

仕事はいつも突然にやってくる。
今回、最初に話があったのは2001年の3月くらいだったと思う。
ちょうどSEYCHELLESへ行くちょっと前だったのでよく覚えているが、USAと聞いて
そんなに乗り気ではなかったのだが、行ってみてびっくり、撮って感動、乗って驚き
プラス暑さと疲労・睡眠不足の連続であった。
ほぼ2ヶ月でUSAの西海岸から中東部、東海岸を飛行機と車で移動の連続!
USAのすごい!ジェットコースターを撮りまくった。
今回の撮影はBSハイビジョン放送のハイビジョンスペシャルという番組で
アメリカのジェットコースター(向こうではローラーコースターと呼ぶらしい)を
インターネットの投票順にTop10紹介をしよう・・・というものである。
かなり特殊な撮影でもあり、アメリカのDiscoveryChannelという
ケーブルTVの会社と組んで制作した。
スタッフは日本から番組制作会社のT-Directerと私、現地で
通訳兼コーディネーターPatrickと合流、さらに撮影の助手をしてくれるGary佐藤
NYからは音声マンの佐藤君が加わった。
USA側はDirecterのKikuとカメラマンのWes、音声のGerryの3人である。
時間を短縮するため、常に2クルーで撮影を進め何とか2時間番組を制作した。
しかしJetCoasterにHi-Visionカメラを載せて撮影するのは世界でも初めての事である。
事前にいろいろと検討し、カメラはSONYのHD業務用DXC-H10
そして超小型のHD-CCDカメラ池上製のHDL-10という2台を用意した。
またレンズは通常のズームレンズに加え、
新しく開発されたばかりの5mm固定焦点レンズ(フジノン製)を主に使用した。
この固定焦点レンズはもともと映画用に作られたみたいだったが、
保護用のUVフィルターが取り付けできないという他は、画の切れもよくトラブルも皆無だった。



5Gという重力に耐えるカメラ取り付け用のマウントは、名古屋の町工場で製作してもらった。
さらに収録用VTRも振動に耐えられるよう考えたのだが
これはコースター試走用に作られた人型のポリタンクを改修した。
これはどういうものか?というと
コースターを初めて走らせる時、人間が乗ると危険なため人間の上半身の形をした
ポリタンクに水を詰め、それなりの重さにしてコースターに人が乗っている状態に近くして走らせる。
これで安全を確認しようというものである。
このポリタンクが水漏れして使えなくなったものをいただき、中に衝撃吸収用のフォームを詰めた。
このフォームもいろいろな衝撃に対して吸収しやすい種類のものを選んで中へ詰めた。
(本来はこの人型ポリタンク、首の部分から水を入れキャップをして使用する)

テスト撮影は、国内では長島スパーランドの木製コースターホワイトサイクロン、
それとL.AのMagicMountainの木製コースターColossusで行い十分使用できることを確認した。
結果、2台の小型カメラ+1台のVTR一体型ハンディーカメラ+収録用VTR2台
それらのための取り付けキットや電池、三脚など300Kgを越す機材重量となってしまった。

これだけの機材を持って移動・設営・撮影・撤収・移動・・・を繰り返すのはかなり大変!
7/10に日本を出発して9/2に帰国するまで常にこの300Kgの機材とともに行動した。

L.Aに着いてから、HollyWoodの撮影機材レンタルShopと特殊機材Shopを回った。
さすが映画で有名なHollyWoodだけあっていろいろな機材がある。
無いものは作ってしまう・・・というのがすごかった。
我々の日本で作っていった機材も軽量化するため、ここのShopでさらに加工をした。
重さ=かかるGにそのまま反映されるため、少しでも軽量化することが必要だった。
California SixFlags MAGIC MOUNTAIN
Goliath
撮影期間7/24〜26

最初の撮影はLos AngelesのSixFlags MagicMountain のスチールコースターGoliathである。
ホテルは朝5時発 5時半にParkに到着後早速カメラの取り付けを行う。
10時にParkは開場なのでそれまでに機材撤収も含め終わらなければならなかった。







California Knott's BERRY FARM
GhostRider
撮影期間7/27〜31

Knott's Berry Farmはスヌーピーがキャラクターのテーマパークである。
LAの我々の泊まっていたホテルからも比較的近く、西海岸では前のマジックマウンテンと並ぶ有名なParkである。
ここではゴーストライダーという木製コースターを撮影したが、
Parkの職人さんたちが大変親切にしてくれ設営や機材の製作にも手を貸してもらった。
木製のコースターは振動が激しいのであるが、カメラ・VTRとも問題なく収録できた。





LosAngelesで2台のコースターを撮影し今度はNewYorkへ移動した。
NewYork ASTROLAND
CYCLONE
撮影期間8/2・8/23

ここのCycloneはCoaster発祥の地と言われる古いものである。
しかし、ここのCoasterを愛する人達によって守られ、今まで壊されることなく運営され続けている。


ここのParkはNewYork中心部に近いせいか
黄色のスクールバス(映画なんかによく出てくるやつ)がたくさん止まっていた。
また、ボードウオークもそばにあり環境のいいところだった。
さてCYCLONEの撮影を終えてからNYから西のWest Chestar CountyのPlayLandと
Adventurelandの催し物を撮影、8/4にはNYからIndianaへ移動した。
Indiana SantaClaus HolidayWorld
RAVEN
撮影期間8/5〜7

8/4にNYのLaguardia空港からIndianapolisに移動
NYから来るとすごい田舎(失礼)という感じだったが、ここからParkのあるJasperまでレンタカーでの移動
到着したのは深夜0時前となった。
INDで困ったことは、週末は酒を売ってくれない・・・ということだった。
これは州の法律によって決まっているらしいのであるが、今までそんなことを経験したことがなく
手に入らないとなると、なおBEERが飲みたくなりつらかった・・・のである。
また、どんなレストランやお店でも酒が置いてあるのか?というと否である。
かなりの店でお酒は置いてないことが多い。
食事を頼んでBEERは?というと2〜3軒先を指差して「そこの酒屋で売っているから持ち込んで飲んで・・・」
と言われることが多かった。
ところ違えばシステムも様々でいろいろと勉強になった。

このIndianaの田舎にあるParkはSantaClausという地名で
街のいたるところサンタがいてその存在をアピールしている・・・




このParkでも朝の開園まで時間が短く2台のカメラと2台の収録用VTRを同時に回し撮影した。
白いマネキンに見える水タンクに収録用VTRを入れている。
これは名古屋の町工場にお願いして特別に加工してもらったもの。
衝撃吸収用の特殊なフォームを合わせて使っている。
ちなみにカメラを載せる台も名古屋の町工場(鉄工所)に加工をお願いして作ってもらった。
コースターは5Gの力がかかる・・・ということで強度がありかつ軽いもので製作した。
Ohio Cinncinati Paramount's KINGS ISLAND
Beast + Son of Beast
撮影期間8/9〜13

8/8 HolidayWorldの撮影終了後レンタカーでFreeWayをIND→KY→Ohioへ移動した。
Cinncinatiには日本食レストランがあり久々に米の食事にありつけた。
さてここでは、2台の木製コースターの撮影である。
1台はBeast、もう1台はSon of Beastというコースターで距離も相当長く宙返りもある。
USAに入って初めて雨(+雷)にあったが、Shoot開始を遅らせて何とか予定期間内に撮影を終了できた。










8/13にCinncinatiでの撮影を済ませて、今度は同じOHIO州北部にあるSanduskyへ移動
12人乗りのバンで約5時間ひたすら走り続けた・・・

Ohio Sandusky CedarPoint
MagnumXL-200+MilleniumForce
撮影期間8/14〜18

CedarPointは有名な5大湖のひとつエリー湖のそばにある、アメリカ最大?といわれているParkである。
さすがにデカイ!とても撮影しながら全部は回れない・・・
ここからはゲストの松尾貴史氏も加わり仕事量は大幅に増えた。


ここのParkはさすがにデカイだけあって、撮影用の機材が豊富にあった。
カメラを取り付けるための金具やボードが用意してあると仕事量が全然違う!









実はここでは、SuperWideレンズなるものを使用した。
これはLAに滞在中HollyWoodのレンタル屋で見つけたものである。
通常のWideレンズであればWide端5mm程度であるが、このレンズは何と3.5mm!
このレンズを使ってみると世界が違って見えるのである・・・
もともとは映画用のレンズであるが、こういう機材を生み出すHollyWoodはやはりすごい!
他にもいろいろ面白い機材があり、HollyWoodは撮影を志すもの一度はのぞくといいところである。

このレンズを使って映像を撮るとこんな風に見えます。
地球は丸いのです・・・


8/18 Park内の朝の様子を撮影してOH→PA Pittsburghへ車で移動。
FreeWayを途中休憩しながら6時間ほどのDriveでPittsburghのホテルに到着した。
Pennsylvania Pittsburgh Kenny Wood
Thunder Bolt+Phantom's Revenge
撮影期間8/19〜21

朝4時半にホテルを出発してParkに向かう。
ここではThunderBoltという古い木製のコースターとPhantom'sRevengeという
新しいスチールのコースター2台を撮影した。



ここPittsburghではもう一人のゲスト益子直美さんも加わった。
Parkでは朝のコースターに加え、夜の催し物の撮影もしないといけないため時間が長く超大変だった。



Pittsburghには3泊した。ほとんどParkとホテルの往復のみだったが、
Parkの人がホームパーティーを開いてくれ、そこからピッツバーグの夜景を見ることが出来た。
美しい街だった。
8/21朝Parkを撮影後、車でNYのAlbanyというところへ移動。
しかし遠い!1日では着かず翌22日のお昼に目的の場所に到着した。
NewJersey SixFlags Great Adventure
Nitro
撮影期間8/24〜25

ここのParkの撮影では恐ろしいことに朝3時半出発となってしまった。
しかし、NYと違って緑が多く街中やPark内でも気持ちがよかった。





ここのParkではカメラの制御ユニットが壊れてしまった。(右下)
左から2つ目のコネクターがゆがんでいるのがわかると思う。
コースターの振動+Gによって変形し、断線してしまったが半田こてで修理し回復した。
いろいろなところに思ってもいない力がかかっている・・・



ここのParkを撮影終了後、8/26 NewArk空港からFloridaのOrlandoへ向かった。
Florida Universal Orlando
Hurk
撮影期間 8/27〜29

Floridaは暑く湿度がものすごく高く感じた。
しかもここのParkは時間にものすごく厳しい・・・
Parkの営業開始時間が朝9時のため、我々も早くから設営しなくてはならない。
というわけで朝2時45分作業開始!となってしまった。
もう最後になったので半分諦めもあり、疲れた体に鞭打ってParkに向かう。
ここのコースター「Hurk」は今までに無い機能、リニアを使っている。
そのため上り坂でグンと加速していき何が何だか全くわからないうちに終わる・・・という代物だった。
しかし、実に滑らかな動きで宙返りやスパイラルがあっても本人は
ほとんど気がつかないうちに通過してしまう・・・





Floridaでの3日間の撮影を無事終え8/30にFL→L.Aへ飛んだ。
LAでは残っていたHollyWood周辺での撮影を行い9/2にVarigBrazil航空で名古屋へ帰った。
あの恐ろしい9・11の事件が起きたのはこのわずか後である・・・
すべて終わってから落ち着いて当時の写真を焼いたCD-Rを見ると
Coasterの写真ばかりで、滞在した街の様子とか親しくなった人とかの写真は全くと言っていいほど無い。
これは一つの街に3〜4日くらいの滞在であったことと、
早朝暗い内からの仕事がほとんどで帰る頃はまた暗くなりつつあり
観光名所?と呼ばれるようなところへは全く行けなかった・・・ということが言える。
しかし、それ以上に次のCoasterはどうやってセッティングするか?
どういう角度から撮影しようか?・・・などという考えをめぐらせるためCoasterの写真ばかりになったのだと思う。
「どこのCoasterが一番よかったですか?」とよく聞かれる。
どこも素晴らしいのだが、個人的にはIndianaのHolidayWorldのRavenが一押しである。
ここはそんなに大きなParkでもなく、Coasterもそんな驚くほどの規模でもないのだが
自然の地形を生かしてコースが設計されており、緑と池の中をそれこそカラスが飛ぶような?感覚で楽しめる。
そしてParkの人達も親切でとても気持ちのいい人達だったこと。
すごい田舎の(失礼)恐らく2度と訪れるようなことは無いところ?だと思うがまた行ってみたいところでもある。
しかし、このIndiana州、週末のBEERだけは販売してもらえるよう法律を改正して欲しい・・・
このとき撮影したJetCoasterの番組はBSで放送されたほか
DVD2枚セットになってコロンビアミュージックエンタテイメントより販売されています。(1枚4700円)
興味ある方は購入ください。
