第161夜 キングボンビー登場!「スーパー桃太郎電鉄2」


 「桃鉄」こと「桃太郎電鉄」には、大きく分けて2つの時代があると僕は考えています。
 それは、「キングボンビー前」と「キングボンビー以後」。
 それまでは比較的「正統派ボードゲームの延長線上」にあったはずの「桃鉄」は、
この「キングボンビー」の登場によって、ある意味では「テレビゲーム的」になったのです。
 しかし、「じゃあ、どの『桃鉄』からキングボンビーは出てくるようになったんだっけ?」
と記憶をたどっても、なかなか思い出せず、結局はいろいろ調べた挙句に、
やっと判明しました。1991年発売のシリーズ3作目の「スーパー桃太郎電鉄2」が、
そのルーツだったのです。ちなみにPCエンジン版で、
第1作の「桃太郎電鉄」(ファミコン版)は、1988年の発売でした。
 この「キングボンビー」は、「とにかくヒドイ、ムゴイ、容赦ない!」
という宣伝文句だったのですけど、まあ、遊ぶ側からすれば、
「見てみたい」と思うのが人情ですよね。
 最初にコンピュータープレイヤーがキングボンビーにとりつかれたときには、
「いったい何をやるんだろう…」と興味深々でした。
 そして、紫を基調とした、ケバケバしいグラフィックで登場した「キング」は、
まさに、驚愕の悪行の数々を繰りひろげていったのです。
「サイコロを10個振って、出た目の分だけお金を『捨てて』きてやる」
「カードを全部捨ててきた」「ボンビラス星にご招待
(これは「HAPPY!」以降のシリーズだそうです)など、
とにかく、人がやられている分には、あっというまに身ぐるみはがされて
借金生活に堕ちていく姿に抱腹絶倒!
…なんですけど、自分がハマってみると、やっぱり、
「これはあまりにも極端すぎるのではないか?」という疑問も沸々と湧いてくるのですよね。
それでも、完全な「運勝負」ではなくて、強い人は、キングボンビーが出る世界でもちゃんと強い、
というバランスが保たれているのは、さすがなんですけどね。
 ただ、この「インフレボンビー路線」が次々と広がっていって、
「ギーガボンビー」とか「ハリケーンボンビー」「ブラックボンビー」
などが登場してきているのには、正直ちょっと食傷気味ではあるのです。
しかし、だからといって、今さら「ボンビー」という飛び道具のない「桃鉄」
というのもありえないだろうし…
もし「キングボンビー」がいなかったら、ボードゲームとしての「桃鉄」は、
どんなゲームになっていたのかというのは、それはそれで、非常に興味があるんだけどなあ。

あるいは、このシリーズは、長く続きすぎたのかもしれません。
でも、あんなに「もうマンネリだよなあ」なんて言いながら、
やっぱり遊ぶとなると最新作なんですよねえ。