第107夜 騎手って、大変だ…「ファイナルハロン」


 ちょっとした競馬好きなら、誰しも一度は「騎手になってみたい」と、思ったことがあるんじゃないでしょうか?
 中央競馬の騎手なら、週に2日、土日しか働かなくてよくて、しかも、数分間のレースに何回か乗るだけ。馬に乗っているだけでスター騎手ともなれば大金持ち。
 まあ、ネックになるのは、朝が早いのと減量くらいかな?と
(いや、実際はこれだけでも常人にはついていけないような厳しい世界なんですけどね)思ったりもするわけです。

 古くは「ファミリージョッキー」から「ギャロップレーサー」「ダービージョッキー」など、騎手になるという設定のゲームは、家庭用のゲーム機でもけっこう発売されていたのですが、アーケードで登場した「ファイナルハロン」は、まさに「体感競馬ゲーム」だったのです。

 このゲームではプレイヤーは騎手になるわけですが、操作法が、いわゆる「馬版ハングオン(セガの体感ゲーム)」のような感じで、プレイヤーは木馬(ホワイトベースではない)にまたがり、馬を前後に激しく揺さぶることによってスピードアップをするというシステムになっています。
 ただ闇雲にスピードアップしてもスタミナ切れになってしまいますから、ペース配分も大事。

 また、さらにスピードをアップさせる「鞭を入れる」ボタンもあります。
 馬は「逃げ」「追い込み」など脚質の違う何頭かの候補のうちから、好きな馬が選べるようになっており、それぞれの馬に合った乗り方をする必要があるのです。

 プレイヤーは、体重移動によって馬を揺さぶるのですが、これがまた、けっこう肉体的にキツイのです。最後の直線で精一杯馬を揺すって、ゴールに入ると、もう乗ってるほうも心臓がヤバい感じ。

「軍神マルス」は馬のほうでしたが、このゲームでは乗っている人間のほうが、そのまま心停止してしまいそう。

 作り物の馬で1レースやるだけでこんなにキツイんだから、本物の馬相手になだめながら1日何レースも乗るなんて騎手っていうのも、ラクじゃないなあ、ということが、よくわかったゲームでした。
 お金がかかっているだけに、いろんなプレッシャーもあるだろうし。


 精神的にも肉体的にもキツイ仕事なんですよね。
 しかも、ハルウララが出た高知競馬のレースは、勝っても騎手がもらえるのは5000円だそうですし…
 命懸けでやる仕事としては、ちょっとキツイよなあ。