第65夜 こっちの水は意外と甘かった…「シャイニング・フォース」


 当時メガドライブで苦戦していたセガが、
任天堂陣営に対して満を持して投入したシミュレーションRPG。
 というか、要するに「ファイヤーエムブレム」の類似品なのですが。

 ストーリーとしては、主人公である勇者が、
仲間とともに戦いを繰り返しながら成長して強くなっていき、
さらに新しい仲間を増やして悪の帝国を粉砕するというもの。
 まさに「定番」。

 このゲーム、内容的には「ファイヤーエムブレム」そっくりで、
それぞれのキャラの個性を打ちだしたシミュレーションRPGで、
各章ごとにアドベンチャーモードとバトルモードがあり、
前者では仲間を集め、後者では戦略的要素が必要とされる
ヘックス型のシミュレーションになります。
 このゲーム、グラフィックもリアルアニメ調の「ファイヤーエムブレム」に比べて、
SFマンガ調で、キャラの動きもよく練られていました。
機械系のキャラは、ちゃんとギシギシ動くし。
なかなかの優良ゲームとして、セガフリークたちには好評を博していたのです。

 しかし、この「シャイニング・フォース」の最大の特徴は、
なんといっても
「ヌルイ!」
 つまり、プレイヤーに優しいというか、ラクなゲームだったのです。
 ゲームバランス的にも、1マス動かし間違えたら即死というような
「ファイヤーエムブレム」程の難しさはなく、
なんといっても「一度死んだキャラも、次のステージには、
すぐ復活する」
という優しさ。
 「ファイアーエムブレム」で、勝利目前のステージで、
キャラがひとり死んでしまったばっかりに(こちらは復活不能…)、
泣きながらリセットボタンを押した経験がある人間にとっては、
信じがたい易しいゲームに見えたのでした。
 
 逆に、その「優しさ」であり「易しさ」が、このゲームを
「面白いけど、あんまり記憶に残らないゲーム」にしてしまったのかもしれません。
 「名作」として続編も作られたし、いいゲームだったんですけどねえ。

 優等生すぎると記憶に残らない、というのは、ゲームでも同じなのかなあ。