それは、弟が買って(もらって)きた一本のカセットから始まった。
前作(?)マリオブラザースはファミコン初期の名作中の名作で、デパートのおもちゃ売り場で順番待ちをして遊んだものだったが、当時、あまりに粗製濫造された「スーパー…」「…2」に対する数々の失望から、正直、このカセットにもあまり期待はしていなかった。 ゲームメディアも発達してなかったので、勘で面白いゲームを引き当てるという楽しみはあったけれど。むしろ、2人同時プレイはできんのか…とか思ってたような気がする。
ところが、「チャラッチャッチャラッチャッ」というお気楽というか能天気なテーマにのってはじまったゲームは、いい意味で期待を裏切りまくってくれた。まさかこれに入れたりして…なんて土管の上で十字キーを下に入れると、なんとマリオが土管に吸い込まれ、隠れステージに! これだけ、「背景」に意味をもたせたのは、このゲームがはじめてじゃないだろうか。 「ゼビウス」という、ストーリー的に背景に意味をもっていたゲームもあったけど。
こいつは「無限増殖」や「256ステージ」等、「裏技」ブームの立役者でもあった。しかし、あの「必勝本」に載った「カセット半ずらし」による新ステージ出現という裏技 (といっていいのかどうか…)のために、何台のファミコンがぶっこわれたことか…
このゲームの肝は、なんといってもジャンプの絶妙な間で、スーパーマリオをかなり参考にしたと思われる(というか、パクリにしか見えなかった)アトランチスの謎(当時のサン電子は、恐怖の大王のようだった)では、後発のくせに妙に軽いジャンプと空気抵抗がないかのような着地で、かえって、スーパーマリオのすごさを感じたものだ。
そういえば、ピーチ姫が歌う、スーパーマリオの歌「きょ、う、も、げんきに、マリオが、はしるはしる〜」(メインBGMの節で)なんてのもありましたねえ。
その後、スーパーマリオ2、3、USA等、続編もたくさん出たし、マリオコレクションとしてリメイクもされたけど、結局、「コレクション」で遊ぶのって、本家「スーパーマリオブラザース」だけだったりしませんか?