第136夜 こんな げーむに まじに なっちゃって… 「たけしの挑戦状」


参考リンク「悠久のたけしの挑戦状攻略」


 1986年に、タイトーから発売された、この「たけしの挑戦状」、今となっては、「伝説のクソゲー」としてゲーム史に燦然と(?)その名を残しているのですが、発売当時は、「ゲームの評価を(ある程度)客観的に点数化するクロスレビュー」なんて載っている雑誌はなく、メーカーの「御用雑誌」である徳間書店の「○ァミマガ」があったくらいでしたから、みんな「あのたけしが作ったゲームが出る!」というだけで大騒ぎで、このゲーム自体もものすごく売れたのです。あの頃は、「有名人が作ったゲーム」というだけで珍しい時代でしたし、それも「たけしが自ら作ったゲーム」ですからねえ…

 なんでも、80万本(!)くらい売れたそうですよ、このゲーム。タイトーの当時を知る人によると、【「ドラゴンクエスト1」より、ちょっと売れなかったくらい】なのだとか。

 僕にとっても「思い出したくないゲーム」である、この「たけしの挑戦状」なのですが、「スナックあせみち」でマイクで延々と歌わされたり(でも、何を基準に判断しているのかよくわからない…)、何もせずに1時間も待たなければならなかったり(もちろんこの話は、攻略本を読んで知りました。だって、どのくらい待てばいいのかわからないのに、1時間も待てないって普通。しかも、ちょっとでもボタンに触れたら、また1時間待ちです)、激烈に難しいハングライダーに悶絶したり(というか、難しい上につまらないんですよこれが)と、本当にロクな思い出がありません。僕は実際にはたどり着けなかったのですが、エンディングもショボイらしいですし。

 でも、当時はまだゲームの種類そのものも少なかったから、友達から攻略本と一緒に借りたこのゲームをなんとかクリアしようと、がんばってはいたんですけどね…今なら絶対、10分くらいしか遊ばないと思います。

 なんでも、このゲームは「打ち合わせでたけしさんが言ったことを、そのままゲームにしてしまった」そうなのですが、いくらなんでも、そんな与太話をゲーム化して、しかも商品化してしまうなんて…それでも面白ければ文句はないのですが、テストプレイしたのかタイトーの人々は!

 ちなみに、このゲームの攻略本を出版した会社には、ピーク時には1日200本もの「攻略本を読んだけれど解けない」という電話がかかってきて、「担当者は死んだことに」されていたそうです。ネットによる情報のなかった時代ですから、なおさらこのゲームを解くのは、至難のワザだったんですよね…
 このゲームの「難しさ」は、本当に異質だったからなあ。

 それにしても、このゲームはたぶん、「日本でいちばん売れたクソゲー」だと思います。まあ、今となっては、ゲーマー同士の「ネタ」として立派に役に立っていますから、これはこれで「時代の申し子」だったのか……