第186夜 「みぬく」に異議あり!『逆転裁判4』
『逆転裁判4』公式サイト(体験版もあり)
ゲームボーイアドバンスの『逆転裁判3』から3年3か月、ニンテンドーDSの『逆転裁判DS』からは1年半ぶりの『逆転裁判』の新作。このシリーズの大ファンである僕にとっては、本当に「待ちに待った」新作です。「3」で、これまでのシリーズはひとまず完結ということで、この「4」では、主人公が成歩堂龍一弁護士から王泥喜法介(おどろき ほうすけ)弁護士に替わっています。まあ、プレイする前に「成歩堂も出てくるらしい」という噂は聞いていたのですが、実際にプレイしてみると、「出てくる」どころじゃなかったんですけどね。
ゲームの基本は、いままでのシリーズと同じで、「探偵パート」で集めた情報・証拠品を使って「法廷パート」で依頼人を救い、真犯人を暴くのが基本です。正直、4作目ともなると「このシステムにもちょっと飽きてきたかな……」というところはあるのですが、前作から3年ぶりなので耐えられます。でも、もし同じシステムで1年に1作くらいのペースできっちり新作が出てきたら、さすがに飽きてしまうかもしれません。ストーリーは相変わらずかなり強引ではありますが、とりあえず「逆転裁判的にはギリギリの許容範囲のリアリティ」を保っています。まあ、「いくらなんでもそりゃ無理だろ……」というようなトリックもあったりするのですけど、そこはあまりこだわりすぎないのがこのゲームを楽しむコツですし。『逆転裁判DS』から取り入れられた「証拠品を見る」や「カガク捜査」もけっこう面白いです。ただ、カガク捜査は、できる場面やできることが限られていて、「フラグ立て」みたいになっているのが残念ではあります。茜さんが「やってみたら」って言っていることを、ただなぞるだけ、って感じなんですよね。
あと、このゲームで僕がいちばん辛かったのが、新機軸「みぬく」でした。証言している証人の肉体的な変化を見つけて、「ここでウソをついている!」というのを暴くのですが、やっていてかなりくたびれてしまいます。「証言のどの部分がウソっぽいか」に関しては、ある程度プレイヤーの「推理力」が反映されるのですが、「どこに変化があらわれるのか?」を見つけるのは、本当にタダの「間違い探し」なんですよね。そもそも、「行動がおかしいからウソついてるだろ!」なんていうのでOKなら、裁判や証拠品の意味なんて無いんじゃないか、とか考えてしまいますし。かなりぶっとんだプロセスであっても、そこになんらかの「辻褄」があるのがこのゲームの良さのはずなのに。いや、この「みぬく」がないと早くクリアされすぎてしまうということなのかもしれませんが、僕はあまりこのシステムは好きになれませんでした。
いろいろ文句も書きましたし、さすがにちょっとマンネリ化しつつあるのも事実なんですが、それでも僕はこのゲーム大好きです。「主人公の個性がない、影がうすい」なんていう批判もあるようですけど、まだまだ遺された謎もありますし、「5」「6」も楽しみです。