第177夜 三日月島は惨劇のワンダーランド!『かまいたちの夜2』
あの「かまいたちの夜」の続編としてPS2で発売された(ちなみに、「かまいたちの夜」はスーパーファミコン版)ゲームなのですが、さすがにPS2だけあって、グラフィック、シナリオともに、かなりボリュームアップしています。登場してくるのは、あの「かまいたちの夜」の懐かしいキャラクターたちだし(っていうか、いいかげんに進展しろよ主人公と真理って感じですけど)、孤島でのリゾートに招かれた主人公たちが巻き込まれる災難の数々は、非常に印象深いとうか、正直、「気持ち悪すぎるよコレ……」というシーン満載です。『街』ほどではないとしてもかなりシナリオの分量がありますが、ザッピングシステムなどはなく、フローチャートもあるので、基本的には「選択肢総当り」でクリアしていけます。いちばんのメインのシナリオには謎解きらしい場面もあるのですが、叙述トリックというか、「文字で書いてあればそんなに違和感はないけれど、現実にそんなことやってるのを映像として考えたら、ちょっと不自然に見えるだろそれは…」という感じでちょっと引いてしまいます。
シナリオはたくさんあって、推理モノ、SF、パズル、ホラーなど多彩ですし、けっして「ものすごくつまらない」わけではないのだけれど、あんまりまともな話がないというか、脚本家の読ませたいシナリオを押し付けられている感がけっこう強かったです。そのシナリオをクリアしたことになるエンディングが、どう考えても「不幸な結末」でしかなかったり……「バッドエンド」のほうが、かえって幸せだったりするのだよなあ。もちろん「印象的な不幸な結末」があるのは構わないのですが、それなりに「ハッピーエンド」も用意しておいてほしかった……
「孤島に集められた人々」と「かまいたち」という限られたシチュエーションで、これだけのバリエーションの話を作ってみせるというのは本当に凄いなあ、と思うのだけど、その一方で、なんかこう、「プレイヤー不在のアドベンチャーゲーム」になってしまっているような気もしました。「1」は「次に何が起こるんだ…」というような恐怖感がかなりあったのですが、「2」は飛び道具が多すぎ。結局、「もう矢でも鉄砲でも持ってきたら?」って投げやりになりつつ、「金のしおり」を目指してしまうのですけどね。
とか、文句言いつつ、やっぱり続編が出たら買ってしまうんですよね、このシリーズ。またこんな気持ち悪いシナリオか…とかいいながら遊んでしまうしなあ。いまや、「サウンドノベル」は家庭用ゲーム機での「アドベンチャーゲーム」というジャンルの最後の砦みたいなものですし……