大学の卒業名簿
大学の卒業名簿が、今年も送られてきた。
ページをパラパラとめくりながら、同級生の近況を確かめてみる。狭い業界だから、当然知っているやつもいれば、名前をみて「そうそう、こんな人もいたなあ」と思うこともある。
だいたい、医者になるのは早くても24歳だから、もう最低でも30になる同級生たちも、結婚して子供がいて…という人もいれば、まだまだ人生を謳歌してそうな人もいる。
女性は姓のが変わっているのが、だいたい半分弱くらいか。学生時代に人気があった人が、意外と独身だったりもするが、大方において、結婚しそうな人はし尽くしているような気がする。
あと半分は、男性に縁がないというより、結婚より仕事をとりそうなタイプだ。
海外在住者もいれば、科を変わった者もいる。
僕は、基本的にこの手のしがらみは苦手だから、あまり積極的に名簿用の住所を記載することもないし、同窓会なんてのは、パスすることが多い。
「懐かしいなあ!」なんて、あんまり思ってもいないのに、昔語りをする雰囲気は、なんだかとても気恥ずかしくて。
もっと上の学年になると、開業されている先輩もいるし、大学で上のポジションにいる人もいる。
僕より下は、まだまだ勉強という感じ。
そろそろ、今後の人生設計なんか、考えないといけないなあ。
大学に戻るのか、開業を志向するのか、勤務医としても、バリバリの病院が、第一線ではないけれど、自分の時間がもてる病院か。
30歳、卒後6,7年というのは、ちょうどそういう時期なのだろう。
中には「物故」という記載を見つけて、考えをめぐらしたりする。いったいどうして…
少なくとも、普通に病気で亡くなるには、若すぎる年齢。
「みんな私を残して逝ってしまって…」なんて言えるのも、生きている人間の特権でしかないのかもしれないが。
でも、正直、同級生が偉そうな研究所に入っていたり、留学していたりすると、ちょっと悔しいというか、負けてるような気になってしまう。結婚しているのをみると、社会人として劣っているのかなあ、と思ってみたりする。
結局、面倒なのは厭だといいつつ、いちばんこだわっているのは僕なのかもしれない。