平成18年1月14日(土)より3月12日(日)まで消防博物館(東京都新宿区四谷3-10)6階企画展示室にて所蔵品公開展示「防火の知恵の歴史展」が行われています。
江戸時代から明治、大正、昭和、現代にいたる防火の知恵を同館が所蔵する資料をもとに紹介されています。
江戸時代の消防より
手桶(左)と釣瓶(右)です。
手桶は溜桶に数個重ねて置き非常時に水をかける役割をしていました。
釣瓶は縄や竿の先につけて井戸水をくみ上げていました。
江戸時代の消防より
火除心得之図
火災などの災害を防ぐ心得を火災の絵とともに記されています。
テレビや新聞などがなかった時代にとっては重要な役割を持っていたものと思われます。
まとい組立図
江戸消防のシンボルである「まとい」ですが明治以降もそのシンボルとしての役割は続き子供の玩具としてその組立図は防火教育の普及に貢献しました。
写真は明治30年に印刷されたものです。
掛け軸の数々です
左から「火の用心掛軸」「十二支画火の用心」「火用心掛軸」「火の用心貼札掛軸」「火の用心掛軸(七福神)」
江戸時代の消防より
鎮火用心集
「平正心懸置くべき事」を記したものです。
江戸時代に出版された火の用心に関する啓蒙書です。
3年に1度大火が起きた江戸では幕府の火に関する取締りが厳しく町人も自ら火の元に注意を払っていた。
その内容は現代にも通じる危機管理の原則であるように思えます。
昭和初期の消火器です。
「ピストル型」や「投擲用消火弾」などの特徴的なものが多いです。
時代の流れとともに火災が変わった歴史の貴重な史料です。
戦時下に使われた「隣組ポンプ」です。
空襲による火災から守るために一般家庭で使われた防護用ポンプです。
3人1組で放水が可能な構造になっています。
火の用心チラシ
明治、大正、昭和のチラシの数々です。
表記の仕方や文字のフォントを見ると歴史を感じます。
江戸時代の消防より
江戸城内に火災を知らせた「板木」です。
江戸時代、町内に火事を知らせる手段は半鐘でしたが城内での火災と区別するために城内では板木が使われていました。
半鐘です
江戸時代より火災を知らせる役割を担ったものです。
写真は明治時代に消防署で使用されていたものです。
博物館スタッフの案内による「半鐘」や「板木」を実際に鳴らすイベントもあります。
防火マッチラベルです
現代の防火用品の数々です。
平成16年10月から都内では新築・改築の住宅には写真のような住宅用火災報知機の設置が義務付けられました。
1月22日までは合わせて1階 入り口付近で「防災とボランティア週間ミニ展示」が行われていました。
東京消防庁災害時支援ボランティアに関する活動や制度、募集に関する展示が行われていました。

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