2012年5月27日(日)
  ブナ回廊の大日岳から近江古道の桃源郷「能登郷」へ

 今回は若狭の山へのお誘いが山岳会のH氏よりあった。H氏は若狭地方在住でこの山域のことにかけてはひじょうに詳しい。おりしも時期的にはブナの新緑が美しく、未だ訪れたことのなかった「能登郷」へも訪れることもでき楽しみにしていた山行である。この「能登郷」地図にはまったく載っていない・・・というのも、かつて近江古道が華やかだった頃にあった集落らしく今は何もない・・・しかし、その地を訪れてみると、3方向を山に囲まれた小さな盆地でひっそりとした中に小川が流れ花が咲き、なかなかいい雰囲気の桃源郷と呼ぶにふさわしい感じのところであった。
                                  能登郷
 5/27は朝8時にJR三方駅集合である。私は実家のあるおおい町名田庄から三方駅へと向かい、福井からやってくるメンバーと合流した。今日は私を含めて5人のメンバーで登ることになり、1台の車にまとまって登山口であるデンヨー三方工場へと向かう。8時20分 工場の裏にある林道に車を止めて歩き始める。
  鉄塔保守道路に沿って歩く杉林が多い道は所々はっきりしない花のシーズンである
 途中道の少しはっきりしない個所もあったが杉林の中を進み、ほぼ尾根上なのでルートを見失うことは無い。一気に登って9時40分488.6mの三等三角点に到着。三角点の文字がかなり昔の字体なので古い三角点なのかも知れないが、人が訪れることが少なく日陰にあるせいか?いたみはあまりなく比較的きれいな標石である。ここでしばらく休憩してさらに尾根沿いを詰めていくと10時40分林道に出た。この林道の終点(726m)にはかつて電波塔が設置されていた。2007年2月18日若狭町三十三間山〜大日岳縦走のページを見て頂くと、その当時の様子が少し見ることができる。今は撤去された電波塔跡地はだだっ広い広場になっている。
     鉄塔に沿って上がってくる途中で見つけたエビネ488mの三等三角点植林の斜面に出た
陽がガンガン照りつける林道から、今度は登山道に入るとブナの木陰の涼しい気持ちのいいルートへとかわる。ここからがこのルートのハイライトであるブナの林の始まりである。
                  新緑が心地よい電波塔跡はだだっ広い広場になっているブナの森に入る
                気持ちのいい森歩きブナの大木
 電波塔跡から大日岳(751m)のピークへ向かう尾根道が素晴らしいブナの林が続いている。尾根上はなだらかで両側に美しいブナの森がずっと続いている。これほど美しいブナ  の林はそう多くないだろう・・・歩いていて実に気持ちがいい! 11時15分 大日岳(750m)に到着。このブナの森の中で昼食とした。(大日岳は別名小御影山とも呼ばれている らしい)
                気持ちのいいブナの森木漏れ日が心地よい
 ランチの場所はよかったその後も続くブナ林能登郷への道を示す道標能登郷へ向かって下り始める
 緑の中での昼食を終え11時50分能登郷へ向かって歩き出す。大日岳頂上から尾根沿いに南に下り784mピーク手前から西方向の尾根を下る。下るポイントには「能登郷」と書かれた道標がやや朽ちかけながらも残っていた。道は鉄塔保守用道路も兼ねているのか?階段がきちんと整備されていた。ここまで他の登山者とは誰も出会わなかったのだが、能登郷へと下る途中で同じ山岳会のAさんの率いるグループと出くわした(12時15分)。能登郷から我々の昼食をとっていたブナの森まで上がるらしい・・・登りは急だが、20分も歩けば到着するだろう・・・挨拶を交わして我々は下り、Aさんグループは上へと向かって行った。そしてしばらく下って12時35分ようやく能登郷へたどり着いた。
          小川が流れる花も多い今回のメンバー
            小川の流れはきれい盆地状になっていて広い
地図を広げて見ていただくとわかりやすいが、この能登郷のあった場所は天増川の源流部にあたり福井県側に大きく切れ込んで入っている。境界上から見ると福井県に入ってもおかしくない地区になるが、分水嶺上から言えばやはりここは滋賀県に属すことになる。天増川の流れを中心としてこの地域だけが平地があり、隠れ里?にするには絶好の場所であったことが容易に想像できる。そしてこの地はまさしく桃源郷・・・と言う感じで中央付近に水量の豊富な小川(天増側源流)が流れていて、花が咲き乱れていた。訪れる人も少なくひっそりと桃源郷のままその姿を昔から保っているように見えた。なお、ここまで入るには今津町から林道が伸びているが現在のところ通行止めである。(参考までに)
                                  花が咲き乱れる
さてここから福井県側に戻るためには西側の県境尾根に一旦上がらなければならない。標高差にしておよそ100m強。尾根へ続く近江古道の道がどこかにあるはずなのだが、うまく見つけられず13時15分、結局小さな沢を直登する羽目になってしまった。ほとんど水は流れていない枯れ沢なのだが、マムシは出てくるわ藪は出てくるわで手こずってしまった。
       林道を横切って登る枯れ沢を登る典型的なV字谷ようやく尾根近くにたどり着くが藪漕ぎ
13時40分県境尾根(695mの小ピーク)にやっと出た。うっすらと残った踏み跡をたどり5分ほどで近江古道能登越への分岐点に到着した。そこだけちょっと広くなっていて鞍部なのでいかにも峠らしい場所である。かつては多くの旅人がこの峠を越えて若狭と近江の間を行き来したのであろう・・・
 能登越え左が若狭方向立札はしっかりしていたここも新緑がきれいだった多くの旅人が歩いたであろう古道
ここからは一気に近江古道をたどって下る。途中新緑がきれいで、かつては多くの旅人がこの美しい風景を眺めながら古道を通ったのであろう・・・と想像しながら歩くのも楽しいものである。古道のえぐれ具合から推測するところ、むかしは相当多くの往来があったことが推測される。14時50分林道に合流したかと思ったら巨大な堰堤の工事現場にたどり着き、いきなり現実の世界へと引き戻された。朝、車を止めた場所とは1本違う谷に降りてきたので、車道をてくてくと歩く。日差しが強く何とか近道を・・・と思い、山の方へ上がって道を探すがなかなか近道は見つからず、少し迷いながらも16時車の止めた場所に帰り着いた。新緑のブナ回廊と能登郷の桃源郷を見るには絶好のタイミングの山行だった。

                   GPS-DATA
                                      (今回歩いたルートのGPS-DATA 750.9mのピークが大日岳)

                                
                                2007年2月18日 福井山岳会2月例会山行 三十三間山〜大日岳縦走

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