第122夜 「忍者ハットリくん」〜ゲーマーも修行でござる、ニンニン…


 最近は実写映画になったり、パチンコ台になったりと相変わらずの人気のハットリ君なのですが、このゲームが出た1986年の印象としては、「藤子先生、またリサイクルですか…」という印象があったことも否定できません。まあ、僕も中学生でしたし、素直にハットリくんで喜べる年頃でもなかったし。
 そして、発売元が「ハドソン」というのは、「ちょっと悪い予感」を増幅するためには、もう最高のキーワードだったのです。当時は、「スクロールするロードランナー」とか「ハドソン!とか言う必要のないバンゲリングベイ」とかに、さんざん泣かされていましたから。
 とはいえ、この「忍者ハットリくん」は、鳴り物入りで登場し、ものすごくヒットしたような記憶があります。もちろん、人気キャラクターゲーム+ハドソンの大宣伝のおかげなのですけど。
 プレイヤーは、「忍者ハットリカンゾウ」を操って、スーパーマリオ風のフィールドでチクワを集めていきます。A,Bボタンで手裏剣とジャンプという、お決まりの操作系。そして、そのチクワを集めた数によって、「グラディウス」風のパワーアップシステムで、スピードが上がったり、空を飛べる「ムササビの術」が使えたり、といったさまざまな術を使えるようになります。
 ステージには水上や迷路ステージなどいろいろなものがあり、そのステージにあった忍術を駆使していかないとなかなか先には進めません。
 このゲーム、発売当初はけっこう評判がよくて「グラフィックが綺麗」(確かに、当時のゲームとしては、キャラクターはかなり似ていました)、動きがスピーディ、など、雑誌ではけっこうべた褒めだったですし。
 ところが、実際にやってみると、これはなかなかの難物でした。
 なんといっても、敵が激烈にカタイし、攻撃も激しい、そして、パワーアップのあまりの種類の多さにミス続出。おまけに、ヘタにスピードアップを取ったりすると、操作不能なくらい動きが速くなってしまって即死します。さすが忍者!
 このスピードを「忍者くん」(UPL)に分けてやってほしいくらい。
 さらに、ボーナスステージでは、チクワと一緒に鉄アレイがばらまかれます。これは、はたして修行なのかイヤガラセなのか?
 とはいえ、当時はみんな宣伝と前評判に乗せられてつい買ってしまい(なんでも、150万本売れたらしいです。凄い時代!)、「な、なんて難しいんだ…」と泣きながらプレイしたものでした。
 こうやって、とんでもないゲームを掴まされること自体、本当の「修行」だったのかもしれません。

 こちらのページでは、懐かしのゲーム画面が見られます。音(これも懐かしいBGM)が鳴りますのでご注意ください。

 それにしても、このゲームでハッキリ記憶にあるのって、正直BGMとボーナスステージのチクワ&鉄アレイ投げくらいなんですよね。あんなに売れたのになあ。