使用原料の説明
塩化カルシウム

活性炭やシリカゲルのように、粒子間に物質(分子やイオン)が結合して入り込む吸着作用と異なり、塩化カルシウムは化学的変化による吸湿です。塩化カルシウムの蒸気圧は大気に比べ低いため、蒸気圧の差により
雰囲気水蒸気圧と平衡するまで吸湿を続けます。塩化カルシウムが6水塩化カルシウムになる化学式は下記となります。
CaCl2+ 6H2o →  CaCl2・6H2o
吸湿後は潮解(液化)しますが、吸液剤により固化(ゲル化)させることが可能です。
塩化カルシウムの乾燥剤以外の使途としては道路の凍結防止、粉塵防止の他、豆腐のにがりの代用にするなど食品添加物にも指定される安全性の高い物質です。

吸液剤(ゲル化)

産業用除湿剤Mシリーズは、吸湿により約2倍に重量が増加する以外に、適度に固化(ゲル化)することにより吸湿状態を告知する機能があります。
このメカニズムは、2種類の吸液剤の働きにあります。塩化カルシウムは、空気中の水分を吸湿すると潮解(液化)して塩化カルシウム水となりますが、この液体を無機系天然鉱物と有機系高分子剤の吸液剤が、包材の中で固めることにあります。吸液剤はいずれも天然系および自然界に存在する環境に配慮した素材です。
また、無機系天然鉱物は内部に無数の気孔(穴)を持つ多孔質構造をしており、それぞれの気孔の表面積は極めて大きいため、大量の液体の保持また吸湿効率の向上を可能としました。吸湿後の手触りはゼリー状ではなく、砂浜が水を含んだサクサク感といった安定感ある状態に変化します。

適用例

弊社では、塩化カルシウムの商品以外にもA型シリカゲル、B型シリカゲル、生石灰(酸化カルシウム)を使用した除湿・防錆対策品がございます。薬剤によりそれぞれ異なる吸湿特性を持つことより、保護対象、目的、適用範囲、使用条件によっては、商品が適用する場合と不適用の場合がございます。下記の適用例については、細かい使用条件などを考慮に入れず、Mシリーズを一般的にお薦めするケースとして掲載します。

■コンテナ全体を対象とするなど、特に広いスペースでの除湿・防錆・結露対策の必要な場合
■湿度変化に弱い機械・精密機器および部品の梱包
■水分含有率(湿っぽい)の高い商品の、品質保持を目的とする梱包 
  (天然および天然加工品等)
■湿気を含みやすい材料を多く含む梱包 
  (吸放湿材料として布類,紙、ダンボール等)
■自動車完成品など、閉鎖するスペースが広く水分保有を促すシートなどの材質を多く含むもの
■日中の気温変化が激しい外洋航路などでの輸送時の結露対策 
  (温暖湿潤地→寒冷地および北半球→南半球等)

この他、より一般的な事由として

● 温度上昇等を理由に、内部より水分放出が考えられる場合
● 従来の除湿・防錆・防カビ対策で効果がなかった場合 
● 従来の防湿対策につきコストを見直したい場合
● 吸湿性能の向上が望まれるが、乾燥剤の設置スペースが限られる場合
● 比較的、長期間にわたり保存の必要性(可能性)がある場合 
● 空調のない倉庫における保管  

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