2004夏 
のんべえ親父とその息子 剣岳に登る

2004 北アルプス剣岳
8/25〜27アルプス北部 立山三山と剣岳を2泊3日で縦走

今年も夏がやってきた。
が、今年は7月の福井集中豪雨、さらに原発の事故など、福井にとってはよくない話題で多忙な夏となった。
やっと仕事も一段落し、息子と夏休みの間にどこかへ行こうと思いついたのが夏山登山。
山の選定はいろいろ考えていたのだが
@立山〜穂高まで縦走
A雲の平周辺散策
B立山周辺周遊
などの候補が上がったが、@案 日にちとお金がかかりすぎ
A案 悪くは無いがちょっとかったるい
B案 立山だけだと物足りないので剣岳をコースに入れればGoodか!
ということで立山三山を縦走し、最終日、剣岳にも登ることとし予定を組んだ。
剣岳については、中三の息子にとってはややハードか?とも思ったがハラハラドキドキも経験させて
登山の充実感を味わうことができれば最高!と思い登ることにした。
ちなみに立山三山というのは一般的に浄土山(2831m)、雄山(2992m)、別山(2874m)をいうが
コース途中には大汝山(3015m)、富士の折立(2999m)、真砂岳(2861m)など
3000m近い山々が並んでいる。
詳細についてはこちらの地図を参照していただくとわかりやすい。
コースは室堂を基点に南側の浄土山から北上し、雄山→大汝山→真砂岳→別山→剣岳とした。
最終目標の「岩と雪の殿堂 剣岳」は2998mである。

今回は北アルプスは初めての中三の息子 淳を連れて行くこととし、
新たな社会的視野を広げさせるのを大きな目標とした。そのため、
◎山小屋泊まりで負担を軽く(中年のおっさんに重い荷物はつらい)
◎アプローチには公共交通機関を使って行く(いつでもどこでもBEERが飲める)
◎少々の雨が降ろうが最終目標の剣岳を完登する(親父らしいところを見せる)ことを目指した。

時期的にお盆を過ぎて、土日を避ければいくら夏山とはいえ登山者は少なく混雑も少ないはず。
天候の状況から考えて8月25日(水)〜28日(土)に予定を立てた。
(しかし最終日、台風接近で天候不安定・・・との情報もあり、結局27日に下山することとなった)
かくして壮大な目標を掲げ立山三山と剣岳 親子登山はスタートしたのである。

8月25日(水)
福井→富山→立山→立山室堂→浄土山→一の越山荘
自宅からカミサンの車で近くのJR春江駅まで送ってもらい
5時48分発の金沢行き各駅停車に乗り込む。
JR春江駅裏にて 午前5時45分
さすがにこの時間帯はお客さんは少ない。
ガラガラの車内で朝食に作ってもらった握り飯をほおばる。
金沢駅6時58分着 7時3分発の黒部行き各駅停車に乗り換え。
富山駅には8時6分に到着、8時56分発の富山電鉄立山線の出発まで時間があったので
駅構内にあるロッテリアでモーニングセットを注文する。
ここからは富山地方鉄道立山線で立山駅へ向かい、その後ケーブルカーと高原バスでの移動になる。
地鉄富山発室堂 往復割引切符 富山地鉄立山線 富山駅にて
室堂までの移動についてはインターネットでいろいろ調査していると
地鉄富山駅で発売している室堂までの往復割り引き切符があることが判明!
今回はこの切符(6530円)を利用した。
乗り物を変えるたびに切符を買う必要も無く、安あがりで手続きもスムーズに行えひじょうによかった。
また、この切符が昔懐かしい厚紙のもの(今のようにペラペラの紙にプリンターで印刷したものではない)で
作られており昔を思い出してしまった。
富山地鉄のHPを見ていると、ここの路線は休日は増便(普通の鉄道は休日運休が多い)
というのが面白く、アルペンルートを抱えた観光路線ならではのことだろう・・・
のんびりと田園風景から渓谷の中へと変わっていく景色がよかった。
終点立山駅からはケーブルカーに乗りかえだが、接続もよくすぐに乗車。
立山駅 ケーブルカーすれ違い
高原郵便配達人に遭遇
淳は生まれて初めてケーブルカーなんぞに乗り周囲の景色にも見とれていた。
接続よくいろいろな乗り物に乗れたせいで室堂には11時に到着できた。
思っていた時間より1時間ほど早い。
とりあえず腹ごしらえをホテル立山のレストランでとる。
一番安いカレーにしたが、二人で2700円!!!スペシャル価格である。
こういう高いところは早々に退散すべき・・・との判断から11時40分に室堂を歩き出し
最初の目的地浄土山(2831m)に向かう。
歩き始めると郵便配達のおじさんに出会った。
地鉄の電車に途中から乗り込んできたのは知っていたのだが、たくさんの郵便物を担ぎ
赤いトレッキングシューズが際立っている。
室堂にある山小屋を回って配達しているようで、ところどころで一服しながら歩いていた。
NEPALのLangtangへ行く途中でも同じような郵便配達(輸送中?)の人を見かけたことがあるが、こちらはバスとひたすら歩きで
目的地まで何日かかるのだろうか?と考えてしまった。
室堂にて 高原の郵便配達も大変
ところで浄土山へは室堂山荘の手前を右に回って行くが、あまり人影は見えない。
きれいに整備された道は途中の展望台までだったが、展望台からはあいにくガスのため何も見れなかった。
ここから浄土山の道はそれなりの斜度があったが、意外と早く20分ほどで登ってしまう。
13時10分頂上到着(2831m) 頂上からは明日の目的地雄山が正面にドンと見える。
かなり時間的余裕もあるので、ザックに忍ばせてきた缶BEERをプシュッとやることにするが、
ザックの中でかなり揺られてきたせいで一気に泡が吹き出てしまった。
浄土山への登り浄土山山頂 後方は雄山
恐るべしネパールサンダル(ゴム草履)の威力!
浄土山からは一の越山荘(2700m)を目指して下山するが、どこかの小学生か?同じ色の体操服で何百人か?
蛇のように一列をなしてくねくねと雄山へ登っているのが面白い・・・
一の越山荘 14時35分到着 ここで宿泊手続き後のんべえ親父はまた缶BEERを購入する。
淳は暇だというのでちょっと雄山方向へサンダル(ネパールで購入してきた)履きで登っていった。
なかなか帰ってこないので気にしていたが、1時間ほどあとになって帰ってきたのでどこまで行ったか聞くと
何と!サンダルで雄山頂上まで登ってきたと!
恐るべきネパールサンダルの威力か!?
驚異のネパールサンダル(いわゆるゴム草履)
一の越山荘の宿泊客はトータル27人くらい、人数が少ないこともあってそれぞれグループごとの個室になった。
畳の上で暖かい布団で寝れるのがうれしい。
待ち焦がれた夕食は6時だったがあたたかいシチューが大変美味。
一の越山荘の食事はこちらで。
真夏とはいえ日が沈むとさすがに小屋内でも寒い・・・ストーブのお世話になった。
ストーブを囲んでいろいろなところからやって来た人達と話をしていると
親子で登っているというのがかなり珍しいようで話は尽きない。
その中でも東京から来た4人組のおじさん連中は、
私たち親子とこれからのコースが同じようで以降行く先々で一緒になった。
我々はこのおじさん4人組をひそかに「オッサンズ」と呼ぶことにした。
「オッサンズ」年齢は60歳くらいか?同じような年齢で気が合うのか、どこでもよく似たような人達が山を登っているものだ。
お世話になった一の越山荘寒い・・・小屋の中に設置されたストーブ一の越からの夕景 室堂方向
8時頃には就寝 初日の今日は運動量も少なく楽勝。

8月26日(木)
一の越山荘→雄山→大汝山→真砂岳→別山→剣御前小屋→クロユリのコル→剣沢小屋
朝食は6時からだが腹が減って5時過ぎ目が覚める。
今日も快晴。小屋の窓から富士山や槍・穂高まで見える。
室堂の小屋に泊まっていたのか、もうすでに雄山を目指している人達の姿もボチボチ目に付く。
朝食をとって6時45分一の越山荘を歩き出した。
一の越の朝 右奥が槍・穂高雄山へののぼりから振り返った一の越山荘 その向こうは龍王岳(2872m)
雄山神社で登拝
淳は昨日一人で登って道もよく知っているようなので、先に一人登らせたが結局頂上で追いついた。
雄山の社務所には7時18分着。33分で登ってきたことになる。まあまあのタイムだ。
せっかく登ってきたので頂上の雄山神社(3003m)で御祓いを受けた。
安全登山と家族の健康、それと今回は平成16年7月福井豪雨で被災された方々の早期復興を願った。
ご存知の方も多いと思うが、立山は日本三霊山のひとつ。
あとの残り二つは富士山と白山である。
登拝許可書?  登拝をお願いするともらえる
雄山神社 淳の腰掛けている右の石が3003m雄山神社にて雄山神社から見た社務所(2991.6m)その遥か後ろに白山が雲上に漂っている。
ここでゆっくりしていたら、件の「オッサンズ」に追い抜かれてしまった。
あわてて8時10分に雄山を出発。5分もかからないうちに、この立山山域の最高峰大汝山(3015m)に到着。
しばらく写真を撮ったり景色を眺めたりしながら時間を過ごした。
ここからは立山黒部アルペンルートのロープウエイー黒部平駅と、黒部湖を眺めることができる。
大汝山頂から見た黒部ダム方向 大汝山頂上直下にある休憩所 一番奥に見えるのが剣岳
この大汝山を過ぎると、あとは快適な夏山縦走コースである。
富士の折立(2999m)の横をかすめて、ゆったりとした斜面を真砂岳(2861m)へ向け下る。
9時10分 真砂岳頂上で「オッサンズ」に追いついた。
同じ方向に向かって歩いているグループがいると、所々で写真を撮りあったりして便利である。
「オッサンズ」も我々親子を頼りにしているようだ。
真砂岳 右端に小さく内蔵助山荘 中央の黒いピークが剣岳 室堂方向 さすが緑が多い
真砂岳の頂上は特にこれといって何も特徴のない山頂で、引き続き別山を目指す。
ここまで来ると、行く手正面に剣岳が威圧ある風貌でだんだん迫って来る。
10時5分 立山三山最後のピーク別山(2874m)頂上の神社に到着。
さらに奥の北峰(2880m)まで行くと、今夜宿泊予定の剣沢小屋まできれいに見える。
別山北峰から見える剣沢と剣岳+八峰。
ここで昼食にしようかどうか迷ったのであるが、淳が小屋のある別山乗越の剣御前小屋まで行くという。
そのほうが小屋でBEERも手に入ることでもあり都合がいい・・・
別山からは直接剣沢へ下りるコースもあったが、それだとあまりに今日の行程は短すぎる。
11時5分 剣御前小屋到着。
小屋前の石垣の影で風を避ける。一の越山荘で作ってもらった弁当を広げBEERを1本買ってきた。
時間はたっぷりあるので食後、コンロを出してお茶を沸かしゆっくり休んだ。

雷鳥に遭遇!
12時15分 寒くなって来たこともあり、歩きはじめることとする。
ここからは、一度クロユリのコルまで下ることにし、剣山荘へむかうトラバースルートをとった。
かなり下ってきて、剣山荘とクロユリのコルへ向かう分岐点を過ぎたあたりで突然雷鳥に遭遇!!
全部で6〜7羽くらいいただろうか。
手に持っていたストックを振り下ろせば、確実に一撃で焼き鳥(失礼)屋へ卸できる距離だった。
もちろん良識ある登山家の私はそんなことは頭にも浮かばなかったが・・・
人から伝え聞いた話であるが、雷鳥を食べようとした人がいたそうだが
ハイマツのにおいが強くて食べる気がしなかったとか・・・?
今回の3日間を通して雷鳥に出会えたのはこのときだけだった。
雷鳥はもしかしたら見れるかも知れない・・・と淳には言っておいたので本当にLUCKYであった。
やっと出会った雷鳥 クロユリのコル
クロユリのコルには13時5分に到着。
ここにはもう一人60歳くらいの登山者がいた。
聞くところによると、剣御前小屋から尾根を登り、剣御前(2776.9m)を越えてここまでやって来たと。
そのルートはあることは知っていたが、今回は通ろうと思ってもみなかった。(地図上では点線で表示)
ルートの状況を聞いてみたら、やはり通る人は少なく踏み跡のはっきりしないところが多いらしい。
こどもを連れて一緒に歩いていると、出会う人が珍しがっていろいろ声をかけてくれ
ここでも楽しい時間を過ごすことができた。

久しぶりの剣沢小屋へ
クロユリのコルには約30分滞在して、今夜の宿泊場所剣沢小屋へ向かう。
コルから剣沢小屋までは思ったよりも早く、30分で到着。
14時5分に着き宿泊手続きをする。
この小屋には、おととし10日間ほど仕事で滞在していたので顔をよく覚えてくれていて
今回子供づれで来た事を告げると大変喜んでもらえた。
この小屋もこの時期、宿泊客はそんなに多くなく個室を提供してもらえた。
夏山登山するには8月の最終週の平日に限る・・・
しかし、早く着きすぎまたしても晩飯まで時間がありすぎる。
外へ出て、BEERを飲みながらノンビリするが寒い!
しょうがなく今度は談話室へ移動するが、ここはストーブがついていて暑すぎる。
結局自分の部屋で布団をかぶって読書する・・・

感動の夕食!!!
6時前に食事の声がかかった。
おかずは暖かいコロッケ、まずコロッケをつまみにまたしてもBEERをグビリ。
他の人はご飯を食べている・・・そういうと私のどんぶりが無い・・・
さらに、他の人の食べるのをチラチラ見ていると、な、な、なんと!「うな丼」ではないか!!!
ここの料理には前から定評があったが、こんなものまで出てくるとは!
これに気をよくしていたら、さらにそばまででてきた。
これはもう涙がこぼれそうなくらい感動してしまった。
(ただし、うな丼のおかわりは無しで2杯目は普通のご飯である)
こうなるともう絶好調である。隣近所のお客さんとBEERを飲みながら話がはずむ。
隣の人は学生時代ここの雪渓でSKIをよく楽しんだそうだ。
前に座っていたおじさんは、体重90Kgだそうで今日は7時間かけて剣を往復したと。
あまりにつらく、また、ハードな山で5回くらい死にましたヨ・・・と。
しかし、つらさを乗り越えた充実感で雄弁になり過ぎ、(自分に)酔っ払って「うな丼」を食べれなくなってしまった。
その瞬間を逃さなかったのはさすが我息子である。
そのおじさんの「うな丼」をちゃっかり頂けることになった。
今まで、「うんうん」と聞き役に回っていたのがよかったのか。
淳はいろいろな人に話しかけられ、明日の剣岳はちょっと怖いが頑張れ!と励まされ
最後には大握手攻めにあってしまった。
こども連れだと、他の人からは大変印象に残りやすいようで
「あそこで会いましたね」と言われても全く記憶に無いことがおおい。(決してボケてはいない)
そういう面では、なかなか子供連れで登るというのも悪くない感じである。
剣沢小屋 豪華!感動の剣沢山荘の夕食
 ところで夜のTVの天気予報によると、台風が徐々に本土へ接近しているとの情報。
高い山では天候の変化は早い。
朝食を弁当にしてもらい5時出発とし、明日のうちに下山することを決めた。
20時くらいから雨がパラパラと降り出し、寝ている間も降り続いていた・・・
台風に刺激されて前線が活動しだしたか・・・不安な登頂前夜ではあったが少々の雨でも登る、と決めていた。

8月27日(金)
剣沢小屋一剣山荘→剣岳→剣山荘→剣沢小屋→剣御前小屋→室堂→富山→福井
三田平からの朝焼け
朝4時半に目が覚めた。
すぐに外の様子を見る。雨は降っていない・・・ホッとした。
黒く影になって見える剣岳の稜線にポツリポツリヘッドライトの明かりが見える。
もう早くも取り付いている人がいる。
これは出遅れてはいかん!横で寝ている淳をたたき起こして準備にかかる。
荷物は最低限にする。
ザックは2人でひとつ、交互に担ぐ。
中身は、昨夜作ってもらった弁当2つ、カッパ、水1.8g、カメラ、行動食を詰め込んだ。
小屋の主 佐伯友邦さんに見送られて5時剣沢小屋を歩き出した。
帰りのバスの時間、天候のことを考え、行きかえり目標5時間に設定した。
剣山荘までの平坦な道だが何故か気がせいて早足になる。
剣山荘5時20分到着。ほとんど休まずその上 一服剣(2618m)を目指す。
一服剣 5時37分到着 まあまあのペースでやってきた。
 一服剣から見た剣山荘と剣御前 一服剣から見た前剣(2813m)
見上げる前剣(2813m)の岩峰は高く威圧感がある。
休憩もそこそこに前剣を目指すが、鎖場が出てきたりしてなかなか休むところも無い。
淳もこんな難所は初めてであるが、結構楽しみながら登っているようだ。
しかし、核心部はこれから先である。
前剣への登り やっとたどり着いた前剣 やっと本峰が近くなってきた
前剣 6時20分到着。剣沢小屋を出発して1時間20分である。
何十人もの登山者を追い抜いてやっと一息つける場所についた。
前剣の上にはおよそ30人あまりの登山者が朝食をとっている。
我々もそれにならって弁当を広げた。
しかし、これだけ全部の人間が一気にカニの縦バイを登ろうとすると
ちょっと渋滞がでるのでは?とも思い先行するべきか?・・・とも考えたが、腹が減っては戦はできない・・・
剣沢小屋で作ってもらった弁当 前剣上 みんな朝食中
登りの難所 カニの縦バイ
20分の朝食休憩後6時40分に歩き出す。
ここの下りは右の平蔵谷側がスパッと切れ落ちていて実に高度感がある。
富山地鉄立山線の中にあった吊り広告のポスター
「大きな感動も危険な登山もあなた次第です 立山剣岳方面遭難対策協議会」
の言葉が脳裏をよぎる。
「門」と呼ばれるコルの部分は工事現場で使われるような一本橋がかけられ、その先はまた鎖場である。
このあたりは息もつかせぬ、鎖場と急斜面の連続でやっと平蔵のコルに到着。
ここからが有名な登り通称「カニの縦バイ」である。
高さ17mの垂直な壁に何人も取り付いているのが見える。
老若男女(圧倒的に老の方が多いようだが)10人以上が鎖をつかみ苦闘している・・・
取り付きで約10分間の時間待ち。
通称「門」を通り過ぎたところ 後ろに橋が見える 「門」を通り過ぎた鎖場
正面小さく点々と人が取り付いているのが「カニの縦バイ」左にあるのは廃墟となった平蔵小屋 「カニの縦バイ」直下から上を見上げる
この時間待ちの時、我々の前にいたのが某女子大ワンゲル部のOG。
最近の登山は中高年ばかりと思っていたので、ひじょうに珍しい存在だった。
剣で出会った若い女性は唯一この4人組OGチームだった。
さて、この縦バイでは先行していた女子大OGチームが先に通してくれたのでスムーズに登れた。
まずは私が登って淳に見本を見せる。
ステンレス製の鎖をつかみ一歩ずつ確実に高度を稼いでいくが、登りはそう難しくない。
ほどなくして登り切り、しばらく歩くと、早月尾根との分岐に到着。
ここから剣岳頂上はもう少しだ。
7時50分やっとの思いで剣岳(2998m)頂上に立った。
剣岳山頂 富山湾方向
昨日まで歩いてきた別山・大汝・雄山方向 頂上は30人くらいの人でにぎわっていた
数日前に新設された三角点 下る途中から山頂を振り返る
下りも難所続き!?
頂上には30人くらいの人がいただろうか?
どう見ても若い人は少ない。ここ剣でも最近の登山界の状況を色濃く反映しているようだ。
ところで剣岳には今まで三角点がなかった。
ほんの数日前にその三角点が設置され、今回はそれを見ることができた。
(祠から5mほど八ツ峰寄りのところにあった)
かつて剣の頂上は3003mと言われたときもあり、今回の三角点設置により
正確な測量がなされていくことであろう・・・
頂上に長居は無用である。わずかな休憩後8時5分下山にかかった。
しかしこの下山が曲者で、登ってくる人とのすれ違いの難しいところがあり、意外と時間がかかる。
そして下りの最大の難所「カニの横バイ」へやってきた。
ここは淳が先行したが、足元がよく見えないうえ下を見下ろすと遥か下まで垂直の壁・・・
またしても「大きな感動も危険な登山もあなた次第です 立山剣岳方面遭難対策協議会」の言葉が脳裏をよぎる。
淳は降りだしたものの2mほど行ったところでしばらく悩んでいたが、
時間をかけ何とか足場を見つけて下りることができた。

頂上直下の尾根の下り。もう少し先が早月尾根との分岐点。 カニの横バイを下る まるで垂直の下り
鎖場は何箇所も出てくる。 こちらはステンレス製垂直梯子
大変なのは「カニの横バイ」だけではなかった。
他にも多数鎖場あり、垂直梯子あり・・・難所はたくさん待ち受けていたのである。
しかし、登りと下りは違うルートをとっている為、すれ違いで時間をとられることが無いのは幸いである。
途中廃墟となった平蔵小屋を通る。
カニの横ばいを過ぎると出てくる平蔵小屋跡 ほとんど垂直の鎖場を下る淳
「オッサンズ」出現!
ここまで来ると少し道は楽になってくるが、前剣を越えるまでは気を抜けない。
前剣の手前で件の「オッサンズ」に出会った。
向こうからも「あっあの親子だ!」と声がかかる。
オッサンズは登り時間を短縮するため剣山荘に泊まっていたが、
我々の下りで、しかも前剣で出会うとはちょっとスタートが遅かったのではないか?
恐らく前夜飲みすぎたのではなかろうか???
しかし、1日顔を見ないだけで久しぶりの気がする。
休憩するスペースもほとんどないのですれ違うとき、互いに激励してそれぞれの方向へむかった。
前剣9時到着。ちょっと一息入れる。
この前剣から一服剣の間に猛毒で有名なトリカブトがあるらしい・・・
気をつけてみていたらどうもこの青い花がそのようである。
(デジカメのマクロが使えないのであまりアップを撮れない 残念)
トリカブトの花
剣山荘9時53分着。
ここでこの時間だと剣沢小屋での目標にしていた往復5時間突破は難しい。
でも少し休まないと体がつらい。
結局剣沢小屋到着は10時24分・・・目標時間を24分上回ってしまった。
しかし、この時間であれば室堂までは楽に帰ることができる。
目標の往復5時間は次回以降の課題としよう・・・
朝早かったせいもあり小腹がすいてきた。剣沢小屋でラーメンを作ってもらったが、これが大変美味!!
ネギと焼き豚がたっぷり入って、そこらへんのラーメン屋よりは数段いい味であった。
剣沢小屋の周辺はお花がいっぱいだった。 剣沢小屋のラーメン 800円だがここで食べるこのラーメンの味は1000円超えてもおかしくない。
あまりゆっくりもしておれないので11時10分 剣沢の小屋を出ることにした。
ここからは剣御前小屋へのゆっくりとした登り返しであるが、なにしろ剣岳を往復したあとでもあり、つらい。
休み休みしながら12時やっと剣御前小屋に到着した。
ここまで来ると剣沢とは違って人も多くにぎやかである。
どこかのツアーであろうか、20人ほどの中高年の団体さんがドカッとやってきた。
ツアーリーダーの人が大声でどなって、ここで昼食だとか、小屋の生BEERは売り切れ寸前だとか言っている。
山でたくさんの人を連れて歩くのはなかなか大変なことであろう・・・
剣御前の小屋前では即席の焼きうどん屋の屋台ができ、飲み物とセットで100円引きで販売していた。
剣御前小屋のにわか焼きうどん屋台 雷鳥沢から剣御前小屋へ多くの人が登ってくる
ぞくぞくと人がやってくる剣御前小屋を12時15分出発。
ごろごろと石の転がっている雷鳥沢を下る。
途中、トレッキングシューズの靴底がはがれた人がいたのでビニールテープで補修してあげた。
つま先のところから、パカッと口を開けた靴でよくここまで来たものだ。
雷鳥沢キャンプ場13時10分着。
たくさんのテントが張られていて暑い夏もここで過ごすと快適だろう・・・・
と思うが、地獄谷からのあのおならのような独特の硫黄のにおいがやや気にかかる。
さあ、ここからはまた、室堂まで階段の登りである。
さすがに雷鳥沢周辺は登山者よりはどう見ても観光客が多い。
それとともに暑さを感じるようになってきた。
14時 日本一高所の温泉 みくりが池温泉に着いた。
入浴料600円 淳と二人3日間のアカを洗い流す。
室堂からは15時発の美女平行きバスにちょうど乗ることができ、
ふもとの富山地鉄立山駅には16時10分に到着。
福井自宅へは21時に無事帰りついた。
みくりが池温泉にて
旅の精算
今回は息子 淳と2人山小屋泊まりで行ったためやはりお金がかかった。
一人であればその半額で済むが、淳と2人で行ったがゆえにいろいろな人との出会いもでき
2泊3日の山は相当楽しいものだった。
淳にとっても苦労してひとつずつピークを超えていく克服感、いろいろな人との出会いや、夜の語らいなど
日頃なかなか経験することのない凝縮された3日間だったと思う。
お金はそれなりにかかってはいるが、お金には変えられない何か?を得られたのではないだろうか?
なかなか子供と一緒にまとまった休みをとる機会はそう多くはないが
いつかまた、どこかへ行って見たいものである。
早くも室堂周辺は秋の気配

お世話になった山荘の方々、山で出会った多くの人達、職場の同僚や上司、家族に感謝・・・

Homeへ戻る