第71夜 「ワイルドガンマン」の理想と現実


 1984年にファミコンで出た光線銃用の第一弾ソフト。
 どんなゲームかというと、画面の端から敵が歩いてきます。
 そして、「ファイア!」の合図とともに、プレイヤーは腰のホルスターから抜いた光線銃で、
画面上の敵を撃つのです。

 相手がこっちを撃ってくるよりも、こっちが敵を撃つのが早ければ勝ち。
 要するに、西部のガンマンの決闘を再現した(?)ゲーム。
 ちなみに、酒場の窓や扉から顔を出す敵を撃つ、モグラ叩きふうのモードもありました。

 例のごとく、楽しそうにテレビの前で早撃ちを披露するCMに乗せられて、
 このゲーム(ソフト、光線銃、ホルスターの3点セット)を買ってしまったのですが、
 実際にやってみると、うーん、なんというか、という感じでした。
 まず、なんといってもルールが単純すぎてすぐ飽きる。

 もちろん、「ファイア!」のタイミングや敵の早撃ちの速度にはバリエーションがあったのですが、
やることはずっと一緒。

 それに、残念ながら当時の(たぶん現在でも)日本の住宅事情では、テレビから離れて、
早撃ちガンマン気分、なんてのはどだい無理な話。テレビも小さいし。

 実際、毎回ホルスターを腰に巻いて銃をしまって…というような正式な遊び方をしていた人は、
何人いたことか…

 僕も例に漏れず、床に置いてあったテレビに映る敵のガンマンに対して、
最初から画面に光線銃の銃口を密着させて、「ファイア!」の合図とともに虐殺していました。

 目指せ0.00秒!って感じで。なんて不公平な決闘…

 まあ、相手のズボンがずり落ちて、「まいった!」って言うくらいなんですけどね。

 こういうのは、なりきってやったほうが面白いんだろうけれど、
小さなテレビに狭い部屋じゃ、無理だよね、やっぱり。

 ちなみに、この光線銃、アメリカではけっこう売れたらしいです。

 ところで、どうして光線銃って撃った場所を認識できるのかなあ、いまだに謎だ…