第143夜 娘の心、親知らず…「プリンセスメーカー2」

 

参考リンク:プリンセスメーカーの世界

 

【魔王の軍を倒した勇者(あなた)は、神様から天界の少女を預かることになります。
 少女は10才。彼女を無事18歳まで育てあげることが使命です。目標はプリンセスにすること。】

 まあ、要するに年端もいかない女の子を育てて、立派な(とは限らないんですが)大人にしていくというのが目的のゲームなのです。前作「プリンセスメーカー」は、いわゆる「育成ゲーム」のはしりとして、かなりの話題になったため、この「2」も、好事家の間では、けっこう期待されていました。その一方で、「ゲームで女の子を育てるなんて、気持ち悪い!」なんていうリアクションも少なくなかったのですけど。

 このゲーム、僕が遊んだきっかけというのは、当時買った青い貝殻iBook(初代)では、遊べるゲームがほとんどなかったので、パソコンショップで見つけたこのゲームの廉価版を買った、というものでした。結局、このiBookで遊んだゲームというのは、あとは「ウイニングポスト3」と「ザ・タワー」くらいだったのですが。でも、実際に遊んでみると、この「プリメ2」は、当直のときにはけっこう重宝したものです。ちょうど、一晩に1エンディングくらいの長さだったし(気合を入れてプリンセスを目指すとすれば、もっと時間もかかったのかもしれません)。

 「1」はエンディングが30種類くらいだったらしいのですが、この「2」は70種類のエンディングがあり、せっかくクリアしても、また娘が同じ職業、なんてことは、ほとんどありませんでした。プレイヤー側としても、同じ職業にならないように微調整してしまう面はあったとしても。

 内容は、娘にいろいろな習い事をさせてスキルを上げたり、バイトをさせてお金を稼がせたり(バイトでスキルを上げることもできます)、武者修行に行かせて戦闘で敵を倒すことによってレベルアップをさせたりしながら、娘の能力と評価を上げてプリンセスを目指すのですが、娘も人間ですから、あまり習い事やバイトをみっちり詰め込みすぎると病気になったり、グレてしまったりもしますし、酷いときには、家出をしてしまうこともあります。そして、一度「積木くずし状態」になってしまうと、往々にして悪循環に陥ってしまって、どうしようもなくなってしまうことも多かったのです。休ませたりバカンスに連れて行ったりすれば、そういうトラブルは回避できるのですが、今度は能力や評価が上がらなかったり、お金がかかったりで、なかなかうまくいきません。

 ほんと、プレイヤー的には「お前のために習い事に行かせているんだぞ!」なんて画面に向かって叫んでみたいこともあるのですが、娘の立場になってみると、そんなスパルタ教育を受けるのはたまりませんよね。というか、お父さんもっと働いて稼いでやれよ、という気もしなくもないです。

 とりあえず、ゲーム的には、とにかくムダなことをせず、娘がグレないギリギリのところを狙っていかないとプリンセスになれないと思われるのですが(ちなみに、僕はプリンセスにしたことないです。できるのかこれ…)、やっているうちに、プリンセスをひたすら目指すより、色気ばっかり上げたらどうなるんだろう?とか、戦闘にものすごく強くなったら、どうなるんだろう?とか、いろんな娘を育てることのほうが楽しくなってきたのです。どんな娘にも、エンディングはあるわけだから。

 しかし、本当にこのゲームをやってみると「親の心子知らず」「子の心親知らず」だなあ、なんて考えてしまうのです。「子育てをゲームにするなんてけしからん!」という声もあったけど、自分がそういう年齢になってみると、「子育てほど辛いけど楽しいゲームはない!」なんて言葉も聞こえてくるんですよね。実際の子育ても、パラメーターが見られれば、もう少しラクになるかもしれないけれど。