前が特殊なんで。
鮮花:そうなのよねー。
式:コクトーからチョコ貰えたんだから我慢しろよ。俺なんて箱からだし。
鮮花:あの時の幹也の指、嗚呼(トリップ開始)
式:トリップするのは構わないが締める時までには帰って来いよ。
鮮花:大丈夫。直ぐに戻るわ。
式:思ったより早かったな。
鮮花:アレ位じゃ。
式:言ったが、等価交換だぞ。
鮮花:分かってるわよ五月蝿いわね。
式:なら構わない。
鮮花:何時か奪って上げるわ。
式:逃げずに待ってるぜ。
鮮花:ふん!
式:さーて。
鮮花:そろそろかしら?
式:ああ、結構来たしな。
鮮花:それではここまで読んで下さいまして真に有難う御座います。
式:今回は珍しく作者が出て来なかったが。
鮮花:感想なんか送ってあげると呆れる位喜びますから。
式:暇があったら送ってやってくれ。
鮮花:それでは。
式:又次回のここで逢おう。
鮮花:それでは本当に有難う御座いました。































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後書きの後書き(舞台裏)
えー。
どうもです月詠です。
又も今回のSSまでかなり幅が開きましたがらっきょSSです。
しかも恥の上塗り、今更ヴァレンタインSSです。
ちゃんとみきやんは2月14日には貰っているんですよ?
只このひねくれたお方が今頃になってくれただけなんです(言い訳)

しかもそれすら計算済み。
こうしてみきやんの給料はドンドン遠く彼方に行ってしまうのです。
いい加減橙子さん少しは払って上げて下さい。
でないと優秀な部下が逃げちゃいますよ?(それか背後からバッサリとか)

あ一応タイトルの意味は「びっくり箱」と言う意味です。
もしかしたら他にあるかも知れませんが。

あ−。
本当言い訳しか出て来ないな。
ココまで遅れましたからね。
何も申し開きは出来ません。


それでは
ここまで読んで下さいまして真に有難う御座いました。
では又次回のSSでお逢いしましょう。

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