第184夜 英国紳士は「頭の体操」がお好き?『レイトン教授と不思議な町』
公式サイト:『レイトン教授と不思議な町』(WEB体験版あり)
あの『ドラゴンクエスト8』を制作したレベルファイブが発売した『レイトン教授と不思議な町』、パズルゲームのわりにはやたらと高品質のムービーと哀愁漂うサウンド、そして、レイトン教授が大泉洋、ルーク少年が掘北真希という豪華声優陣。まあ、実際に声を聞いてみると、「別にこの二人じゃなくてもいい」というか、「人気がある人を起用しようとして、けっこう強引なキャスティングをしたんじゃないかな」という気もしたのですけど。
長時間ゲームをやるだけの気力がなく、ちょっとした時間に遊べる「気分転換ゲーム」を求めていた僕にとっては、このゲーム、まさにクリーンヒットでした。オープニングから最初のパズルが始まるまではやや冗長で、「このオープニング要らないんじゃない?」と言いたくなったのですけど、一度「ナゾ」こと「『頭の体操』的パズル」を解き始めると、かなりハマってしまいました。この「ナゾ」というのが非常によくできているんですよね。
一部の問題は、「問題そのものの意味」が理解しがたくて難渋したりもするのですが、ほとんどの問題が「解けたらいい気分になれる」し、「わけがわからなくてもヒントコインを3枚使えばなんとかなる」(ヒントコインも足らなくなることはまずありません)し、本当にサッパリ分からないような問題でも、総当りで数字を入れていけばなんとかなるのです。まあ、そういう「解き方」はパズルファンにとっては邪道ではあるのでしょうけど。
そして、1問1問にそんなに手間取ることがないので、つい「あと1問解いてから寝よう」という気分になってしまって、いつのまにか時間が経っていきます。一部では「簡単すぎて、すぐにクリアできる」なんて批判もあるみたいですが、10時間でクリアできて、満足感が得られるゲームというのは僕にとっては貴重です。
それにしても、本を買えば1000円もかからないような「パズルゲーム」をニンテンドーDSで遊ぶことにどのくらいの意義があるのか実際にやってみるまで僕にもよくわからなかったのですが、実際にやってみると、タッチペンでパズルを解く楽しみというのは、なかなか素晴らしいものでした。「マッチ棒パズル」とか「箱入り娘」なんていうのは、やっぱり、自分で動かしているという感触がとても大事なのです。煙草を吸わない僕にとっては、マッチ棒を調達することすら大変だし、準備したり片付けたりするのはけっこう面倒ですしね。
そんなの本でやればいい、って言うけれども、この「レイトン教授」をやっていると、「カルピスの原液とカルピスウォーターくらいの違いはある」と思います。DSってあらためて凄い機械だなあ、と。それを「割高」と感じるかどうかはその人次第なのでしょうが。僕が小学生で、春休みにずっと遊ぶゲームとして『レイトン教授』を買ったとしたら、ちょっとアッサリしすぎてるかな、と思ったかもしれません。
そうそう、イギリスの空港で「英語を早口でまくしたてる空港職員」に泣かされた僕の友人は、「英国紳士としては……」というセリフを聞くたびに、「英国紳士偉そう!」って怒っていました。英国紳士嫌いの方は、御注意ください。