第70夜 この屋敷、どうして階段ないの?「マッピー」


 
ナムコから発売されたこのゲームは、当時のゲームセンターでは、ものすごく人目を引くゲームでした。正確には「人目」じゃなくて「人耳」だったんですけどね。

 ルールは単純で、ニャームコ一家に盗まれた品物を警官姿のネズミ「マッピー」が、ニャームコの館を縦横無尽に走り回って(というわりには、けっこう移動速度が遅くて辛かったりもしたけれど)取り返して行く、という話。盗まれた品物には、一個100点のラジオから、500点の金庫まで5種類が2個ずつあり、これを全部とりかえすとそのステージはクリアなのですが、同じ品物を点数の低い順からペアで取っていくとボーナスが貰えます。最初の方のステージは余裕なのですが、最後のほうはそれどころじゃなくなってしまうのですが。

 ニャームコ一家は、行き当たりばったりの行動が特徴のニャームコひとりと結構イヤラシイ動きをしてくる小さなミューキーズで構成されています。

 さらに、トランポリンでのどかに遊んでいたりすると、”Hurry!”のサインとともに、コインのような無敵の「御先祖さま」が現れ、難易度は格段にアップ。要するに、時間制限みたいなもの。

 このゲームの特徴は、なんといってもトランポリンを使ったアクションで、フロアとフロアを移動するときには、このトランポリン経由で移動しなければなりません。同じトランポリンで続けて3回跳んだら破れてしまうのですが、慣れるまではけっこう破って死んでました。

 落ちている間は死ぬのがわかっていても何もできないのが、結構虚しくもあり。

 トランポリンで跳んでいる間は、敵に当たってもやられないのですが、「ひっつき」といって、ミューキーズと重なったまま跳んでいるときは非常に辛く、はやく行ってくれ〜とチキンレースをやっているような心境でした。

 あと、このゲームは特徴的なドアアクションがあり、風圧で敵を吹っ飛ばしたり、自分がダッシュすることもできました。パックマンのパワーエサのような「パワードア」なんてのもあったっけ。

 そこで最初の話に戻るのですが、この「マッピー」は、なんといってもカワイイキャラクターの魅力と軽快な音楽にあったのです。当時のゲームセンターでは、「マッピー」と「リブルラブル」は、他のゲームよりボリュームが大きかった記憶があるくらい。

 PSG特有の乾いてスタッカートが効いた音、まさに「マッピー」は、ゲーム音楽の金字塔だったと思います。

 そうそう、ボーナスステージでなかなか上手く斜めに飛べなくて、なかなかパーフェクト取れなかったよなあ。