2013年8月22〜23日
 ツェルト泊で北アルプス西穂高岳(2909m) 

実は今まで夏のシーズンに西穂へ行くことはあまり多くなかったが、下界の猛暑を抜け出したかったのと、ちょうど休みが取れたので久しぶりに登ることにした。
どうせ行くのなら思い切って、西穂から奥穂まで久々の縦走をやってみよう・・・と思って準備してきたのだが、あいにくの悪天候に阻まれて西穂山荘から西穂高岳の
頂上を往復するだけの結果となってしまった。今回は軽量化のためツェルト(緊急露営用の小型テント)を持参しての山行だったが・・・
丸山への稜線から眺める西穂
前日は名古屋市内で飲み会があり、22日朝は8時過ぎに名古屋市内のホテルを出発した。天気は上々、この日も暑くなりそうな雰囲気。名神一宮ICから
東海北陸道に入り高山経由、新穂高温泉到着は12時。用意をして13時発の新穂高ロープウェイに乗る。登りだけの片道切符、JAFの会員割引10%Off。
13時30分に西穂高口(2140m)に到着。いやはや文明の利器と言うのは素晴らしいもので、わずか30分ほどで1000m以上もの高度を稼いでくれる。

展望台から眺める北アルプスの山々はあいにく雲の中だった。13時40分歩きだし。昼食時を過ぎて空腹ではあったが、ここはぐっと我慢して西穂山荘で
名物の「西穂ラーメン」を食べることにし、ひたすら山荘目指して登る。観光客は多いが登山者は多くない。途中で5〜6人を追い抜いたのみ。それにしても
前日の酒量が多かったのか?やたらと汗が流れ出してきてつらい・・・高度の影響もあるだろうが、それだけではないようだ。

すぐそばに山荘の屋根が見えているのだが、なかなか近くならない。途中木の上を見上げると冬期案内用のオレンジ色の標識が目に入る。冬に来ると
あの標識が目の高さくらいになるからかなりの積雪量であることが推測される。14時40分に山荘到着。山荘にはいつものK氏がいてご挨拶、この日は
ヘリでの荷上げがあるそうで皆様忙しそうだった。とりあえず昼食に西穂ラーメンをお願いする。このラーメンここの山荘の名物として定着してきている。

私が到着してからヘリは3回くらい飛んできただろうか?ここのところ天候不順で荷上げがまったくできず、どこの山小屋も今日は荷上げに忙しいらしい。
この西穂山荘以外にも奥穂にも飛んでいたようだし他にもいろいろ荷上げがあったようで、最終荷上げのヘリが来るまで幕営はできなかった。そのため
その待ち時間を利用して西穂山荘から上の、丸山まで足をのばしてみた。快晴でたまにガスがかかるが西穂高岳の山頂までしっかり見ることができる。

(左 西穂山頂方向  右 霞沢岳と上高地)
これだけいい天気なのに翌日は雨の予報・・・しかし山の天気はいい方向へはなかなかずれてくれない。西穂山荘へ戻っても最終荷上げがまだ終わらないようで
日没近くなってもなかなか幕営許可が下りない・・・が、18時頃になってヘリが来ないことが確定したようでようやく幕営できることとなった。その際、遅くまで待って
もらってご迷惑をおかけしました・・・ということで幕営料金500円のうち300円が払い戻されてきた。なかなか良心的な対応でこれにはちょっと驚いた。

暗くなる前にツェルト(テントではない)を張り終えたが、テントと違い中は狭い・・・これはもう寝るだけのものである。一応このツェルト専用のポールもあり
きちんとたてたつもりでもなかなかしゃきんとするものではない。これはあくまでも緊急用テントなのでいたしかたない・・・食事は外で作って食べ、その後は
山荘のロビーで天気予報を眺めながらアルコールをちびちびとやる。山荘の方は知った人が多いので「山荘に泊まったらどうですか?」と言われるのだが、
今回は新ツェルトのテストもあるので、やはり外で寝ることにさせてもらう。それにしても明日の天気はひじょうに良くないようだ。特に午後はかなり悪そうだ。
21時にはツェルトに入るが、睡眠不足の割にはなかなか寝付かれなかった。


今更ながら・・・テントとツェルトは大違い

深夜も雨は降らなかったが風がちょっと出てきてバタバタとツェルトの中は騒々しい。昨夜は飲み会で遅く今朝は早くに出発したので睡眠不足・・・すぐに
寝付けるものと思っていたが、これがまったく寝られない。まず風である。普通のテントであれば中にポールが入っているのでまったく問題ないのだが、
風に吹かれて屋根の部分が目の前まで迫ってくる。三角形の形なのでどうしてもそうならざるを得ないのだが、これにさらに自分の吐いた息でツェルト内
湿気が充満。内側に貼りついた水滴がもろに寝ている自分の顔に降りかかってくる。それが風の無い時はいいのだが、風が吹いて布地がバサバサっと
揺れると、またしても上から水滴が落ちてくる。外気温は10℃くらいなので結構冷たい。寝かかっているところへその冷たい水滴が落ちてくるためこれは
もうたまらない!ツェルトは緊急避難用のテントであるためGore-Texなどというような高級素材は使用していない。これまで使ってきたテントはGore-Tex
製であり室内の湿気のことなど全く考えたこともなかったのでうっかりしていた。やはり新品のツェルトとは言えどナイロンはナイロンなのである。新素材
の威力と言うのはやはり大したものである。自分の吐く息(オッサン化酸素)がこれほどまでに、冷たいものとは思ってもみなかった。やはり夏とは言え
一晩でも高山(2385m)の外で寝る・・・というのは、なかなか大変なことである。しかしこのツェルト、ひじょうにコンパクトで緊急用やちょっとした風よけ
にはひじょうに利用価値が高いのだが、いざ積極的に縦走などの宿泊に使用するにはやや忍耐が必要である。(低地でOPENで使用する分にはいい)
おまけに寝ている間に、ツェルトのポールを自分で引っかけて倒してしまいもろにナイロンが自分の顔に覆いかぶさってきて、これは踏んだり蹴ったり。
本当に熟睡できない夜だったことは間違いない・・・夜は満月に近かったので外はかなり明るかった。ふと気が付いて時計を見ると4時半くらい。寒いので
外に出たくなかったのだが、5時近くになって雨の音がパラパラとしてきた。これはまずい!予報では昼頃から雨だったが早まったか!?雨の中での撤収
というのはつらいので、急いで外に出てツェルトを畳み、荷物を片付ける。周囲を見回すともうすでに3張ほどのテントが撤収されていた。こちらは朝食を
とって一応、西穂高岳の山頂を目指すこととする。山荘の前ではツアーの団体さんが出発の準備をしていたので、そのあとについてしまうとかなり時間が
かかりそうだったので、一足お先にスタートさせてもらった。5時半に山荘前から歩き出す。周囲はガスで何も見えず天気は良くないようだ。

歩き出したが天候が良くないせいか?どこまで歩いても誰にも出会わない。5時45分早くも丸山(2452m)に到着。ここから先は独標まで急な登りが続く。
しかし、登れば登るほど視界は悪くなり自分がどのあたりにいるのかすら分からなくなってしまう。独標直前になってようやく見覚えのある岩場が見えてきた。

独標(2701m)には6時20分到着。ここでようやく人に会った。昨日テント場で見かけた2人組が2組である。今朝早くにテントをたたんでスタート
したのだろう・・・独標の頂上で休憩していたところをお願いしてシャッターを押してもらった。こちらは5分ほど休憩して独標を下り再び歩き出した。
独標の上で出会ったおばちゃん二人組
独標を下って振り返るとガスの中にうっすらとその形が見えた。独標から西穂の山頂までは岩稜歩きとなるが、独標が11峰と書いてあったので山頂を
1峰とすればあと9つのピークを越せば山頂に到着するはずである。ガスの中、周囲の風景が何も見えないのでこのピークの数字が書かれているのは
すごく目印になって助かった。6時45分 8峰のピラミッドピークに到着。ここまで誰にも出会わないし、また誰かが歩いた気配もほとんどなかった。
昨日は体調不良の感があったが、この日はすこぶる快調で高度に体が慣れてきたこともあって足取りが実に軽い。
ピラミッドホテル雷鳥にも遭遇
途中2峰の下あたりで雷鳥に遭遇!こういう日は雷鳥に出会いやすい。西穂高岳山頂(2909m)には7時20分に到着したが、周囲の景色は全く見えず
頂上に到着したという感動は薄い。そしてこの山頂には誰もいなかった。仕方ないのでセルフタイマーで一枚写真を撮って7時30分早々に下山することにする。

下る途中、4峰の下付近で登るとき独標で追い越した2組の登山者とすれ違った。この頃には雨も少し降り始めて、岩場がひじょうに滑りやすく「頂上まであと
どれくらいですか?」と聞かれたので20〜30分くらいでしょう・・・と言っておいたのだが、ここまでかかった時間から考えるともう少し時間が必要かもしれない。
おばちゃん二人組の登山者はどうしようか?と顔を見合わせていたが、山頂まで行ったのだろう・・・8時15分に独標を通過し丸山ピークには8時40分に到着。
丸山には独標まで登ってから下山途中の団体さん(朝登るときに山荘前にいた)が、ガイドとともに歩いていた。これだけの人を見るのはスタートした時以来なので
ちょっと感動だった。山荘到着8時50分。山荘のK氏に暖かいコーヒーを入れていただいたのが実においしかった。K氏の話によると、この山荘周辺でも最近は
熊の出没がよくありテントで泊まる人にもかなり注意をしているらしい。そういうと山荘の周囲も電柵が張り巡らされていた。いやはや時代は変わったもので、通常山
の動物は人のいるところにはなるべく来ないようにするものだが、食べ物が少なくなったせいか?最近は人のいるところ目がけて出てくるようである。

9時40分にお世話になった西穂山荘から歩き出し。雨が降り出してきたのでカッパは上下着用。新穂高ロープウェイの西穂高口駅には10時30分着。
ちょうど10時45分発のロープウェイに乗車でき、麓の新穂高温泉の駐車場には11時30分到着。荷物を片付けて車をスタートするころになるとバケツを
ひっくり返したような激しい雨が降ってきた。無理をして奥穂まで縦走しないでよかった・・・とつくづく感じた一瞬だった。

(今回歩いた西穂高岳へのGPS-DATA)

2013年2月28日〜3月2日 快晴のち吹雪!北アルプス西穂山荘
2011年3月26〜27日 新雪!西穂山荘から西穂独標へ
2010年3月4〜6日 快晴!西穂山荘から独標へ
2009年6月13日 ガスの中で雷鳥と出会う〜西穂高岳
2009年2月28日〜3月7日 2週続きで北アルプス西穂山荘へ
2005年3月3日〜5日 北アルプス西穂山荘冬山訓練


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