SARS(重症急性呼吸器症候群)と人間との闘いは、まだ始まったばかり…
読売新聞の記事より。
【香港政府は16日、新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)の死者が前日比5人増の61人、感染者が前日比36人増の1268人に達した、と発表した。
1日あたりの死者数は、今月13日以降は5人以上の状態が続いている。
一方、香港大の研究チームは16日、これまでに321人の住民の集団感染が出ている九竜地区のマンション街「アモイ・ガーデン」(19棟)の患者の中に従来の治療法で効果が見られないケースが出ていると指摘して、「ウイルスが変異している可能性がある」とする見方を示した。】
〜〜〜〜〜〜〜
今、世界中を恐れさせているSARS、東アジア、東南アジアを中心に、さらに拡大の兆しを見せています。原因ウイルスが解明された(新型のコロナウイルスと言われているようです)という報道があったのもつかの間、ウイルスは、さらに変異を続けているようです。
細菌に対して抗生物質での治療を続けていると、その抗生物質が効かない「耐性菌」というのが出現してくるのはよく知られている事実なのですが、インフルエンザに代表されるように、ウイルスというのは、細菌以上のスピードで変異していく疾患ですので、基本的には対応する薬による治療が難しく、人間の耐性とウイルスの影響との力比べとなってしまう場合が多いのです。
ウイルスといえば、インフルエンザウイルスなのですが、1918年に流行したインフルエンザウイルスは、全世界に6億人の罹患者と2000〜4000万人の死者を出したそうです(日本でも約80万人が死亡)。今の日本は衛生状態が当時よりは良いでしょうけれど、現代でも危険な疾患であることは間違いないのです。
近年、インフルエンザウイルスに対しては、ウイルスの増殖を抑える薬(タミフルetc)が発売されたのですが、この薬の開発にも、すごい期間と費用が投じられているわけですし。
今でも、効果のある薬の検索・開発が全力ですすめられているわけなのですが、たぶん、そう簡単に特効薬ができるとは、思えないのです。
大事なのは、やはり予防。
ウイルス感染ですから、予防法は基本的にはインフルエンザと同じ。
手洗い、うがい、マスクの着用。
そして、何といってもいちばん大事なのは、ウイルスとの接触を避ける、ということなんですよね。
だから、みんなが「海外旅行に行かないようにしている」というのは、やはり一番の予防法。
それでも、これだけ国際交流が不可欠な現代社会ですから、日本に入ってくるのも、時間の問題なんじゃないかなあ、とは思うのです。
(ほんとに居ないのかなあ…)
ウイルス、恐るべし。
しかし、医者っていうのは、「接触しないようにする」ってわけにもいかない仕事。
襲来に備えて、今のうちに体力蓄積のためのお休みを!って、ダメだよね…
そうそう、SARSを恐れて、サッカーのポルトガル代表は来日を取りやめるらしいですね。この話を聞いて、ポルトガル人にとっては、「中国も香港も日本も同じような場所」なんだろうなあ、と思ったのは僕だけ?