第191夜 オールドゲーマーの底力を見せてやる!『ぼくらのテレビゲーム検定 ピコッと!うでだめし』


参考リンク:『ぼくらのテレビゲーム検定 ピコッと!うでだめし』公式サイト


 『有野の挑戦状』で味をしめた(?)バンダイナムコから発売された、この「ミッション達成型ショートゲーム集」(あるいは、ちょっと冗長なメイドインワリオ)なのですが、昔からナムコのアーケードゲームに親しんできた僕としては、けっこう楽しくプレイすることができました。

 『ギャラガ』『マッピー』『ファミスタ』『ディグダグ』『バトルシティ』などの並み居る名作ゲームの「おいしいところ」をつまみ食いできるというシステムもなかなか魅力的。

 このゲーム、6つのミニゲームから構成されている『ゲームパック』(ひとつのクラスには、6つの『ゲームパック』があるので、ひとつのクラスごとに合計36個のミニゲームがあります。『ゲームパック』ごとに、ある一定以上の条件をクリアすると『検定ポイント』がもらえ、それを積み重ねていくと、次の段位に上がるための『昇級試験』が受けられるようになります。

 これを繰り返して、どんどん段位を上げていき、最終的には「名人」を目指すのです。

 ひとつひとつのミニゲームにかかる時間が短いこともあり、けっこうサクサクと進んでいくため短時間でも遊べますし、僕にとっては懐かしいゲームが多かったのでかなり楽しめました。いや、昔のゲームって、ときどきむしょうに遊びなおしたくなるんですけど、実際に押入れの奥から引っ張り出してきてもすぐに飽きちゃったりしがちなので、このゲームの「短さ」は、「往年のナムコゲームの懐かしさを感じられ、昔の技術を自分が覚えていることに酔える」、ちょうどいい長さなんですよね。

 でも、このミニゲーム、昔のナムコゲームを全く未体験の人には、ちょっと難しいかもしれません。1ゲームが短いだけに、なかなか上達しませんし、そのゲームごとの「お約束」をいちいち覚えるのは、けっこうめんどくさいのではないかなあ。『ファミリーサーキット』では、他の車に「当たり判定」が無いのは「お約束」なのですが、やったことがない人がマニュアルも読まずにプレイすると、そりゃあ避けようとしてクラッシュしますよね……

 僕がとくに苦労したのは、あまり遊んだことがない『妖怪道中記』『スプラッターハウス』『ワギャンランド』もちょっと厳しかったなあ。収録されているゲームのなかで、遊んだことがないものが多いほど、このゲームをクリアするのには苦労するはずです。なかには、「クリア条件が厳しすぎる」ミニゲームもあって、『バトルシティ』は、カートリッジのコネクターが壊れるくらい昔遊んでいたにもかかわらず、司令部やられまくったし。そもそも、ゲームバランスが今ひとつというか、あんまり段位の高さとミニゲームの難易度がリンクしていないようにも思われます。段位が上がっても「同じことの繰り返し」ですしね。まあ、そういう理不尽さに対してDSを投げつけたい衝動に駆られながらも、ついついリプレイしてしまうのがまた懐かしかったりもするんですが。

 そうそう、このゲームには、かなり無理のあるアドベンチャーゲームやクイズなども収録されています。一度クリアすれば、あとは同じことの繰り返しなので、「面白くない」のですけど、プレイしていると、こういう「確実にポイントが稼げるゲーム」は、けっこう有り難く感じられたりもするんですよね。

 たぶん、収録されているゲームを全くやったことがない人にとっては、「ミニゲーム集にしては、ルールが多彩すぎ、難易度が高すぎてついていけない」のではないかと思いますのでご注意ください。

 僕のようなオールドゲーマーには、「昔とったきねづか」を確認できる佳作でした。