2011年1月10日(月
SnowShoeで登る若狭鯖街道根来坂(801m)

2011年最初の登山は福井山岳会の仲間との雪山登山となった。
実は今回の山行、福井県嶺南では2番目の高峰である小浜市の百里ヶ岳(931m)へ登る予定だった。
が、正月以来の大寒波襲来により通常は雪のそんなに多くないこの若狭地方にもそこそこの雪をもたらした。
誘いのメールでは朝7時半JR東小浜駅に集合。
この時間に間に合わせていこうと思うと、無雪期なら1時間半くらいだろうが
前日の夕方からまたしても降雪が続き、少し早めて5時半に福井の自宅を出発した。
途中の道路は新しく降った雪の除雪の真っ最中で、高速道路も同様。
早めに自宅を出て正解だった。
ほぼ予定通りの7時半にJR東小浜駅に到着・・・したが、福井から来るほかのメンバーが遅れている。
それでも8時過ぎには全員集合して登り口のある小浜市上根来(かみねごり)へと向う。
ここはかなりの奥深い地区だけに雪の量もかなりのもの。
途中からFFのH氏のライトバンは登れなくなり、もう一台の四駆のワゴンに乗り換えて上根来を目指す。
上根来地区へと続く1本の道は車一台が何とか通れるだけの幅で除雪されているが
車1台だけ走ったあとの轍が続いており、今朝の除雪はしていないようだ。
四駆車でなければ登り口までは辿りつくことができなかっただろう。
上根来の集落で車を止めるNew!のスノーシュー使用
今回は新たに購入したSnowShoe(MSR Lightning ASCENT)の初使用である。
一緒に登るメンバーは私を含め7人だが、メンバーのうちSnowShoeが4人と輪カンジキが3人である。
しかも新雪での登山なので雪山を登る道具の比較にはもってこいの条件が揃っている。
いろいろ考えていたところへ最高齢のM氏がSnowShoeで颯爽と9時ちょうどスタートしだした。
最初は林道に沿って進んでいくが、積雪量は60〜80cmくらいだろうか?
SnowShoeで歩くと10〜15cmくらい雪の中にもぐるがカンジキと違って
足を引っこ抜く・・・という動作がなく、テールをそのまま引きずって歩けばいいので膝の動きが楽だ。
そして実に早い!雪の無い平地を歩く感覚に近いのはオドロキだ。
颯爽と進むSnowShoe部隊快適な歩きSnowShoe廃屋となった畜産団地
15分ほど進むと今はもう閉鎖された畜産団地に出た。
何となく焚き火の臭いがしてくるのでおかしいな〜と思っていたところ、いきなり廃屋同然の建物から人の姿が見えてきた。
何と!この廃屋に住んでいるらしい。
「百里ヶ岳まで行きます・・・」と言うと「気をつけて・・・」と返ってきた。
人里離れたところで、しかも雪で孤立しているこんな場所で・・・
と考えてしまったが、こういうところに住むのが好きな人なのだろう・・・と理解することにした。
9時25分 林道から「鯖街道」と書かれた看板のある山道に入る。
山道に入る美しい杉林が広がる杉林の中を快適に登る
ここからは見事な杉林が続いていて、その中を昔は多くの人が歩いたのであろう鯖街道の道がある。
多くの雪が積もっているが、所々見られる雪のくぼみがその道があることを示している。

それにしてもSnowShoeは思っていたよりずっと快適だ!
急斜面の登りにかかっても後ろにずれることはないし雪の中に足がもぐってしまうこともない。
これは雪を楽しむ道具としてはかなりBESTに近い!
全員でラッセルして進む
それに比べると、輪カンジキ使用の3人は膝上までもぐる雪と格闘しながら登っている。
スタートして1時間もしないうちに明らかにSnowShoeの優位性が目立ってきた。
10時25分 林道に出た。
少し周囲も見えるようになりここからはしばらく林道に沿って進む。
こういう所の歩きはSnowShoeの最も得意とするところでグングン距離を稼ぐ。
歩き出した当初は自分で自分の足を引っ掛けそうになることもあったが
ここまで来ると歩き方のコツをマスターし快適そのものである。(輪カンジキの方には申し訳ない)
こちらの方は輪カンジキ使用時々ガスが晴れて景色が見える再び林道に出る
10時50分 林道から外れて再び山の中の道にはいる。
このあたりは夏道の通りに進むことになる。
気温は相当下がっていて、時々横殴りの強い風が吹くと体感温度はかなり下がる。
しかしこの冷え込みが木々を幻想的な美しさに変えている。
霧氷が美しい尾根
この道は尾根に沿ってずっと登っているので迷うことはないが雪の量もだんだん増えて来ている。
もうここは人海戦術で7人で先頭を交代でラッセルして進む。
途中871mのピークに到着・・・と思って間違えて左に曲がってしまったが
しばらく尾根を降りておかしい・・・と気づき引き返す。(GPSのMapにその跡がしっかり残って引き返した後が見える)
かなり下ってしまい登り返すのが結構つらかった・・・
自分のいる位置を、そこと思い込んでしまい地図を見直さなかったのが間違いの元だった。
夏道に沿って登るようやく見通しのいい場所に出た
12時15分 ようやく根来坂へと続く871mのピークに到着した。
ここだけ周りが開けていて晴れればもう少し周囲の山々が見えるのだろうが、あいにくの天気でちょっと残念。
そして、そのピークに立とうと足を踏み出した瞬間に「ドーン!」これには一同オドロキ!
ピークと思っていたところは何のことは無い、巨大な雪屁だった。
K氏の足元から1〜2mくらいが一気に崩壊して谷の方へ流れて行った。
上ってみると、なるほど大きな雪の割れ目が残っていた。
雪屁が崩れ落ちた瞬間
さてこのピークからは90度左に曲がって尾根を下る。(今度は間違いない)
この尾根を下っていけば、かつては多くの旅人が越えたであろう鯖街道の根来坂に出るはずである。
雪屁の落ちた跡一瞬陽が当たる今度は尾根を下る
尾根はそんなに幅も広くないので一直線に下るだけ。
しかし、このSnowShoeという道具,下りにちょっと弱い。コツが必要だ。
他の人の歩いた跡を歩くとビミョーに滑りそうになる。
そのため誰も歩いていない新雪の上を歩くと歩きやすい。
踏み固めた跡を歩くと後傾姿勢となってしまいバランスがとりにくくなるのだが
新雪の上だとフロント部分が浮いてくるので前傾姿勢を保て歩きやすくなるようだ。
12時30分 祠がある根来坂(峠)に到着した。
積雪は1mちょっとはあるだろうか?
峠の祠は、すっかり雪に埋もれ正面に回るとほんの少し中が覗ける程度。
根来坂(峠)には祠がひとつ
目的としていた百里ヶ岳(931m)までへは、ここからまださらに1時間以上かかる。
ということで、本日はここまでとしこの根来坂で昼食とした。
気温を測ると−9℃!風が吹くと体感温度はもう−20℃くらいである。
震えながら湯を沸かすがなかなかお湯が沸かない・・・
雪の無い季節ならばこの峠は休憩するにはもってこいの場所だが、今日のような日はキビシイ。
ランチタイムは寒いところで沸かないお湯でラーメンを・・・木も寒そう
何とか沸かしたお湯で昼食を済ませ集合写真を撮って13時10分根来坂よりもと来た道を引き返す。
根来坂での集合写真
帰りは下りということもあるが、それ以上にルートのラッセルがしてあると言う要因が大きい。
かなりの早いペースで降りてきた。
それでも、時々激しく降って来る雪と風のせいで所々登りのトレースが消えている。
途中雪が止んで1ヶ所だけきれいに上根来の集落がきれいに見えるところがあった。
若狭の山々と上根来の集落 右下の白い平地が廃屋となった畜産団地
(左・多田ヶ岳712m、その右の小さく見えるのが久須夜ヶ岳619m 手前が上根来集落)

林道終点には14時20分到着。
ここからまた廃屋となった畜産団地の前を通ると、朝の男性が外へ水汲みに出てきていた。
話をすると、ここに猫とともに住んでいるのだそうだ。
ちょっと不思議な気がしたが、それ以上は聞けず下根来の里の方へ向うと
今度は肩に鉄砲を担いだ猟師さんが、我々の朝作ったトレースを辿って歩いてくるのに出会う。
80歳くらいのその猟師さんは、これから例の畜産団地に住んでいる人の様子を見に行くところだそうだ。
そしてその方は、今行こうとしている畜産団地のそばで生まれ育ったらしい。
この上根来には今でも何人かが住んでいて、この猟師さんも昔はこの近辺の山々を歩いて熊撃ちをしていたとのこと。
でも、最近は鹿が増えすぎてどこの山も禿山になりつつある。
鹿のメスは今まで長い間禁猟だった、そのため山に鹿が増えすぎた・・・
ところが今になってメスの鹿も獲ってもよくなったが、もうあまりにも増えすぎている。
そしてこの雪で鹿もあまり動けないし食べ物も少ない・・・
鹿も痩せ細っていて、この冬はかなりの鹿が死んでしまうのではないか・・・
イノシシも獲れるが、今年は小さいし油がのっていない・・・だからそんなイノシシは逃がしてやるのだ。
時々は立派なイノシシもいるが、そんなのは本当に少ないのだと。
いろいろな山の話を話してくれたがこれらはその一部。
昔から山を生活の生業としてきている人の話は、実に真実味があって興味を引かれる。
廃屋となった畜産団地の横を歩く
14時50分 上根来の集落に到着。
この集落にはまだ除雪車は上がって来ていなかった。

GPS-DATA 途中間違えたところのトレースもついている

このSnowShoeがあれば雪の山も楽しめる!
SnowShoeでの雪山歩きはかなりGood!

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