第20夜  幻の炎のコマ!「スペースインベーダー」800点の悲劇!


現在、ゲーム世代以前の大人たちが、家庭用ゲーム機をすべて「ファミコン」と総称しているように、約20年前の一般的な親たちにとって、「アーケードゲーム」=「インベーダー」であった。
僕は小学生だったので、100円なんていう大金をゲーム1回に費やすことなど到底できず、しかも、小学校からは、

〜インベーダーハウスは不良の巣窟〜

というようなプリントが夏休み前に配られたりしていたので、「スペースインベーダー」をプレイする機会はなかなか訪れなかった。(でも、LSIゲームの「デジコムベーダー」は、腐るほどやりました)
僕がこのゲームを初めてやったのは、ある広島県のデパートの屋上でのこと。うちの親が、「やってみる?」といって、100円をくれたのでした。
(今から考えるとうちの親はそういうゲームものに対してすごく寛容だったのです)当時、「ゲームセンターあらし」の愛読者であった僕は、ドッ・ドッ・ドッ・ドッ…という無機質な音とともに襲いかかってくる侵略者たちに、とっておきの必殺技
「炎のコマ」を見舞おうとシールドの陰から飛び出したのでし
た。
(注:「炎のコマ」とは、両手でコントローラーをコンピューターの処理速度を超えた高速でコントローラーを動かすことにより、人為的にプログラムにバグを起こさせてハイスコアを出すという石野あらし(「ゲームセンターあらし」の主人公)の代表的な必殺ワザ。
しかし、いくら20年前とはいえ、コンピューターの処理速度を超えるような動きなんて人間にはできっこないし、万が一、バグがおこったとしても、そんなハイスコアが出るような自分に都合のいいバグだけが起こるなんてことはありえんよなあ、今から考えると…)
 その瞬間…ドカーーン!!あえなく自機は被弾…
その間わずか5秒…
スコアはわずか800点…
というわけで、これ以来、インベーダーは金がもったいない、100円あれば、ジュースが一本買えるし、景品ゲームでもやってたほうが、キャラメルでもとれるしね)という先入観がついてしまい、しばらくテレビゲームの世界から遠ざかることになってしまったのでした。人がやるのを見てるのは、大好きだったんだけどね(あからさまに覗くと恥ずかしいので、横目で)。