第77夜 ひとりぼっちの影の軍団「斬〜陽炎の時代」
このゲームのタイトルを記憶している人そのものが、
もう少なくなっていると思うのですが…
僕がこのゲームをやったのは、X68000というパソコン。
当時のパソコンゲーム界では、まさに憧れのマシンだったのです。
「グラディウス」完全移植だけで、みんな、この高価なゲームマシン魅せられていた時代。
僕が大学の入学祝いに、親に頼み込んでこのパソコンを買ってもらい、
そのときに一緒に買ったのが、この「斬〜陽炎の時代」(「ざん〜かげろうのとき」)だったのです。
このソフト、当時絶好調だったウルフチーム
(代表作は、「ファイナルゾーン」や「夢幻戦士ヴァリス」「アークス」など)
が作ったリアルタイム戦国シミュレーションなのですが、
発売当時はけっこうヒットしていた記憶があります。
そのころのウルフチームのゲームは、とにかくグラフィックとサウンドに凝りまくっていたのですが、
とくにこのX68000版の「斬」は、ものすごかったです。
「これは、映画のオープニングじゃない?」と思うくらい。
パソコンショップで見るゲームのデモ画面が
重要なプロモーションだった時代ですから、
これほどスゴイものを作ったのかもしれませんが。
実際のゲームは、各戦国武将になって、自分の軍を「軍団」という単位で編成し
(場合によっては、何人かの武将を一組にして)、
城単位で領土を増やしていく(昔の「天下統一」に近いシステム)というもので、
ノーラインヘックス(仕切りのない、シミュレーションボードゲームみたいな感じ)を採用。
このゲームの合戦シーンはとにかく派手で、地形効果があったり、
山の後ろの敵は見えなくなったりするのですが、戦略性はあまりありませんでした。
内政もけっこう適当で、ほっとけばそれなりに国は栄えます。
かなり軍事面にシフトしたつくりだったんですよね。
しかし、このゲームでは、ひとつの「軍団」単位でマップに表示されるのですが、
ゲームが進んでくると、画面上は「軍団」の旗だらけ。
あっ、敵の軍団!と思って臨戦態勢に入ろうとすると
(敵の軍団の情報は、「情報」コマンドで成功しないとわからない)、
敵の武将がひとりだけで兵士も連れずに歩いているだけだったりするわけです。
いくらなんでも、ひとりで歩いてるやつを「軍団」と見まちがえるなんてことは無いだろう!
と突っ込みたくなること多数。
正直、シミュレーションゲームとしては、敵の思考回路なども含めて、
ちょっと荒削りかなあ、と思われたのですが、
クリア後に今までの自分の行動が年表になって表示されたりするシステムも斬新で、
野心的な作品ではありました。
ほんとうに、当時のウルフチームのゲームは凄かった!(オープニングは…)