第178夜 僕のマイコンが「ドリムノート」だった頃『ウイングマン』


参考リンク:『ウイングマン』(FM7版の画面写真)

 1984年に発売された、この『ウイングマン』。今この画面を見てみると、なんだか粗いグラフィックだなあ、と思われる方が多いのかもしれませんが、当時のパソコンゲームとしては、「なんて綺麗なグラフィックなんだ!」とみんなが感動していたものです。当時のエニックスは「週刊少年ジャンプ」と組んで人気マンガをゲーム化しており、『北斗の拳』もアドベンチャーゲームとして発売されていました。そんななかでも、この『ウイングマン』は大人気となり、のちに、続編の『ウイングマン2〜キータクラーの復活』というゲームも作られています。しかし、主人公が「広野健太」だったり、北倉先生が「キータクラー」だったりするのって、今あらためて読み返してみると単なるオヤジギャグにしか思えません……それにしても、美紅ちゃん、あおいさんと「両手に花」の健太、うらやましすぎるな……

 このゲーム、主人公・広野健太が失くしてしまった「ドリムノート」を仲間の美紅ちゃん、あおいさんと一緒に探す、というストーリーなのですけど、最初に動けるのは学校内の8箇所だけとかなり狭い範囲で、ゲームそのものもグラフィックにこだわった代償なのか、ちょっと短めです。かなり理不尽に死んでしまうトラップもけっこうあります。昔のパソコンアドベンチャーゲームって、「キタ 二 ススム」って入れただけで「カミナリ 二 ウタレテ シニマシタ」みたいなのがけっこうあったんですよね本当に。

 そして、この『ウイングマン』は現在主流の「コマンド選択式」ではなく、「コマンド入力式」のアドベンチャーゲームであるため、「ことば探し」が非常に辛いのです。同じところをグルグルまわりつづけて、いろいろ考えてコマンドを入れても「そのコトバはつかえません」とか「いみがわかりません」の繰り返し。しかも、今みたいに「わからないところはネットの攻略サイトを見る」というわけにはいかないので、パソコン雑誌の「質問コーナー」に、自分が詰まっているところが載っているのをひたすら待つばかり。

 それでも、この「ウイングマン」は、当時としては圧倒的なグラフィックの美しさと、ウイングマンの世界観を生かしたゲーム内容で、大ヒットを記録したのです。ある意味、「美少女ゲームギリギリのライン」だと言えなくもないのですけど。けっこうHなコマンド(といっても、「ふく ぬがす」とか入れると怒られる、というレベルなんですけど)にも反応してくれる、というのが話題になってもいましたし。ただ、それはそれで、このゲームは購入するのが男子中学生的にはかなり恥ずかしい、という難点もあったのですけど。あおいさんとか、けっこう凄い格好してるものなあ。

 でも、こうして見てみると、今の技術で『ウイングマン』のアドベンチャーゲームとか作ったら、けっこうスゴいものになるんじゃないかなあ、とも思うのですが。
 むしろ、キャラがポリゴン化されていてガッカリさせられてしまう可能性も否定できないのか……


最後に、もう一つ参考リンクとして、かなりゲームを忠実に再現されているサイトを挙げておきます。
参考リンク:パソコンゲーム『ウイングマン』(ネタバレあり)