第162夜 幻のF1チーム運営シミュレーション!「プロジェクトF」


参考リンク:「プロジェクトF」パッケージ写真(裏面)



 それまでのレースゲームといえば、当然のごとく、プレイヤーは、「車を運転する人」でした。まあ、ゲームによっては、コースによってセッティングをいじったりする必要があったりして、メカニックやチーム監督の要素も併せ持ってはいたのですけど。

 しかしながら、この「プロジェクトF」は、なんと「プレイヤーが車を運転しないF1ゲーム」なのです。いやもう、ゲームですらないのかもしれません。

 このゲームでは、プレイヤーは新興F1チームの監督となって、要するに「車を運転する以外のほとんどすべての仕事」をやることになります。ドライバーを雇ったり(もちろん、最初はお金もチーム力もないので、「それなり」のドライバーしか雇えません)、スポンサーを探し、テスト走行を行いマシンを速くしていったり。レースが始まれば、マシンを操るのはドライバーですから、タイヤ交換やピットインのタイミングなどの指示を的確に出し、あとは好結果を祈るだけです。たぶん、「ダビスタ」などの「育成&レース観戦シミュレーション」をF1でやることはできないか、という発想だったのでしょう。

 正直、このゲームの紹介記事とかを読むと、けっこう面白そうに思えてきませんか?自分の力でF1のチームを運営していくなんて、F1ゲームの新機軸だ!と、僕もそう思って買ってしまったのですよ、このゲームを…

 ところが、実際にこのゲームで遊んでみると、これはまさに「アイディア倒れ」だったことがよくわかります。シミュレーションと銘打っているわりには、セッティングの効果があるのかないのかハッキリしないし、ピットインをしてもしなくても、マシンは同じラップを刻んでくれるのです。

 そして、最大の難点は、とにかくヒマなんですよ、レース中は。↑の参考リンクのパッケージの小さな画面写真では分かりにくいと思うのですが、レース中は、サーキットのレイアウトの上を車を示す青い点がぐるぐると回っているだけ。本当に、それだけなのです。しかも、レースの時間はけっこう長いので、飽きるというか、飽きる以前に置いてけぼりにされているような錯覚に陥ってしまいます。さすがに、そんな青い点が回っているだけで、ときどき「故障だ!」とか言ってくるだけの画面をずっと見つめていることができるほど、僕もヒマじゃないのです。

 ほんと、F1チームを作るというのは、けっこう面白いアイディアだと思うのですが、実際にゲーム化するとなると、なかなか上手くいかないものみたいですね。