2011年7月22〜23日
上高地から涸沢そして奥穂高岳へ

夏の涸沢・穂高と言えば誰もが皆憧れる山域である。が、もう何年も訪れていない場所でもあり何とか行かなければ・・・と思っていた。
今年はここで一仕事やろう・・・と考えていたこともあり、この夏休み前に登ってやろうと考えていたのだが、福井に転勤してからなかなか
忙しい日々が続き、ようやく今回訪れることができた。しかし、すでに夏休みに突入しておりかなりの登山者で込み合うのではないか?
また、このところ高度のある険しい山登りはしていないのでやや体力に不安もあった・・・が、つらいながらもいい山行をすることができた。
涸沢から

7月22日(金)福井→上高地→横尾→涸沢ヒュッテ
7/22は朝3時半に起きて4時に福井の自宅を出発、昔北アルプスへ行くときによく走ったR158大野市から岐阜県白鳥町へ出て東海北陸道
白鳥ICから高山市へ入り、平湯温泉を目指す。途中では夏休みに入った子供達がラジオ体操に向かう姿をよく見かけた。何となく子供のころ
を思いだし、懐かしい気持ちになる。目的地のあかんだな駐車場には7時ちょうどに到着、7時20分発の上高地行きシャトルバスに乗り込む。
シャトルバスの車内は乗車率7割くらいだろうか?あいにく、ぽつぽつと降り出してきた雨が気になる。上高地バスセンター7時50分到着。
上高地梓川カッパ橋小梨平を歩く
さてここからはいよいよ歩きになる。雨はちょっと降っているが、ごくわずかなのでカッパは出さずにザックカバーだけして8時20分歩き出すこととする。
この小梨平キャンプ場周辺は緑が多く傾斜もほとんどないので、楽に歩くことができる。上高地への観光客も普通の格好で傘をさして散策している。
明神館には8時50分到着。休まずさらに歩き続け、徳沢には9時30分着。ここまで地図の参考時間だと2時間の行程だが、1時間10分で歩くことができた。
明神館徳沢園横尾山荘
休まずにもうひと踏ん張り歩き続け横尾山荘には10時25分に着くことができた。地図の参考時間は上高地から3時間10分であるが、今日は休憩無しで
2時間5分・・・まあまあのペースで歩いて来ているようだ。ここのところの運動不足であまり体力に自信がなかっただけに、この結果はちょっとうれしい。
ここまで来たら霧雨だった空は完全に晴れ日差しが差し込んできた。次の登りに備えちょっと腹ごしらえ10時45分に再び歩き出した。吊り橋を渡り横尾谷
へと入って行くと前方に屏風岩がどっしりとした姿を現してくる。さすが国内最大級の岩場と呼ばれるだけあって威風堂々としている。
屏風岩本谷橋橋のたもとに咲いていたシャクナゲ
11時30分横尾谷にかかる本谷橋を渡る。渡り切った橋のたもとに白い色のシャクナゲの花が咲いていた。この橋を渡るといよいよつらいのぼりが始まる。
橋を渡ったところでたくさんの登山者が休んでいたが、こちらは休まずにどんどん上に進むことにする。坂道もどんどんきつくなるが、あえぎあえぎ登ると
12時40分雪渓が見えてきた。この雪渓を登れば涸沢だ・・・と思うと足が早まるが、いかんせん疲れが出てそんなに早くは歩けない。
涸沢末端の雪渓歩き雪渓のステップ
雪渓には恐らく小屋の従業員の方がつけたのだろう、きれいに雪の階段が作られていて涸沢ヒュッテの入り口まで続いていた。階段の終点にはスコップが
置かれていたので、この階段が壊れた際にはすぐ補修できるように万全の体制のようである。途中上からジョギングシューズで走り下りてきた人に会った。
今日の目的地である涸沢ヒュッテ(2300m)には13時15分到着。着いたらまず生BEER(800円)!テラスに腰かけて持参した弁当でイッパイ始める。
風もなく陽が当たってポカポカ陽気で実に気持ちがいい!これはもうサイコ-の贅沢としか言いようがない。一息ついてからこのヒュッテのオーナーの山口さんを
見つけ話をさせてもらう・・・そこへちょうど荷上げのヘリがサア〜と飛来してサッと引き上げていく・・・いや見事な手際の良さである。ものの30秒ほどだった。
涸沢ヒュッテのテラス向こうに見えるのが涸沢小屋ヘリの荷上げこのテラスサイコー!
打ち合わせは1時間ほどで終え、こちらは2杯目の生BEERにとりかってあっという間に空けてしまった。寝るには相当時間があるのであたりを散策して歩き、
時間をつぶして夕食を待つ。3時頃を過ぎると40人ほど?の団体さんが上がってきてテラスは急に賑やかになった。しかも若い女性が多いのには驚きである。
さすが「山ガール」発祥の地だけのことはあるようだ。平日とは言えテント場も30張くらいはあるだろうか?なかなか華やいで見える。こちらもさすが涸沢!
ナナカマドは白い花が咲く
17時夕食。缶BEERのロング缶(700円)を仕入れて食堂に行くと今日のメインメニューはアジフライとハンバーグ。今日は150人くらいの宿泊者・・・ということを
聞いていたので食堂は2回の入れ替えがあった。団体さんはワインを飲んでいるようで大変賑やかで楽しそうだった。ボリュームのある夕食で満腹。
夕食テントと涸沢小屋の明かり
朝早かったのと、日ごろの仕事の疲れもあり20時過ぎに就寝、ガ〜っと寝たと思って起きて時計を見たら22時半!寝すぎたかと思っていたのだが2時間ほど
熟睡したようで、ここでまた寝なおし・・・次に目が覚めたのは朝の5時だった。当然外はもうピーカンに明るい!朝食は5時からだったので急いで食堂へ行く。
もうすでに30人くらいのお客さんが朝食をとっていたが、慌てて来たのでカメラを持ってくるのを失念してしまい写真はなし。メニューは焼きサバだったと思うが
自宅で食べるよりもメニューも豊富でおいしく頂いた。(トーゼン朝のBEERは無い)朝食後、外へ出ると青空が広がり快晴!素晴らしい山の朝となった。


7月23日(土)涸沢ヒュッテ→奥穂高岳→前穂高岳→岳沢→上高地→福井
朝の涸沢カール
涸沢ヒュッテの山口オーナーにご挨拶をして、6時5分涸沢ヒュッテから歩き出す。穂高岳山荘へと続くザイテングラードのルート上には、もうすでに多くの登山者が
とりついているようで、豆粒のような点が少しずつ上へと動いているのが確認できる。こちらもボ〜と見ていても進まないので、歩き出すこととする。穂高岳山荘へと
向かうルートは涸沢カールに残る雪渓から歩き出す。自分の行く先には先行登山者の長い列がずっと続いていて、最後尾についてゆっくりと上を目指して行く。
朝の涸沢小屋とテント場秋になると真っ赤になるナナカマド涸沢カールの雪渓は大きい
歩き出した時の気温は8℃。思っていたより暖かい。しかもここはほぼ四方を3000m級の山々に囲まれた地形のため風があまりなく体感温度も下がらない。
ザイテングラードの取り付き部分までは、ほぼ雪渓歩きとなるが陽が照ってきても暑くなく気持ちいい歩きができる。雪渓の切れたところでは高山植物が所狭しと
咲き乱れ、カメラの休まる時がない・・・ほかの登山者も皆同じようで、立派な一眼レフカメラを手に皆それぞれの方向にレンズを向けているようだ・・・
こういう道は気持ちいいさすが日本のアルプス
この涸沢カールのお花畑を見に来るだけでもそれだけの価値はあろう・・・と思う。
前穂高方面
アルプスの少女ハイジが現れてもおかしくない?
7時10分 ザイテングラードの取り付きに到着した。ここからは急な尾根が穂高岳山荘まで続いている。前を歩く団体さんがず〜っと列をなして登山中。
途中には岩場が多く、鎖場や梯子もかけてありこのあたりの通過はちょっと順番待ちにならざるを得ない。自分としてはゆっくり登っているつもりなのだが
自然と前を歩くグループに追いついてしまう。そうすると前の団体さんが「後ろから追い越しま〜す!」と声をかけてしまうので、その団体さん全員を抜いて
一番先頭に出ないといけない・・・自分としては何とかゆっくり上がろう・・・と思っているのだが、こういう事態に遭遇すると、なかなか休むわけにもいかず
皆さん道を開けてくれるので進まないわけにもいかない。いやなかなかある意味辛いザイテングラードの登りとなってしまった・・・
一部の急斜面には鎖場あり急なのでみんなゆっくり登る上に行くにつれ高度感満点こんな梯子場もあり
しかし、このザイテングラードを登り切ればもう穂高岳山荘は目の前である。急斜面に少し残っていた雪渓を越えると屋根が赤く塗られた山荘の前に出た。
8時10分 穂高岳山荘(2996m)に到着。
ようやく山荘が見えてきた穂高岳山荘
この山荘にお邪魔するのも何年振りのことだろうか?山荘前の広場で一息ついて山荘にお邪魔すると、見たことある人がいる。「あれ!八原さんじゃないですか?」
と言われて一瞬誰か思い出せず考えていたら「西穂山荘にいたGです。」と言われすぐ、思い出した。そういうといつも西穂山荘のカウンターの中にいた。どうして
ここにいるのか聞いたら、今年からこちらの山荘でお世話になっていてここで映像関係の仕事もしてみたい・・・ということだった。G君に案内してもらってこちらの山荘の
支配人中林氏とオーナーの今田氏を紹介してもらう。こちらの山荘、風力発電と太陽光発電でかなり先進的な取り組みを行っていることで有名でそのシステム等を
紹介していただく。風力発電のプロペラはヘリのテールローターを使用していてなかなかユニークである。これらの自然エネルギーを利用することによって、穂高岳山荘
では時間率にして70%、全使用率にすると30%もの使用電力を自然エネルギーで賄っている・・・ということだった。通常山小屋などで使用する発電機は45KVA
クラスのものが多いが、この山荘では15KVA!で済んでいる・・・というから驚きである。これは負荷の見直しもかなりシビアに行っていることにも起因しているようだが。
屋根上のソーラーパネル風力発電の風車風はかなり強いらしい
かれこれ1時間あまり説明を聞いていたが、こちらもあまりゆっくりしている訳にはいかない。お礼を言って9時20分穂高岳山頂へ向かうこととする。ここから奥穂高岳の
山頂まで標高差194m、時間にして約50分かかる。しかも登り出しはいきなりの急登で梯子での岩登り!ここですでに先行の団体さんの順番待ちが発生。これだけはどう
しようもない・・・最初のピークに到達してから、先頭を代わってもらい先に進ませてもらうが、その先もまだまだ登山者はイッパイ!
奥穂山頂への登り出し急な岩場は梯子山荘が見る見るうちに小さくなる山頂はまだ
そして頂上へと向かうルートは岩山ばかりである。慣れない人はスピードがかなり遅くなりこの稜線では登山者の姿がパラパラと別れて来るように見える。
そして9時55分ようやく奥穂高岳山頂に到着した。標高3190m日本第3位の高峰である。山頂周辺は記念写真を撮る順番待ちでこれまた時間待ち。
ほんの少ししかスペースの無い山頂の祠に交代で立って記念写真を撮るため、団体さんなどがやってくるとこれはもう大変なことになる。15分ほど待って
やっと自分の番が回ってきて、近くにいた人にシャッターを押してもらう。写真一枚撮るのも大変である。
左がピーク記念写真は順番待ちやっと山頂に立つ振り返ってみた山頂方向
10時15分 ようやく山頂の集団から逃れ前穂高岳へと向かう吊尾根に足を向ける。山頂の賑わいとは打って代わって、こちらは静かな登山道である。
しかし、ルートは思っていたより険しい岩の道で歩きにくい・・・
後ろを振り返ると奥穂のピーク険しい岩稜の道
岩稜の吊尾根を歩いているとたまにスッとガスの切れ間から、これから先の風景や今朝スタートした涸沢の小屋が見える。このあたりは高度感も抜群だ。
雪渓と涸沢がよく見えるヨツバシオガマ
それにしてもここの吊尾根は登山者が少ない。11時30分に紀美子平分岐点に着くまで僅か6人ほどの登山者と出会っただけであった。ちょうど時間帯が
合わなかった?のかも知れないが、これだけの山の中でまったく人に会わない・・・というのはちょっと不安なものである。逆に向うからやってくる登山者も
同じことを思っているようで、私に出会うと「この尾根で初めて人に出会いました」とい言ってほっとしているようであった。紀美子平分岐点で弁当を広げる
こととした。稜線歩きでのどが渇くと思い、穂高岳山荘で買ってきた缶BEERをプシュッと開け山上のランチタイムとした。ここはこのルート上唯一と言っても
いいくらいの広い場所になっており、ほかの登山者達もみんな弁当を広げている。ただ、奥穂へ向かって歩いて行く人は思っていたより少なかった。
吊尾根途中で出会った人に撮ってもらった紀美子平分岐点11時30分着涸沢ヒュッテの弁当紀美子平からの下り
25分間ランチ休憩をとって11時55分重太郎新道の下りにかかる。いきなり鎖場の下りが現れ、この先も決して楽ではないことがうかがえる。
岳沢小屋までの下り標準時間は2時間である。途中の鎖場や梯子のかかっている状況を見るとこの時間には納得である。
岳沢パノラマ
途中の「岳沢パノラマ」から眺める岳沢から上高地の風景は、ほっとする。今まで岩場のごつごつした荒々しい景色しか見てこなったので、この緑がうれしい。
直下には新しく営業を始めた岳沢小屋の赤い屋根が見える。重太郎新道の下りは結構登山者もいたが、何組かを交わして先に下らせてもらい岳沢小屋には
13時15分に到着。岳沢小屋はかつて雪崩で流された岳沢ヒュッテを槍ヶ岳山荘の穂刈氏が再建して、営業を始めたもので昨年完成したばかり。
急斜面の下りもうすぐ岳沢小屋岳沢小屋
岳沢小屋は標高2170m、できたばかりでもあり宿泊定員は30名と規模は小さいが、テント泊の登山者も多いのか休憩している登山者もちらほらと見受けられる。
かなり標高も下がってきたこともあり暑い!ということでまたしてもここで休憩。水を補給し石のベンチに座って上高地方向を眺めるが、まだ結構な距離がある・・・
さあここからは上高地までゆっくりと下るのみ。気分を入れ替えて13時40分歩き出す。ここからの道は今までの重太郎新道とは違い歩きやすい普通の登山道。
所々に大雨などで崩壊した個所もあるが、小屋の人たちが手直ししたのか?新しい道が作られていて歩きやすい。
岳沢小屋緑が多く花もたくさん岳沢小屋を振り返る
整備された登山道一部木道もあり上高地の遊歩道に到着
下る途中には結構たくさんの登ってくる人達と出会った。朝に上高地を出発したのだろう・・・今日は土曜日なので、岳沢l小屋も多くの登山者でにぎわうだろう。
上高地の遊歩道には15時に合流。遊歩道に出るとたくさんの観光客が歩いていて、山登りの格好をした自分の姿がちょっと浮いている?ような気がする・・・
上高地上高地のいつもの風景
河童橋のたもとに15時15分到着。上高地バスセンター15時30分発のシャトルバスに乗って平湯温泉に向かう。上高地は夏休みに入って最初の週末を
迎えたこともあってか、ものすごい人とバス・タクシーである。釜トンネルまでの道路は細くすれ違うのもやっとだったが、そんなに遅れることもなく16時には平湯
温泉の駐車場に着いた。平湯で温泉に浸かって2日間の汗を流し福井への帰路についた。
一部途切れてしまったが今回の歩行Map
(一部GPS衛星の電波受信がうまくいかずトレースの切れたところがありますが、今回歩いたルートです)
今回歩いた距離は地図によると7/22が16Km、7/23が11Kmで2日間トータル27Kmだった。

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