第52夜 「復活パターン」の産みの親「グラディウス」


 
コナミが生んだ歴史に残る傑作横スクロールシューティングゲーム。
 スピードアップ、ミサイル、レーザー、バリアーなど、
自分で戦略を立てて選べるパワーアップシステムと
火山、モアイ、細胞など個性豊かで多彩なステージ展開が魅力的なゲームでした。
 そして、もうひとつこのゲームが生んだ新機軸として
「オプション」というパワーアップシステムが挙げられます。
この敵の弾に当たってもやられない、自機の後を追って動く分身をあやつって、
届かないところの敵を倒したり、画面一杯にレーザーーを撃ちまくったりするのは、
とても快感だったのです。
 まあ、
「そんなに強いんなら、最初からオプションで出撃しろ!」
と言いたい気もしましたが。
 しかし、こっちの火力が強力になるぶん、後半のステージでは、敵弾も容赦なく降りそそいでくるのです。
 パワーアップシューティングの常として、
パワーアップした1機がやられると、残りは弱い状態ですから、
連鎖的にやられてしまうというのが、このゲームにもあったのですが、
それを逆手にとって、パワーアップした状態で1回やられてから
いかに立ち直るかという「復活パターン」というのが競われはじめたのも、
このゲームくらいからだったような気がします。

 さまざまな家庭用ゲーム機に移植されたのですが、
さすがコナミの看板ゲームだけあって、ファミコン版、MSX版などすべて、
「ハードの限界を超えた!」と称される素晴らしいデキでした。

 なかでも思い出深いのは、X68000版。
あの
「グラディウス完全移植!」で、いったい何人の人が、
当時他にほとんどソフトがなかったX68000を衝動買いしてしまったことか。
 Macの伝説で「マックペイント」と「マックライト」だけで大ヒットしたMac!というのがあるのですが、
X68000は、グラディウス1本!

 ゲームソフト1本の魅力で30万円のハードが売れる、なんてことは、
これからの時代は、もう考えられないでしょうね。