2011年9月4〜7日
雨のち晴れ 涸沢から奥穂高岳
〜山小屋での食べ物を中心とした〜

最近の出張はよく雨にたたられる・・・前回7月の東京への出張時は台風6号の影響でJRがストップしてしまい散々すったもんだしたあげく飛行機が飛んでいる・・・
ということで、小松から飛行機で東京まで行くことができたが、今回は台風12号の影響で名古屋まで行くのにもJRがストップ。そんな中でも高速バス(定期バス)が
運行している・・・という情報を入手して、難なく名古屋まで行くことができた。ここのところの不安定な天候にはホントに悩まされるが、度重なる災害にも日本は大丈
夫なのか?という不安が常に頭の隅をよぎり山の中を歩いていても気になって仕方がない。しかし、上高地梓川の流れはいつもと水量もそう変わることなく、相変わ
らず透き通った流れを保っていて、我々もその様子を見て少しばかり気持ちを落ち着けることができた。

9月4日 名古屋→上高地→横尾山荘(1620m)
台風の影響を伺いながら朝7時に名古屋をスタートする。ホテルを出るときからすでに雨風が強く、地下道から行こう・・・と思っていたらオアシス21は7時からOPEN!
ということを忘れていて結局、地上の歩道から行ったらびしょ濡れ・・・東海北陸道も激しい雨が降っていたが、上高地に着くころには少し収まりつつある感じだった。
上高地の食堂で腹ごしらえをして12時20分カッパを着て歩き出す。雨の河童橋は傘をさした多くの観光客でにぎわっている。
雨でも観光バスはたくさん・・・さすが上高地雨の河童橋遊歩道もみんなカッパと傘
明神には13時5分に到着。休憩はせずに次の徳沢を目指す。が、徳沢に到着する手前で事件発生!何と!同行のM氏の靴底がはがれてしまった・・・ソールがはが
れた状態で歩くと、足裏のツボが刺激されて気持ちがいい?という話もあるが雨の登山道を歩いていて気持ちがいい訳はない。この登山靴のソール剥がれ現象は
最近とみによく目にする。今シーズンではこれで3回目である。今まであまり登山をしていなかったが、久しぶりに引っ張り出して歩いてみよう・・・という方にこの現象は
よく発生する。山小屋も心得たもので、最近ではどこの山小屋でも登山靴を売っている。(ネパールの山中の売店でもよく目にするが)確か徳沢の小屋の売店でもこの
登山靴を見かけた気がする・・・と思い尋ねてみるとやっぱりあった!あまり知らないメーカーだったが値段は14000円。この状況で贅沢は言えない。もう買うしかない!
明神館売られていたトレッキングシューズモンダイの靴M氏
ソールの剥がれた登山靴は売店のお姉さんに処分してもらえることになり、M氏は14時20分快適に徳沢を出発できることになった。雨は時々強く降ったり弱くなったり
状況はあまり変わらないが、今日は横尾山荘までなのでもうひと踏ん張り。15時10分横尾山荘に到着した。天気が悪いこともあり、上まで行こうと予定していた人たちも
ここに泊まることにしたのか?結構たくさんの登山者でにぎわっていて乾燥室はもう満杯!湿気で中はもうもうとしていた。また、この山荘でうれしいのは風呂に入れる
ことである。(ただし環境保護のため石鹸は使用禁止)風呂上りにBEERをいただき、おいしい夕食で満足の山荘!前回ここを通った時は、スルーして涸沢ヒュッテまで
行ったが、初めて宿泊した横尾山荘は新しくてきれいで風呂もあり、山の中にいることを忘れさせてくれる環境だった。
横尾山荘豪華夕食は美味!横尾山荘のお弁当
さらにここで販売されているランチ(いわゆる昼食弁当)も工夫されていて新たな発見だった。日持ちのするクロワッサンに野菜ジュースとSOYJOY、パンにつけるための
ツナマヨネーズ(初めて見た)+はちみつ+チーズ。食事というよりもどこでも食べられるレーション的要素が強いもので今風でなかなか考えられている優れものである。


9月5日 横尾山荘→涸沢ヒュッテ(2309m)
横尾山荘の朝食は5時30分から。我々も5時30分に食堂に向かったら他の登山客の人たちはすでにもう朝食を済ませた人もいた。山の朝は早いのである。
天気は相変わらずの雨。それでも上へ登らなくてはならない・・・朝食を済ませパッキングをしなおして外に出る。雨は止むことは無い・・・
横尾山荘の朝食雨の横尾山荘軒下で登山準備本谷橋
7時に横尾山荘をスタート、休まずに歩き続け8時ちょうどに本谷橋に到着した。ほぼコースタイム通りである。ここからが厳しい登りの始まりである。何しろ下見と言い
つつもほとんど荷上げボッカ状態である。そこに加えて雨降りが続きザックは雨水を吸ってさらに重く感じる・・・30Kg近い重量が肩にずっしりと食い込んでくる・・・
みんな無言で急な登りを黙々と歩き続ける。
きつい登りガスで何も見えない前回は雪の上を歩いた涸沢ヒュッテ
前回7月にここを訪れたときには、まだ大きな雪渓が残っていたところはすっかり雪が消え今はもう沢になっている。あの懐かしい涸沢ヒュッテと涸沢小屋の分岐を
示す標識の地点には10時25分に到着。ここまで来れば涸沢ヒュッテはもう目と鼻の先である。10時40分涸沢ヒュッテ到着。あいにくの天候で周囲はまったく見え
ないが、とりあえず宿泊手続きをして荷物を運び入れちょっと早い昼食とすることとした。実は昼食は横尾山荘で例のランチボックス(1000円)にしたのだが、どうしても
カレーが食べたくなり涸沢ヒュッテ特製のカレーをいただくことにした。このカレーがかなり美味で、少しルーを残してランチボックスのクロワッサンにつけて食すると
これまたサイコーのお昼となった。午後は雨の中ではあったが、月末の仕事に向けての現場調査を実施する。小屋の方にも同行してもらい16時頃には屋外での仕事を
終えて、当日に向けての準備は着々と進んだ。もうあとは夜の食事くらいしか楽しみは残っていない・・・
昼食のカレーはホントにうまかった涸沢ヒュッテご自慢の展望テラスも雨の中ナナカマドの実はすでに真っ赤夕食もうまい!
期待の夕食は17時から。北アルプスの山小屋の夕食は本当に期待を裏切らない、どれもおいしくいただくことができ雨のいやな山歩きを忘れさせてくれる効果大。
この日の涸沢ヒュッテは雨のせいか?50人少々の宿泊客で賑わっていた。21時消灯だったが私は電気の消える前に寝てしまっていた。快眠!
なお、この時期いつも気になるのが涸沢の紅葉状況であるが、今年はもうすでにナナカマドの実は真っ赤になり一部の葉は少し色づいてきている。さらに上部の
草紅葉も黄色く色が変わってきており、小屋の方の話によれば今年の紅葉は早いのではないか?・・・ということであった。

9月6日 涸沢ヒュッテ→穂高岳山荘(2996m)
ナナカマド
朝5時前に目覚める。一番気になるのは天気である。窓から恐る恐る外を見ると雨は降っていなくて何となくよさそうな雰囲気。とりあえず5時30分からの朝食に向かう。
この小屋の朝食もかなり正しい日本人の朝食である。今日も頑張って登るぞ〜という気合が自然と入る気がする。
正しい朝食晴れる兆候もうすぐ日の出
食事を済ませ荷物を整理して外に出ると、昨日の雨は上がり明らかに晴れてくる気配である。気温は10℃、思っていたほど寒くない。
7時に涸沢ヒュッテをスタートする頃には涸沢小屋方面に虹が出現、その下をくぐって前回歩いたパノラマコースではなく、涸沢小屋から登るルートを歩くことにした。
今回のメンバ^-4人後ろに涸沢ヒュッテが見える厳しい登りが続く
ザイテングラートの登り草紅葉は黄色になりつつある鎖場

ザイテングラートの登りは厳しかった・・・ザックの荷が重いこともあって鎖場や梯子の登りはやや時間がかかり、休み休み高度を稼ぐ。このあたりは山登りの経験が
多いほど手馴れていて早く通過できる。休憩した時に振り返って見る景色が美しく、涸沢ヒュッテが少しずつ小さくなることで穂高岳山荘に近づいていることがわかる。
ザイテングラートから見える前穂高中央涸沢ヒュッテ
10時5分 穂高岳山荘到着。スタートしてから3時間5分なのでまあまあのスピードで登ってこれた。山荘到着後は電波テストや現場下見を実施、今日は天気もよく
仕事は順調にはかどった。そして涸沢岳(3103m)の方に登りかえして、奥穂高岳(3190m)の頂上が見える地点を探し出し本番当日に向け準備を整える。
奥穂高岳とジャンダルム
昼近くまで調査を行い、昼食はまたしても(穂高岳山荘の)カレーである。山に来ると何故か無性にカレーが食べたくなる。そしてその味はどの小屋も期待を
決して裏切らない味なのである・・・今回も残ったカレールーに横尾山荘のクロワッサンをつけて完食する。パンとカレーも絶妙な組み合わせでGoodだ!!
カレーうまい!いきなり梯子での登り穂高岳山荘は後方になる
12時50分 昼食後は奥穂高岳の山頂を目指す。穂高岳山荘からの急登は梯子と鎖場があり、すれ違いに注意しながら全員で登る。この時間になると
そんなにたくさんの登山者でもないので(まして平日)大きな混雑はないのだが、最初のピークを登りきるまでは要注意だ。私以外は当然、全員初めての
奥穂高岳登山なのでみんな緊張していたが、ここさえ越えればあとはそんなに難しい場所は無い。30分ほどで奥穂高岳山頂にたどり着いた。
左のピークが山頂左の祠が山頂右のゴツゴツはジャンダルム
山頂の祠は2〜3人立つのが精一杯ジャンダルム 手前に登山者のいるのがわかる

前回に来た時と違ってこの日はガスの量が少なかったので、周囲の風景を十分楽しむことができた。西にはジャンダルムの異様な岩峰群、北には涸沢岳を
越えて時々槍ヶ岳(3180m)が雲の切れ間から、東には常念岳や大天井岳そして南は前穂高岳(3090m)を・・・アルプスの山々を堪能できた。
右から常念岳・横通岳・東大天井岳・大天井岳(雲中)手前が涸沢岳でその奥に槍ヶ岳の先だけ見える
頂上ではいろいろ調べごともあり90分ほど滞在していたので、終わりの頃には少々寒くなってしまった。小屋には15分ほどで戻ることができたが、混雑して
いる時間帯であればこうはいかないだろう・・・小屋へ戻ると今夜は意外にも140人もの登山客が宿泊するとのことで結構な賑わいを見せていた。これはどうも
ここ数日天気が悪かったので、下に留まっていた人達が一気にここまで上がって来たのではないか?という話だった。楽しみな夕食は一度の入れ替えで
スムーズに終了した。ここでの夕食もやはり大変においしいものだった。(夕食は日の入り前の17時から)
夕食 暖かくおいしいお弁当のホウバ寿司日の入り
夕食後、外に出てみるとみんな日の入りをを眺めていた。長野方面を見ると涸沢の明かりのずっと向こうに下界の明かりが見えた。21時就寝。


9月7日 穂高岳山荘→新穂高温泉→名古屋→福井

5時20分に朝食をとるが、ここの朝食テーブルにひとつずつ朴葉味噌がつくのである。噂では聞いていたがこれはなかなか美味だった。幸い私の周囲では
あまり好きではない人が多かったのか?かなりたくさん頂いてしまった。飛騨の人が経営する山荘ならではのもてなしであろう・・・(卵は生卵でした)
ちなみに朝は相当に冷え込み、小屋の前では氷が張り今年は秋の訪れが早いようです・・・
日本人の朝食朝の穂高岳山荘白出沢を下る
朝食後、山荘の方々と打ち合わせを行い今回は白出沢を下ることとする。が、このルートはかなり昔に下ったがほとんど記憶にない。僅かに覚えているのは
沢の岩の上をピョンピョン飛び跳ねながら降りたことくらいである。月末の本番の際に、このルートを下ろうと思っているので安全かどうかよく見極めておく必要
もあり、今回このルートを下ることにしていた。上高地を回るとかなり時間がかかる。しかしこの白出沢を下れば下山は岐阜県側新穂高温泉になるが、かなり
時間短縮につながる・・・前回来た時にこちらへ回ろうか?とも思ったのだが、積雪がありアイゼンが必要で一人だったのでやめにしてしまっていたのである。
岩がごろごろした水無し沢を下る結構な急斜面雪渓もあり正面には笠ヶ岳も見える
7時30分正面に笠ヶ岳を眺めながら岩のゴロゴロした水無し沢を一気に下っていく。正面に見える笠ヶ岳(2898m)がどんどん上に見えるようになってくる。
そして道は沢の中についているのだが、時々マークがわからなくなり見失ってはまた見つけ、ルートはどこでもいい・・・という感じである。最初はそこそこの
広さを持っていたこの沢も下に降りるにつれ徐々に細くなっていく。時々休憩しながら2時間ほど下り、荷継小屋跡の少し上で休んでいたときのことである。
案内の看板が立っていたのだが、そこでどうも人が一人休んでいるようだ・・・何となく眺めていたのだが、その黒く見えた人が急に動き出した・・・と思ったら
何と!四つん這いで歩き出したではないか!!人と思っていたのはだったのである。そんな近くではなかったが、ほかの登山者もその近くには歩いていて
この山深いところでは、人間と山の動物達も背中合わせで生活しているのだ・・・ということを実感せざるを得ない。何となく怖いもの見たさ半分怖さ半分・・・
と言った感じでその熊のいたところを通過したが、熊の姿はもうどこにも見えなかった。荷継小屋跡を10時20分に通過。これから登山道は沢沿いから山の
中へと続いている。一気に下っていくせいか?沢あり、階段あり、梯子あり、険しい岩場ありと実に変化に富んだ楽しいコースである。
つるつると滑りそうな木の梯子狭い沢を下る岸壁から沢に降りる梯子
岩壁につけられた細い道を歩くときに一歩足を滑らせると、谷底へ落ちてしまいそうだが、そこはしっかりと鎖やロープが張られている。最後の梯子を下り
重太郎橋を渡り左岸の登山道に出たら、あとはもう普通の登山道を歩けばいい。最後はあっけなく11時林道に出ることができた。ややルートはハードな
ものの、それは向こうのザイテングラートを通過するときとリスクは同じくらいか?また、3時間半で降りることができる・・・というのは大きな魅力である。
ホウバ寿司弁当はうまいこれが2ヶ入っている
林道の駐車場で穂高岳山荘で作ってもらった朴葉寿司弁当を食べた。
ほんのりと朴葉の香りの中から、しっかり握られたちらし寿司が2ヶ入っていて大満足の山の弁当だった。
月末にはこの弁当をもう一度食べられることになるだろう。
北アルプスの代表的なルートを歩いたが、一緒に歩いたメンバーは私と二回りも年齢の違う若者である。
彼らに遅れることなく、さらにリードして歩けたことは自分への大きな自信につながり、少し不安も解消された。


2011年7月22〜23日 上高地から涸沢そして奥穂高岳へ
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