2010年3月4日〜6日
快晴!西穂山荘から独標(2701m)

今年も北アルプス西穂へやってくる日が来た。職場の山岳研修である。
これは山岳取材時の安全確保や技術を身につける・・・という目的でベテランガイドの指導のもと
機材を背負って山を登り頂を極め、さらに放送も出す・・・という内容のもの。
3月4日は新穂高ロープウェイから歩きだしたのが13時45分
天気は小雪が舞っているが、そんなに寒くはない・・・おそらく気温はプラスだろう。
今回の荷物はかなり多く担ぐ重さは一人30Kg近い。
滑り止めのためアイゼンを装着して西穂山荘を目指す。
時々雪が舞う登山道急斜面を登るようやく山荘到着
標高2385mの西穂山荘は北アルプスでは通年営業している唯一の山小屋である。
荷物がかなり多く、通常ならば1時間半〜2時間で到着するはずの山小屋だが
何度も休憩をとりながら到着したのは15時55分
山荘周辺の積雪は2.5〜4mといったところか?しかし吹き溜まりはそうとうありそうだ。
山荘までのルートは多くの登山者が歩いた後とあって、かんじきなどは全く必要なかった。

翌5日は朝6時半に朝食、7時発の予定だったが外はまっ白のガス。
天候の回復するのを待って8時30分に山荘から歩き出した。
時々ガスの切れ間から青い空や向かいの山並みを、少しずつ望むことができるようになってきた。
山荘からすぐ上の稜線白い雷鳥出現!少し小さいが前を歩いているのが雷鳥
山荘から少し上がったところで先頭が立ち止まるので見てみると、何とまっ白の雷鳥がいるではないか!
昨年の春先には茶色の雷鳥を同じルート上で見かけたが、今回は冬毛の白色。
そして我々の歩く先々を誘導するかのようにピタピタと歩いていく・・・
その距離およそ3〜5m、こちらが近付くとスッと離れてその距離間はなかなか絶妙なものだった。
雷鳥は晴れた日にはあまり目にすることはないらしい。
今日のようなガスが出ている日は雷鳥も出やすいのだろう?
高度2500mを越えるあたりから青空が時々見えるようになってくる。
青空が時々見えてくる稜線はエビの尻尾が発生している
この稜線上は時々恐ろしいほどの風が吹いてくる。
気を抜いていると吹き飛ばされそうになり、かなり注意が必要だ。
先行していたガイドと中年女性の2人組パーティーは、あまりの風の強さに独標手前から引き返してきた。
急なアイスバーンの稜線を登る
エビの尻尾エビの尻尾も成長中
天候はどんどん回復してこれから進んで行く先の景色がよく見えてきた。
岩稜が黒く見える手前の独標から三角の白いピラミッドピークが手に取るようにわかる。
登るにつれ高度感も抜群に出てきてアイスバーンの斜面にアイゼンがザクッと効いて実に気持ちいい!
クラストした雪の斜面を登る
この高度まで来ると気持ちいい
本日の目標としている西穂独標(2701m)への登りは徐々に厳しくなってくる。
手前の岩稜を越し、独標への登りはかなりの急斜面の雪稜登り・・・今日初めてのステップを刻む。
気持ちのいい登り!正面が独標独標に到着
10時25分 独標への登りは一番乗り!
後方は焼岳その向こうに乗鞍岳
しばらく待って全員独標頂上に集合した。
西穂高岳(2909m)の頂上は独標より200mほど高いが、
この独標ピークから見るともっと高く見える気がする。
西穂と奥穂
左からピラミッドピーク→西穂→間ノ岳→奥穂

この独標頂上で全員で記念写真を撮って、私は先の予定があるので早々に下山する。
みんな独標にいた下山中後ろを振り返って撮影
10時50分独標から下山開始。慎重に下る。事故は下りに発生しやすい・・・
独標の頂上にいるみんなの姿が見る見るうちに小さくなっていく。下りは早い!
11時25分 西穂山荘に到着。
早速仕事の準備に取り掛かる。
結局、他のみんなが降りてきたのは13時前だった。
山荘がすぐ下に見えてきたみんな続々と下ってくる山荘と西穂が見える位置にカメラを置く
昼食後は全員で担ぎあげたバラバラの機材を組み上げチェックとリハーサル・・・
暗くなるまでみっちり時間がかかってしまったが、番組に出演してもらう予定の信州大学の
学生さん達は夜遅くまで、雪の調査のための雪かきをしていた。

6日は5時起床・・・窓から外を眺めると雪が降っていて2cmくらい積もっている。
そして放送の準備をしている間に雨に変わってきた。冷たい雨だ・・・
リハーサル中信州大学の研究フィールドである雪の壁リハーサル中
こんな高度の所でこの時期に雨に遭うとは・・・いやぁ〜今回は本当に参った。
8時前に仕事を終えて撤収、帰りの機材重量は一人30Kgを越えそうだ。
氷や雨水がついてケーブルや三脚、雨カバーなどすべてが重くなっている。
ちょっと遅い朝食を山荘で食べて10時15分下山開始。
私以外のスタッフは雪の上を荷物を担いで歩く・・・という経験が少ない。
雪の上で滑りやすく荷物も重いのでバランスを崩しやすい。みんな慎重に下る・・・
小屋前を歩き出す下りは厳しい
11時50分 ロープウェイの駅に到着。この頃にはいっそう雨が強くなっていた。


雨は本当につらいが、5日に登った独標は実によかった!
右のピークが独標 その後ろの白い三角のピークがピラミッドピーク
冬の独標への登頂率というのは過去の経験値では5割以下・・・ではないだろうか?
今回は本当にラッキーだったかも知れない。
ややハードな山行かもしれないが、自分の持つ体力と技術を知るいいバロメーター的登山かも知れない。
冬山の晴れは一度味わうと忘れられないものになる。
仕事でも人生でもこんな体験をいつもできると素晴らしいのだが。


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